バークリー音楽大学出身の日系ギタリスト兼コンポーザー、BCUことBenny Collins Uyetake(ベニー・コリンズ・ウエタケ)が1992年にCDとカセットテープでリリースした一枚。名前に聞き覚えのある方は少ないと思いますが、以前こちらでも紹介したHeartfeltというグループでメインギターを務めている方ですね。ジャケットの配色がカナリア・カラーで、写っている本人もサッカーをやりそうなラフな格好をしているため、知らなければなかなか食指が伸びづらいですが、これが実はなかなかに充実したコンテンポラリー・サウンドだったりします。ウエタケ自身がヴォーカルを務めるのは冒頭M-1のタイトル曲と、同じく日系の女性シンガーLaureen Nakano(ロウリーン・ナカノ)とデュエットを奏でるM-5のWhen I Met Youのみで、その他の楽曲では外部ヴォーカリストを起用。Maurice Bega(モーリス・ベガ)が3曲、Jeff Rasmussen(ジェフ・ラスムッセン)とRon Kuala'au(ロン・クアラアウ)がそれぞれ2曲ずつ歌っており、これらシンガーの名前を聞いてピンと来る中級レベル以上のハワイ好きであればまず間違いなく楽しめる作品になっています。中でも特にAOR好きにおススメしたいのはモーリス・ベガが歌うM-6のLate Nights。軽快な8ビートにメロウなウワモノと甘い歌声が乗るブリージンなナンバーで、先日紹介したベガ自身のソロアルバム収録曲とは一味違う雰囲気が面白いです。ヘンリー・カポノのKona Windsをもう少しライトメロウ寄りにテンポアップさせたような曲調になっているので、おそらくあの曲が好きな人であれば気に入るはずかと。また、ロン・クアラアウが歌うM-9のAnother Chance On Loveも同様の雰囲気。その他にもメロウなナンバーが幾つかあるのですが、この2曲が収録されているだけで既に聴く価値が十二分にある一枚だと思います。ちなみにリリース元はお馴染みBluewaterから。相変わらず流通量が少ないため狙って探してもなかなか出てこない一枚ですが、どこかで発見した際には是非聴いてみてください。
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