藤田洋子/花冠同人

藤田洋子の俳句ブログ

平成25年花冠4月号

2013-05-05 16:10:24 | Weblog
 寒禽の丘
一月におろす俎板木の香り
寒禽の丘高々と広々と
梅早し街空広く澄みいたる
客を待つ椅子に水仙よく匂う
こぼれては板間を弾む年の豆
家中の灯りをつけて豆を撒く
春立ちてとんとん刻む菜のみどり

★寒禽の丘高々と広々と
高々と、また広々としているのは、寒禽の丘。寒禽がよく鳴き、自由に飛ぶ丘が想像できる。鳥たちの自由な世界は、作者ののびやかな心の証と言える。(高橋正子)

★梅早し街空広く澄みいたる
生活する街に、青空が広がる暖かい日だったのだろう。早くも梅がほころんだ。澄んだ空の色と真っ白な梅の花がきよらかな風景となっている。(高橋正子)

★春立ちてとんとん刻む菜のみどり
寒も明けて、いよいよ立春。作者のうきうきとした気持ちが、菜を刻むとんとんと小気味よいリズムに現れているようです。(安藤 智久)

漸く立春を迎え、日常の厨事の何気ない所作にも、これからは少しづつ暖かくなって来るのだ・・との隠し切れない喜びの心情が窺えて素晴らしい。みどり色の菜を「とんとん刻む」との措辞が効果的である。(桑本 栄太郎)

寒気の中にもかすかな春の兆しが感じられる立春の朝、新鮮なみどりの菜の葉をリズム良く刻む軽快な音も春めいて来ている。春を迎えるうれしさが素晴らしいです。(小口泰與)
春らしいみどりの葉を音たてて刻んでいる。春が来た喜びが一杯です。みどりの葉も嬉しいですね。(迫田 和代)


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