このジャケットが既にそこそこ有名なので、少し知識のある人ならばジャケを見るだけでピンと来るでしょう。そしてこの手のインスト系ジャズ・ボッサを熱心に聴いている人にとっては、もはや定番中の定番と言えるのがこの作品。ピアニストのFernando Martinsを中心としたブラジルのトリオが、渡仏中の68年にリリースしたSaravahに残したLPです。たしかブラジル本国での録音作はなかったと思うので、これが彼ら唯一のアルバムと言うことになるはず。オープニングを飾るA-1のBerimbauから高速ジャズ・ボッサで気持ちよく駆け抜けてくれます。自作となるA-3のBiaやCafe Apres-Midiのコンピに収録されたB-5のMuito A Vontadeも同様の疾走ジャズ・ボッサ・チューンでオススメ。個人的に気に入っているのはジョビンをカヴァーしたA-5のEstrada Do Sol。いわゆるブラジルのピアノ・トリオと言ってしまえばそれまでなのですが、Tamba TrioやSambalanco Trioなどの他コンボに比べるとやはり洗練度が違います。間違いなく、フランスで録音されたということが影響しているのでしょう。あまり話題には上がらないA-2のNao Tem Solucaoや、A-4のNascenteのようなモーダルなバラードも美しくて気に入っています。この辺りがやはりブラジル録音では出せない独特の味わい。ちなみにオリジナルは結構レアですが、Dare-Dareからの再発はわりとよく見かけます。再発なら値段も安いのでオススメですね。
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何回かオリジナルも聴いたことがありますが、再発とは音の抜けが雲泥の差でした。再発はジャケも見開きぢゃなぃし。