小川 和子/花冠同人

小川和子の俳句ブログ

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林檎

2016-10-01 11:19:23 | Weblog
              十月(2016年)の俳句より


雨戸繰る窓に木犀満ちてをり
朝寒や木犀澄みし香を零す

酸っぱさも硬さも恵み林檎食む

☆寝入る児に童話本閉ず十三夜
☆夜半澄めば肌に染み入る後の月

日照り雨受けて真っ赤にみずきの実

秋麗ハロウィンの仮装の子らに逢う
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秋の海

2016-09-04 14:55:10 | Weblog
              九月(2016年)の俳句より


房総

空映す碧の濃淡秋の潮
秋潮やテトラポッドに飛沫あぐ

杣道を辿る途々つくつくし
☆木道の冷んやりとして水引草
滴りを滲ませ岩場閑かなり

☆ゆくりなく内房懸けて秋の虹
残照の濃く去りがての秋の海
雲間より秋入日燃ゆ水平線

☆創世記読みたる夜半の銀河濃し
友等との円居懐かし青蜜柑

幼子の知り初む草やねこじゃらし
遊具へと駆ける幼に空高し

☆道後へと旅す日ありき獺祭忌
夜もすがら樹にも草にも雨月かな (推敲)

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聖火

2016-08-09 16:01:27 | Weblog
             八月(2016年)の俳句より



・リオデジャネイロ五輪・開会式(8月5日夜・現地時間) 
(8月6日朝・日本時間)     

聖火燃ゆ遥か南の夏空へ
星飛ぶや澄みし聖火の永久にあれ
☆平和こそ地の塩なれや原爆忌


・南アルプス界隈・バスツアー

清流の音の涼しきキャンプ場
涼風に吹かれ落葉松林行く

☆尾根行けば芒解るるゆかしさよ
草原を来て木苺よ野の花よ

明野
☆すいっちょを鳴かせ向日葵畑かな
向日葵の強き日差しに逆らわず

青嶺晴うすみず色の眺望に

牧場の青芝眩し牛の群れ
☆傾斜地に牛放たれて大夏野

熊谷花火大会 (8月13日)
河川敷に夕風よぎる花火かな (推敲)
花火音弾け夜空を華となす
☆幼子の瞳澄みゆく花火の夜




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青桐

2016-07-18 18:16:47 | Weblog
             七月(2016年)の俳句より



☆初蝉の声す芝生を踏みゆけば
湿り気を木陰に残し梅雨明ける

椿斯く硬き実を成す頃となり
羽搏ける鳥影のゆく木下闇

青桐の葉の幾重にも瑞々しい
隠沼に浮かびて軽し夏落葉


遠き日
☆磯の香の海ほおずきを鳴らし継ぐ

 庄内メロン従妹より
海鳴りの聴こゆ砂丘のメロンかな

日本海・吹浦
夏波涛沖より寄せく海岸線

父の生家
☆鳥海を望む砂地やカンナ咲く


★あつみ山や吹浦かけて夕涼み/  松尾芭蕉
★涼しさをわが宿にしてねまるなり/ 松尾芭蕉

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夏つばめ

2016-06-15 20:57:44 | Weblog
               六月(2016年)の俳句より


豊川の流れ涼しき城址かな
空濠をてらし十薬咲き占むる 

用水の豊かな里の夏つばめ (原句)
用水の流れ豊かに夏つばめ (添削句)


巣に待てる子燕丸き口揃え
旅にして茅花流しに逢いしかな
青葦の空奔放に行々子


草叢の露草むかし引きよせる(原句)
露草の青がむかしを引きよせる(添削句)

白百合のパールのごとき気品かな

人見えぬ青田にものの声盛り
山鳩のリズムよく鳴き梅雨深し



☆用水の流れ豊かに夏つばめ/和子

用水が豊かに流れるところは、生き生きとした青田のある農村の姿
ともいえる。夏つばめが田の上や、用水を自在に飛んで、夏を楽しんで
いる。生き生きとした楽しさがある句だ。(高橋正子先生・評)

☆旅にして茅花流しに逢いしかな/和子

「茅花流し」は梅雨のころ茅花の白い穂を吹き流す南風。
旅にして「茅花流し」に逢う偶然に感動して生まれた一句。
長く俳句に親しんでいればこそ生まれた句。(高橋正子先生・評)


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カーネーション

2016-05-08 22:15:11 | Weblog
             五月(2016年)の俳句より


武具飾り背にポーズとる家族かな
カーネーション配され咲きかけの花々よ

母の日の電話の記憶亡母の声

草叢に囲まれている植田かな
白鷺を中州に止む新河岸川

☆盲導犬あるじに頓と聖五月/和子

先日、電車の中での一コマ
一人の50代半ば位の女性が盲導犬と一緒に、途中まで駅員さんに
伴われて優先席に乗ってこられました。座席に落ち着くとすぐに
「お仕事中」と書かれたハーネスをはずし、「少しの間ゆっくりしていいのよ」
と話すかのように、カバンの中からフワリとした布をとり出し足元に敷いてあげる
と、ほっとしたようにその布の上に横座りしたのです。お隣に座っている人への配慮もあり
ました。そこには幼い子を連れている母親のような愛が感じられ心がほっと温まる
光景でした。盲導犬のそれは穏やかで優しい眼差しも忘れられません。(自句自解)

