60年代デンマークが生んだ最高のジャズ・コンボ、Jazz Quintet 60がリリースした数少ない作品のうちの一枚。もう一枚Top Pop(Top Jazz)レーベルから出ているVol.2と共に、現状で唯一CD化されていないJazz Quintet 60音源として、一部マニアの間で知られる作品です。同時期にリリースされたベント・アクセンのHoliday In Stuido(こちらもVol.1、2あり)と同じようなデザインなので、どこかでジャケットに見覚えのある方もいるのではないでしょうか。さて、そんな本作。どうやら元々はDominoというレーベルからジャケ違いでリリースされた一枚のようで、このTop Pop(Top Jazz)盤はそのDomino盤の廉価プレスだそう。ちなみに本作に収録された4曲が、いずれも1961年に録音された作品だということ。つまり、彼らのデビュー作であるDebut盤EPと例の澤野再発で知られるMetronome盤の間の吹き込みに当たるわけです。メンバーも若干変動していて、テナーがヤーディグからニルス・ハスムに変わったのもこの時期。また、ベースはエリック・モーセホルムが務めています。そんなメンバー・チェンジも含めて、内容的には正にDebut盤とMetronome盤のミッシング・リングと言った趣。二管のフロントで冒頭から捲し立てるA-1のSipping At The Bellsは、Debut盤時代のCosperを昇華したかのような快速ハードバップ。非常に勢いのあるナンバーで、存分に暴れ回るボッチンスキーとハスム、そしてアクセンが印象的な名演です。続くA-2のVakre Flickorはグッと抑揚を効かせた、これぞダニッシュ・ジャズな渋いナンバー。今度Ricky-Tickから出る新作コンピにも収録されるようですが、Metronome盤前夜の雰囲気が伝わってくる緊張感の張り詰めた曲で、こちらもダニッシュ好きには溜まらないのではないでしょうか。反対面に収録されたB-1のWabashとB-2のThe Touch Of Your Lipsは、またガラリと雰囲気が変わって華やいだ大人のスウィング・ナンバーになっています。アクセンのメロディアスなソロも気持ちいいですね。全4曲とあっという間に終わってしまうEPですが、それでも四者四様に異なる個性のある素晴らしい作品集で、個人的には非常に魅力的な一枚。文句なしに最高です。
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Vol.2もDomino盤あるんですか?
それは知らなかったです。。。
とりあえずTop Popでいいから、Vol.2の方も欲しいなぁと思う今日この頃。
しかし話には聞いていましたが、ジャケットは本当にペラペラですね(笑)
逆にこんなのがよく50年も残ってたなって感じです。
値段の話題が多くて俗っぽくなりましたが、TOPの4枚は再発してもらいたいです。あとHIT関連も。贅沢ですね。でも聴いてみたい。
そうなんですね。4万弱ですか・・・。EP1枚に払う額としては少し考えてしまいますよね(^o^;
Lilian Terryの方は全く知らなかったので今ちょっと某ホームページで見ましたが、イタリアの人なんですね。気になります。
EPはやっぱり奥が深いですね・・・。
ちなみにHIT関連は、やっぱりsketchの再発を切に願っています。他の盤はともかく、これはもうちょっと買えないレベルになってきてるので(-o-;