吹田の図書館をもっとよくする会

2010.1発足。「吹田の図書館を もっと よくしたい」そんな思いが会になりました。ご興味のある方はどなたでもお気軽に。

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第8回総会がひらかれました。

2017-04-23 17:20:14 | 図書館みーてぃんぐ
第8回 吹田の図書館をもっとよくする会
総会がひらかれました。

2017年3月11日(土)13:30~16:15に南千里の千里ニュータウンプラザ6階吹田市民公益活動センター「ラコルタ」にて、図書館を利用する市民、地域文庫主宰者、市議会議員ほか様々な立場の方17名の参加で第8回総会が行われました。

正置会長から開会のあいさつとして、本があれば時間と空間を超えられる、公共図書館があるのがどんなに大事か、岸部地域にできる新図書館に指定管理者制度は導入されないことに決まった、その点については市に感謝したい、といった話がありました。

第一部 ●記念講演会 
「図書館の運営と職員のあり方を考える ―「直営」と「指定管理」はどうちがうか―」
講師 田井 郁久雄(たい かくお)氏(岡山市立図書館に30年勤務。元 就実大学、ノートルダム清心女子大学、岡山大学、阪南大学非常勤講師、広島女学院大学準教授。)
1.図書館の管理運営の方法
①直営/②窓口委託/③指定管理、の3つの方法があり、②と③の表向きの目的は直営以上のサービス向上と経費の削減、と説明を始められました。窓口委託導入後に指定管理に移っていく可能性が高いことも強調されました。

2.指定管理者制度をめぐる最近の動き
 経済財政諮問会議で高市総務大臣が2015年11月に提案したトップランナー方式(図書館へも自治体の指定管理者制度導入を推進するもの)について、各界からの批判や疑問があがり、2016年11月に図書館へのトップランナー方式は見送られた件について解説されました。「図書館に指定管理者制度を導入するには問題がある」ということを総務省が認めたことになり重要な意味がある、と指摘されました。

3.指定管理者制度はサービスを向上させていない
指定管理者制度を導入した図書館のサービス状況について、少なくとも5年以上のスパンでの検証が必要、と播磨町、高山市、神戸市、和泉市、岩手県、の貸出推移のグラフを用いサービス低下の実態を示されました。貸出は受託直後に多少伸びても、その後横ばい、下降あるいは大幅な下降をしているのです。

直営で貸出を伸ばし続けている滝野町や岡山市、岡山県、そして直営のままでサービスを改革し大幅に利用を伸ばした三木市や新潟県の貸出推移とその内容についてもグラフを使って解説されました。直営であればこそ、そうした大幅に利用を伸ばす変革ができる可能性があることを説くものでした。
吹田市立図書館の2010年以降の貸出数の変遷についても触れられました。千里図書館の移転開館や山田駅前図書館・千里丘図書館の新開館があった割には貸出の伸びは物足りないものとなっていました。

指定管理者制度導入によって経費は削減されてはおらず、むしろ増大していることも、三田市などの事例を元に明確に指摘されました。指定管理によって、職員は時給数百円の職員に置き換わり、大幅に人件費が削減されます。その一方で、本当に必要なのか疑わしいような高額な機器(自動貸出機、自動返却機、ブックシャワー、読書通帳機、香りの噴霧器、川のせせらぎ音、など)が導入されたり、直営であれば不要だった経費(業者の利益分、指定管理料支払い時の消費税など)がかかり、トータルとしては直営時よりも経費がかかっているのです。

4.指定管理者制度はなぜ問題なのか
企業の利益の追求と無償の住民サービスは矛盾する、職員体制が劣化していく、図書館の役割と自治体の継続的な責任、選書や蔵書構成についての自治体の責任、情報が公開されない、行政による民営の目的化、といった点を挙げていかれました。

5.表面化する指定管理の問題事例  
武雄市、海老名市、多賀城市などの「ツタヤ図書館」の問題が目立ちがちですが、最大手のTRC(株式会社図書館流通センター)の問題についてもきちんと見るべきだ、と指摘されました。1年で27%もの指定管理職員が入れ替わった事例、一企業が寡占化している現状、神戸市での統計操作にもつながる可能性のある不正の発生などがあり、不正が明らかになった場合に自治体が責任を持ちえない状況があるとのこと。

6.こんな図書館であってほしい―直営による運営の責任
直営でダメな図書館はたくさんあって確かに目立つ、指定管理者制度の問題を指摘するのであれば、直営の図書館が優れたサービスをやってみせなければならないのだ、ということを強く主張されました。

田井氏自身がかつて勤務していた岡山市立図書館では窓口業務も含め直営のまま、貸出は非常に多く開館以降延々伸び続けています。吹田市と比べると岡山市は職員数も図書館費もはるかに少なく、一方資料費だけは吹田よりも多く確保してきた状況です。岡山市では経費は少なくとも高いサービスをしているとのこと。「カウンターは図書館員のひのき舞台」という意識でカウンターを業務の中心にし、利用者一人一人への対応を大切にし、「貸出」は単純作業ではなく、図書館のすべての業務につながるサービス、という方針を徹底してきたそうです。それが市民からの図書館職員への高い評価にもつながっているのです。
職員体制も工夫し、岡山市で非正規職員の中心となっている嘱託職員にもやりがいと希望の持てる職場となるよう、嘱託職員にも昇給があり60歳まで勤続可能で、正規職員採用試験の受験資格は嘱託職員がいつでもチャレンジできるよう年齢制限を59歳までとしていることなどを紹介されました。