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花菫

2016-04-06 10:30:06 | Weblog
             四月(2016年)の俳句より


たおやかに瑞枝の揺るる糸桜
花菫低く咲かせて風清し
花冷えの空へと深し樹木林
この花が山吹ですかと訊ねられ

咲き溢れ雪積もるごと桜散る (推敲)
母逝きて七回忌とう花に集う

朝風に息づきおりし花林檎
花りんご仰ぎ祈りつ教会へ

ふらここを漕ぐ子らよ跳べ高みまで
珈琲店出でて目に染む花みづき


☆花菫低く咲かせて風清し/和子

「花菫」を上手く捉えた。「風清し」がいいのだ。
作者の内面をいい風が吹きすぎた。(高橋信之先生・評)

☆ふらここを漕ぐ子らよ跳べ高みまで/〃

ふらここ、つまり、ぶらんこを子どもたちが漕いでいる。
だんだんと勢いづくのを見ているうちに、高い空まで漕いで
くれよ、空の中の子どもとなってくれよ、との思いが膨らみ
、やがて子どもは、幼いころの自分と重なる。(高橋正子先生・評)


道明寺菓子の香ほのと八重桜
花吹雪舞うを行き交う人と愛づ

まさしくも大地の匂う草を引く


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花ミモザ

2016-03-09 13:12:15 | Weblog
               三月(2016年)の俳句より



(ブリスベン)
大朝焼異国の地へと着陸し

乗馬する視野に開ける花ミモザ
豪州を旅す思い出ミモザ咲く

(ファームステイ・シドニー近郊)
春暖炉燃えて草食む羊群れ

☆乗馬する視野に開ける花ミモザ/和子

馬に乗ると当然目の位置が高くなる。馬の背の高さに開ける視野には、
黄色いミモザの花がふさふさとひろがる。欧米とも違うオーストラリアの
ロマンティックな風景。 (高橋正子先生・評)

卒業式近き校庭花芽ぐむ
雨あがり日差しを透かす黄水仙
幻想かともふと過る蝶の昼

土壌に触れ草芳しき庭手入れ

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日脚伸ぶ

2016-02-10 10:55:38 | Weblog
                 二月(2016年)の俳句より


森の樹の芽吹きの音の気配かな (推敲)
子等遊ぶ声の天へと日脚伸ぶ
玻璃ごしの立春の陽の眩しさよ

日当たれば幹温かき欅かな
日の少し差し込む藪の紅椿
長閑さに莟ほのぼの枝だれ梅

早春の風吹く岸の蕗の薹
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実南天

2016-01-05 21:48:03 | Weblog
            一月(2016年)の俳句より


実南天活けて障子の初明り
御持たせの逸品ありて雑煮膳 (推敲)
年用意身に付いてきし割烹着

山下公園
初空や煌めき交わす鴎どち (推敲)
艫綱にかもめ列なす明の春

枯蘆を一途に素描する人よ
水仙の群咲く辺り香の立てり

初雪
斯く深く一夜に雪の降り積もる
凛々と月光冴ゆる夜のしじま
地に雪を残して昇る寒の月


☆実南天活けて障子の初明り/和子

真っ赤な南天の実を障子のある部屋に活けた。朝が来て障子に
初明りが差し、部屋は淑気に満ちた部屋となっている。日本の
正月の良き光景だ。 (高橋正子先生・評)

☆年用意身に付いてきし割烹着/〃

この歳になって割烹着が身に付いてきた、いうのもおかしいの
ですが、私は長らくエプロン派であった。ところがふと思い出して
タンスにしまってあった一枚の割烹着を身に付けてみた。これが何とも
心地よいのである。袖口まできっちりと被ってくれるのも嬉しい。
この割烹着は機織りを趣味とする友に、亡き母の古い着物を送らせて
もらった際に、その中の着物地で割烹着に縫い上げてくれ、「貴女のお母さんの
お形見で作りました」と送ってくれたものなのです。
その友も亡くなり、私には二重の意味で大切なお形見になった。
二歳の孫は「それおばあちゃんのスタイ?」と可愛いことを言います。(自句自解)

☆年用意身に付いてきし割烹着/〃

まなうらに浮かぶ母のかいがいしい割烹着姿。年齢を少しずつ重ね、自身
もようやく割烹着が身に付いてきたようだ。来し方への感慨と今後への意気
が感じられます。(柳原美知子さま・評)


☆地に雪を残して昇る寒の月/和子

「地に雪を残して」に、雪の降り積もったあとの情景が目に見えるように
表現されている。雪の夜のしじまを昇る月が冴え冴えと澄んだ美しい世界を
詠んだ。(高橋正子先生・評)

















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