藤田裕子/水煙同人

藤田裕子の俳句ブログ

春禽

2009-03-07 23:18:31 | Weblog
春空のひとところにある白き雲
春禽の自由を得たり大空を
乳飲み子へ眼差しますぐ内裏雛

春の雷

2009-03-01 00:58:20 | Weblog
暁を一瞬裂けり春の雷
春の雨夜のしじまに沁みゆけり
やわらかき雨つれ梅の枝垂れけり

<入選Ⅱ>
★暁を一瞬裂けり春の雷
<多田有花様コメント>
空を走る稲光、しかし、それも春のものであればどこか優しいようなそういう印象を受けます。

春雪

2009-02-22 23:34:52 | Weblog
春雪の峰やわらかく輝けり
梅の香に埋もれる目白声高く
箱開き雛人形の目と合いぬ

<入選Ⅱ>
春雪の峰やわらかく輝けり
<多田有花様コメント>
春の雪ならではの峰の姿のやわらかさですね。冬の厳しさとは違う穏かな春の雪景色を見事に詠まれています。

蜆汁

2009-02-14 22:21:57 | Weblog
雨の日の会話膨らむ蜆汁
春苺香の高まりを店先に
春雨の静かな時よ句帳開く

春雨の静かなる時句帳開く(推敲)

<正子先生特選>
雨の日の会話膨らむ蜆汁
<小河原宏子様コメント>
外は、雨、家の中では、蜆汁を頂きながら、家族が楽しく語り合っている景の見えてくる素敵な句と、思います。私の好きな朝のドラマの「だんだん」の事を、ふと、思いました。

春陽

2009-02-10 22:44:28 | Weblog
<花冠4月号投句>

うっすらと山裾までも今朝の雪
門辺り淡き香りを水仙花
冬すみれ朝の空気を纏いおり
地上のものみな研ぎ澄まし冬の月
一つずつ成し終える日々山霞む
四方より声弾ませる雀の子
一椀の春菊青く香り立つ
春水のその柔らかきを手に掬う
きらきらと幼なの瞳春陽の中
春浅く久しき友の声若し

春菊

2009-02-08 00:54:47 | Weblog
柔らかき蕾膨らむ朝の梅
四方より声弾ませる雀の子
一椀の春菊青く香り立つ

<正子先生入選Ⅱ>
★四方より声弾ませる雀の子
<藤田荘二様コメント>
雀の子の活発で小刻みに賑やかに鳴き交わす声が聞こえてきそうな句です。春の日差しを浴びて元気をもらえるような気もちがしてきます。

冬すみれ

2009-02-01 23:13:44 | Weblog
冬霧の晴れゆきくっきり青き山
冬すみれ朝の空気を纏いおり
寒夕焼辺りほのぼの消えゆけり

【入選Ⅱ/12句】
<正子先生コメント>
★冬すみれ朝の空気を纏いおり
りんと引き締まるような冬の朝の空気。その空気を纏って、健気にも咲くすみれ。小さな花への声援。

水仙花

2009-01-26 00:05:17 | Weblog
門辺り淡き香りを水仙花
中庭を冬鳥親しく歩み寄る
大寒の灯の下静か児の寝息

<入選Ⅰ>
門辺り淡き香りを水仙花
<藤田洋子様コメント>
門に漂う水仙の芳しさに出迎えられ、送り出される喜びが伝わるようです。その淡き香りに、寒気とともにある水仙の清楚な美しさを感じます。

今朝の雪

2009-01-19 22:27:01 | Weblog
冬オリオン青き光りをわが身にも
うっすらと山裾までも今朝の雪
寒に入る名水百選わが町に

<入選Ⅰ>
★うっすらと山裾までも今朝の雪
<井上治代様コメント>
今週は雪が多く寒い日が続きましたね。うっすらと雪化粧した山は美しく、寒くても雪を見るのはいいものだと思いました。

七草粥

2009-01-10 21:53:28 | Weblog
きび餅の膨らみうれし皆集う
娘発ち山茶花の白咲き満てり
七草粥優しき色をふつふつと

入選Ⅱ
<多田有花様コメント>
★きび餅の膨らみうれし皆集う
手作りのきび餅なのでしょうね。みんなが集まるお正月にきび餅を作ってにぎやかに食べられた、その情景が浮かびます。