岸部の新図書館について、「指定管理でないならば、窓口業務が委託されるのであっても直営とみなせるのだからよかった」とならずに、本当にいいサービスのためには窓口委託をしない直営による運営で、自覚と生きがいを持っていいサービスをしようとする職員がいて、よいサービスができる図書館にしてほしい、とも話されました。
具体的な事例や数字を元にした解説はとても分かりやすく、直営の図書館こそよいサービスをしてみせる責務がある、がんばってほしい、という講師の励ましを重く受け止めたいと思いました。


●報告①吹田市立図書館のいま

図書館の役割は、誰にでもその人が必要とする本・情報を提供すること、と前置きして話がありました。
吹田市立図書館の現在の水準としては、開館時間は多く、利用も多い状況です。職員体制は正職員司書が中心だった時代から、非常勤司書と臨時職員が増加した時代を経て、現在の委託スタッフ激増期へと変化してきました。司書集団の力を活かし児童や障がい者へのサービスやレファレンス、様々な施設や部署・ボランティアとの連携・協働に努力している様子です。
この1年の新しい動きとしては、知的障がい者へのサービスについての研究(大和大学他と共同)、高齢者サービス、健康医療情報提供、学校図書館の読書支援員へのサポートなどが推進されています。
吹田市立図書館の抱える課題・問題として、①図書館網の整備(北千里分室規模拡大、中央図書館老朽化)、②図書館の役割をきちんと果たす図書館とするには。図書館員の専門性をどう育てるか。窓口委託の検証、③魅力のある本棚づくり、が挙げられていました。

●報告②「(仮称)「健都ライブラリー」内の図書館の運営主体に関する要望書」提出、吹田市との懇談報告

「岸部地域に図書館をつくろう会」の山﨑さんから次のような報告がありました。
この1年、同会で岸部地域住民に新図書館についてのアンケートをとり、その結果も元にして要望書を提出し、市との懇談を3回持ちました。健都ライブラリーについてのパブリックコメントも提出しました。
「「(仮称)健都ライブラリー」として岸辺に新図書館がオープン!」のちらしを作成し、岸部、南正雀地域や岸部駅前で配布し、全市議会議員と市図書館職員にも配布しました。
健都ライブラリー内の図書館部分の運営方法について、指定管理者制度導入は回避されたところですが、これからも息長く市と話しをしていきたいと思います。


第二部 総会
後藤市長、小北市議会議長からの祝電披露があり、
活動報告・会計報告や下記の活動目標が承認されました。

活動目標
・「吹田の図書館をもっとよくする会ニュース」を発行し、会の活動が会員および幅広い市民に伝わるようにします。
・「もっとよくする会」のブログを更新し、ネット上での情報発言につとめます。
・図書館への理解を深めるため、学習会や他自治体の図書館への視察などに取り組みます。


