堀佐夜子/花冠同人

堀佐夜子の俳句ブログ

短夜

2009-07-11 21:10:56 | Weblog
短夜や癒し音楽に眠り待つ
二人して共に老いたり冷素麺
雲の峰飛行機雲がすれすれに
会釈人名前度忘れ炎昼に
青田風頬にほどよき車椅子
信号を曲がれば夾竹桃の赤と白

黄水仙

2009-02-13 02:46:39 | Weblog

朝に飲む薬六錠寒の水

寒椿玄関出ればそっと触れ

暖かな雨に濡れてる石灯籠

工事場の点滅ランプ冬の雨

冬日差し縁側こえて調度まで

冬の湖凪て白船ゆったりと

節分の夜更けの居間に鬼の面

黄水仙挿せば花々そむきあい

二人して葛湯あわあわ春が来ぬ

春立つ日パステル色の今朝の空

 


高橋正子先生の言葉 「花冠創刊号の代表句を三句」

2008-11-22 06:41:37 | Weblog

高橋正子先生の言葉

花冠創刊号の代表句を三句あげれば、次の句となりますので、声に出して是非味わって下さい。

  空一面あけぼの色の鰯雲             佐夜子

 あけぼの色に染まる鰯雲。高い空に広がる鰯雲に心が空を飛ぶような気持ちが湧きます。今日も好日。  

  水のいろ火のいろ街に秋燈            ますみ  

 街に灯る秋の燈を見ていますと、水のいろをした燈、火のいろをした燈があります。それが、大発見のように新鮮です。青い燈、赤い燈が入り混じる街の燈を見つめれば、どこかさびしさも湧いてきます。  

 秋冷やポケットに拳しまいけり          和 美  

「しまいけり」は単なる事を述べただけのようですが、よく感じれば、事を超越した心もちがあって面白い句です。秋冷の拳が詩になっています。 花冠のあたらしい俳句があたらしい俳句雑誌「花冠」の座によって、生まれてくることを願っています。


鰯雲

2008-10-30 20:19:53 | Weblog

秋深し会う度に同じ話をする義兄よ

コスモスの淡き色合い風やさし

空一面あけぼの色の鰯雲


まんじゅしゃげ

2008-10-04 11:01:36 | Weblog
あらっこんなところにまんじゅしゃげ

夜半の秋に六日月見んと窓開けぬ

額の花

2008-05-28 04:44:09 | Weblog
入道雲映して田んぼの水鏡
網張ってゴルフの稽古雲の峰
放ったらかしの額の花雨に咲き

心太

2008-05-23 07:32:48 | Weblog
自家用にじゃが芋の花咲かせける
我にある勝気と弱気しゃがの花
あゝいえばこういう仲の心太

これという話なくて皐月晴れ
眩しき空を手庇すれば揚羽影
テレビ画面ブーゲンビリア溢れさす

日傘

2008-05-10 20:10:55 | Weblog
歩道橋日傘くるりと回し行く
贈られて紫陽花鉢窓辺に置く
緑の中にカラー咲き真白きに

子供の日

2008-05-05 20:20:17 | Weblog
折り紙兜棚に飾れば子供の日
薔薇一輪机上に置けば夏兆す
菖蒲湯にゆっくり浸かる午後三時

夏隣

2008-04-30 13:35:51 | Weblog
歩道の割れ目一本だけのポピー咲く
夏近く帰路の車の窓を開け放ち
夏隣小さな橋の名は古し