下地 鉄/水煙同人

下地 鉄の俳句ブログ

水煙掲載作品 /2007年10月号

2007-09-02 10:08:49 | Weblog
作品7句/蘇鉄の丘

愛されて野菊を供う遺影かな
はらからの集う夏夜の故山かな
せかされて尚せかされて蝉のこえ
登りきて蘇鉄の丘の蝉しぐれ
遠き日の祖母の手慣れしくば団扇
蛍絵の風鈴吊るす愛むすめ
香水のよぎりて其処を振り向かず

憲法記念日

2007-05-03 11:24:28 | Weblog

 永らえて飽食に狎れし憲法記念日
 短夜や夕餉ずらして浜の友
 若葉風今日の独り居に孫のいる
 憲法記念日飛機から降りるマ元帥
 

花梯梧

2007-05-01 09:47:20 | Weblog

 古木なる闇に焔の花梯梧
 春宵や街のあかりを下に見て
 若夏や遠海に小さき帆かけ舟

梔子

2007-04-26 16:36:23 | Weblog

 梔子の花をはなれて香りくる
 残照を浜にのこして春の逝く
 やちむんに今帰仁スイカ粗野に盛り(みち代作)

春の雨

2007-04-18 15:38:14 | Weblog

 娘の頼みきき容れられず春の雨
 スピーカーの走り行く声の春選挙
 蒲公英を四清同にて佛に活け

蒲公英

2007-04-11 15:49:35 | Weblog

 蒲公英の小さく咲いて浜の風
 春雨の家根うつ音の家居かな
 春霞みビルのほのかな窓あかり

清明

2007-04-04 14:59:59 | Weblog

 清明の風に吹かれて山をいく
 はらからの亀甲墓や清明祭
 さくさくと千切れる音のレタス盛る

花冷え

2007-04-03 22:19:39 | Weblog

 花冷えや郵便受けの赤ポスト
 一撮みの青く膨らむ若布かな
 落日の光芒満ちて春の海

夜半の春

2007-03-30 09:29:29 | Weblog

 海鳴りのきくともなしに夜半の春
 夜半の春色即是空かいみんす
 春かすみ今日の落日そこにあり

白魚

2007-03-29 17:29:54 | Weblog

 白魚の掴めばとろりこぼれけり
 青芝にわだちの跡の春の霜
 春出水あくたかたちを残しけり
 浅蜊汁音もひとつの円座かな