利尻島仙法志御崎の海岸に咲くクロユリです。
クロユリ:黒百合(ユリ科バイモ属)は、黒いユリという意味ですが、実際は暗赤褐色~濃紫褐色です。利尻・礼文に咲くクロユリはエゾクロユリといわれ、海辺にも咲くくらいで、低地型に属し、大柄で花付きもいいのですが、3倍体で種ができず、球根で殖やします。これに対し高山型はミヤマクロユリといい、花は1~2輪とつつましく、2倍体で種もできます。
花として珍しく黒っぽいのでよく知られ、昔からよく伝説に出てきたりします。最近ではクロユリといえばすぐ“恋の花”と続きますが、織井茂子「黒百合の歌」の1節です。もっとも雌雄異株のこの花は、独特の悪臭があり、恋人に捧げるにはふさわしくないようです。