新・むかごの日記

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ギンリョウソウ:銀竜草(複雑な栄養源)

2006-05-24 05:50:43 | 植物観察1日1題
ギンリョウソウ:銀竜草(複雑な栄養源)2006.5.24
今年の異常気象は、冬から春と続き、5月は早くも梅雨模様で里も山も湿っぽい感じです。
そのためか、茨木市奥、見山の郷近くの林下で、梅雨時に多いギンリョウソウ:銀竜草(イチヤクソウ科ギンリョウソウ属)が白い茎を立ち上げていました。
葉緑素を失った白い蝋細工のような異様な色と形は、一度目にすると忘れがたく、山歩きの人の間では結構名を知られています。
日本各地の林中の落ち葉の中に生える腐生植物で、高さ10~15cm、葉は退化して鱗片状に互生します。
5~8月、茎の先に白い花が1個下向きにつきます。全体は異様な色と形ですが、花にはちゃんと黄色い雄蕊と紫色の雌しべ(柱頭)を整え、(写真Ⅱ)たっぷりと蜜も用意してハチ達を待っています。液果はつぶれて種子を散らすなど普通の草と変わるところはありません。
たいていの図鑑では、ギンリョウソウを腐生植物としており、語感からは栄養を枯葉などの腐植物から取っているように思われています。しかし最近の研究では、マツ、ブナなどの根の外生菌根がキノコの1種であるイグチの菌糸に取り込まれ、この菌糸の栄養をギンリョウソウが取り込むという関係が推定されるようになっています。
さすれば、別名のユウレイタケというのは、まんざら見当違いの名前とはいえなくなります。

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