第三部 図書館みーてぃんぐでの発言より ~それぞれの立場・視点から

出席された皆さんから様々な情報交換・意見交換ありました。

□(田井氏)新館をつくるときは職員主体であるべき。それこそが専門性を発揮するところ。岸部新館の設計計画に職員はどの程度どのようにかかわっているのか。岡山市の西大寺図書館建設時、設計図はすでにできていてひどいものだったが、内部のレイアウトと家具は図書館員が検討し決めた。新館設計にはもっと職員がかかわっていかないと。プロポーザルと言っても業者任せにしてしまってはよい図書館はできない。図書館員の設計によって図書館のサービスの内容が決まってくる。幸町図書館建設時には業者が決まった後、図書館員との話し合いで壁一面に絵本架を作ったりした。設計によって図書館サービスの可能性に差が出る。吹田はもっと専門職の役割を強く打ち出しては。
□(岸部在住市民)岸部に図書館がないのは不満だった。普段はさんくす図書館に行くがいつ行っても古い本ばかりで不満。岸部に新館ができると聞き、純粋に図書館ができて嬉しい、と思っていたが、今日の話で様々な問題が分かった。
□(寝屋川市民)寝屋川では平成31年度からサービス向上をうたってカウンターが委託される予定。職員は市長に反対するようなことをすればマイナス査定になると恐れている。市議会議員は貸出業務は「ピッピ」とするだけ、と軽んじている。
□(堺市民)堺で図書館協議会委員もしている。府下で指定管理を広げたくない。枚方では中央以外は指定管理導入の計画に対し反対運動をしている。堺では建替えに合わせ民営化の話が出るので協議会で指定管理はダメだと答申を出したい。
□(吹田市民)カウンターは軽く見られる。かつて図書館に勤めていたが、そのことで上司とケンカみたいになったこともある。今は吹田の中央図書館を利用しているが、中央図書館は老朽化していることもあり、ずっといたいと思えない(ゆったり過ごせない)。中央図書館について、建替えなど要望を出せる場はないか。
□(事務局)当会で中央建替えのことも含めて市と懇談していた。その後岸部新館の話が持ち上がり、現在はそちらに力を入れていた。
□(岸部地域に図書館をつくろう会)中央建替えなどについて市と懇談したとき、市長から公共施設の集中/分散の話が出ていた。
□(田井氏)岡山市立図書館勤務時代、臨時職員なら増やしてやる、と言われたことがあるが断った。吹田では職員が多い、という自覚はしてほしい、職員は事務室に閉じこもらないようにしてほしい。
□(枚方市議会議員)私は元々枚方の社会教育課の職員。公民館・図書館をつくる担当をしたこともある。香里が丘図書館が市長のトップダウンで建替え・プロポーザル・指定管理に。「公民館・図書館をよくする会」をしている。牧野図書館とさだ図書館が今年度指定管理に。直営に戻すための運動をしている。偽装請負ではないか、と思われる状況があり、3月19日に西河内氏を講師に勉強会を予定。枚方市立中央図書館ができたとき、元関西外国語大学図書館の6階建ての建物を中央図書館としてもらってしまったのがよくなかった。市民が図書館として使うのは2-4階。予算はこの中央図書館に取られ、分館に予算がなく利用が減った。
□(田井氏)大阪府の問題は地方に影響するのでがんばってほしいが。現場の図書館員の存在感や発言がない。
□橋下元大阪市長の影響は大きい。市に反対するようなことを言ったらアカン、と。
□(田井氏)ある職員が小さい分館でもいいから思い切って変える、とか、直営でこれだけやれる、というのを吹田でも見せてほしい。
□気概のある図書館員が少なくなっている。正職員の負担がきつくなっている。
□(田井氏)窓口委託や指定管理のために増えている余分な仕事を数量化して主張すべき。それは現場の職員にしかできない。
□(寝屋川市民)館長までで情報がとどまり、他の図書館職員に周知されない場合はどうしたら?
□(田井氏)それは図書館の組織の問題。岡山市立図書館の新館設計時には職員は誰でも意見が出せるようにしていた。
□どうして職員の意見が反映されないことがあるのか?
□(田井氏)計画・設計すべてをTRCの子会社に丸投げするケースも全国あちこちである。計画も設計も本来は自治体の職員がすべきこと。
□全国の自治体で市民課の窓口委託や指定管理も進みだしている。市民課の窓口は市民のプライバシーを守り相談に応じるところだが単純労働だと軽視されている。図書館だけでなく他の職場でも「市民の権利に応えて仕事をする」ということが軽視されている。

最後に代表・正置より、図書館は大事であるから、今後もこの会の活動を大切に続けていきましょう、と閉会の挨拶がありました。

●参加者アンケートより 
   
いただいたアンケートの中からご紹介します。
*一部省略したり表現を簡略化した箇所もあります。

□田井先生のお話は現場からの視線も多くてとってもよかったです。“直営の存在感を”とのご指摘、胸におちました。ありがとうございました。
□図書館業務のアウトソーシングの実態が分かりました。又、職員の業務のあり方について、単純作業ではなくサービスを行う仕事であるとよく理解できました。
□図書館は「知の宝庫」「知の砦」と言われていますが、吹田のなかでそのような思いが育っているかといえば そうとも言えません。吹田の図書館で活動する者にとっては、今回の田井氏の話には気持ちが揺らぎ、不安を拭えないものがありました。「人」や「運営」の問題は、岡山市と比べるとその違いを感じますが、私は吹田の市民です。2019年末にオープンする岸部図書館を含めて、「やっぱり図書館がだいじ!」と、「市民力」を生かしていければと気持ちを前向きにしています。
□公立図書館の必要性は頭では解っていましたが、今回の講座でその必要性が良く解りました。特に岸部図書館は、健康医療に特化する中で、全体では指定管理が言われていますが、図書館が公立になることで、市民の教育・文化が他の図書館との連携で、その役割が立派に果たされると期待します。今は窓口が業務委託になってクレームも多く見かけられますが、これが全体に委託されないように、更なる運動を職員の皆さんと進めていくことの大切さを学びました。
□図書館でのカウンター業務の重要さが改めてわかりましたし、このことを市民に知ってもらうことが大切だと思いました。1年間、枚方では図書館が指定管理になって指定管理業者だけでは運営できない、日常的に枚方全体でやらなければ運営できないことが偽装請負のようになっていることからも明らかです。吹田でも同じではないかと思いました。
□吹田の窓口業務委託について、サービスの向上や経費削減などのメリットがあったのかどうか、検証していく必要があるのではないでしょうか。
 
●総会を終えて
参加のみなさま、ありがとうございました!!これからも、岸部の新図書館についてははもちろん、吹田の図書館をもっとよくするあり方を考え続け、市と市民の懸け橋の役割を果たし続けたいと思います。今後とも「吹田の図書館をもっとよくする会」をよろしくお願いいたします。
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