ぽいっと投げた魚を見事口でキャッチしたペンギンがいた。
なんてすごいんだろう。
僕たちは彼に拍手を送った。
「君はすごいね。あの魚をキャッチするなんて。」
「ありがとう。」
「僕は感動したよ。本当にすごいんだね。」
「…。君が言うほどすごいことでもないさ。」
「そうなのかい?でも、誰もできないことをやっているじゃないか。」
「たしかにここではそうかもしれないね。だけど、外にいる仲間はもっと大変なんだ。」
「外?」
「そうさ。えさを自分で捕まえるのは当たり前。しかも、視界はもっと悪いし、あいつらいつも動いてるんだよ。」
「君は外からきたのかい?」
「そうさ。僕もかつて外にいたんだ。昔の話だけどね。」
「外の世界はどうだったんだい?」
「とっても広くて楽しかったよ。たくさんの仲間がいてさ。みんなで協力し合って生きていた。」
「そっか…。じゃぁ、中での生活はどうだい?」
「あぁ、ここでの生活はとっても快適だよ。えさをとらなくても時間になればもってきてくれるし、まぁ同じような境遇の仲間もそれなりにいるしさ。生きることに必死だったあの頃とはちがうよ。」
「そうなのかぁ。そういえば、君はいつもとても楽しそうだね。」
「まぁね。楽しそうにしていれば、みんなが喜んでくれるからね。」
「それはどういうことだい?」
「僕が曲芸を見せて、楽しそうにしていれば、周りのみんなが喜んでくれるんだ。僕はそれで満足だよ。」
「…中は、楽しいのかい?」
「うん。」
「君自身がだよ?」
「……。正直な話、とても窮屈さ。だけど、考えても見ろよ。明日には死ぬかもしれないっていう生活を送っていた頃のことを振り返ると、檻の中にいたとしても毎日の生活が保障されていたほうがいいと思わないかい?ちょっと芸をすればみんなが僕を褒めてくれる。後は毎日この中で遊んでいればいいのさ。ほかの鳥と違って羽ばたけもしないし、きれいな羽も無い。こんな不細工な僕だけど、ここではそれを認めてくれるんだ。」
「じゃぁ、もう外の世界には戻らなくてもいいってことなんだね。」
「…。戻れるものなら戻りたいさ。自由に泳ぎまわっていたあの頃に。でも、もう戻れないだろ?戻れやしないんだよ。僕に自由は無いんだ。この枠の中で生きていくしかないんだ。きっとそれが幸せなんだよ。」
「僕は君と仲良くなれるのかい?」
「あぁ、なれるさ。もちろん。だけど、あまり深い仲にはなれないだろうね。君はいわゆる外で生活しているわけだからさ。僕は中にいて、外には出られないから。常に監視され、動きを見張られているんだ。自由な行動は許されないんだよ。」
「僕は、また君に会いにきてもいいのかい?」
「もちろんさ!歓迎するよ。この檻の中から君の事を見ているよ。」
彼はゆっくりと微笑んだ。そのやさしい微笑みからは、少し寂しさを感じた。
「君は幸せかい?」
「それは…わからないな。これでよかったのか、考えるときがあるよ。でも、きっと幸せさ。」
「僕たちは友達だよね。」
「そうだね。ずっとね。僕はこの中からいつでも君を応援しているよ。君が幸せになることを願っているからね。」
「ありがとう。また来るよ。」
「うん。さよなら。」
彼が幸せならば、それでいいと思いたい。
だけど、
彼が外で自由に暮らしていけることを、
僕は心のどこかで願っているような気がする。
なんてすごいんだろう。
僕たちは彼に拍手を送った。
「君はすごいね。あの魚をキャッチするなんて。」
「ありがとう。」
「僕は感動したよ。本当にすごいんだね。」
「…。君が言うほどすごいことでもないさ。」
「そうなのかい?でも、誰もできないことをやっているじゃないか。」
「たしかにここではそうかもしれないね。だけど、外にいる仲間はもっと大変なんだ。」
「外?」
「そうさ。えさを自分で捕まえるのは当たり前。しかも、視界はもっと悪いし、あいつらいつも動いてるんだよ。」
「君は外からきたのかい?」
「そうさ。僕もかつて外にいたんだ。昔の話だけどね。」
「外の世界はどうだったんだい?」
「とっても広くて楽しかったよ。たくさんの仲間がいてさ。みんなで協力し合って生きていた。」
「そっか…。じゃぁ、中での生活はどうだい?」
「あぁ、ここでの生活はとっても快適だよ。えさをとらなくても時間になればもってきてくれるし、まぁ同じような境遇の仲間もそれなりにいるしさ。生きることに必死だったあの頃とはちがうよ。」
「そうなのかぁ。そういえば、君はいつもとても楽しそうだね。」
「まぁね。楽しそうにしていれば、みんなが喜んでくれるからね。」
「それはどういうことだい?」
「僕が曲芸を見せて、楽しそうにしていれば、周りのみんなが喜んでくれるんだ。僕はそれで満足だよ。」
「…中は、楽しいのかい?」
「うん。」
「君自身がだよ?」
「……。正直な話、とても窮屈さ。だけど、考えても見ろよ。明日には死ぬかもしれないっていう生活を送っていた頃のことを振り返ると、檻の中にいたとしても毎日の生活が保障されていたほうがいいと思わないかい?ちょっと芸をすればみんなが僕を褒めてくれる。後は毎日この中で遊んでいればいいのさ。ほかの鳥と違って羽ばたけもしないし、きれいな羽も無い。こんな不細工な僕だけど、ここではそれを認めてくれるんだ。」
「じゃぁ、もう外の世界には戻らなくてもいいってことなんだね。」
「…。戻れるものなら戻りたいさ。自由に泳ぎまわっていたあの頃に。でも、もう戻れないだろ?戻れやしないんだよ。僕に自由は無いんだ。この枠の中で生きていくしかないんだ。きっとそれが幸せなんだよ。」
「僕は君と仲良くなれるのかい?」
「あぁ、なれるさ。もちろん。だけど、あまり深い仲にはなれないだろうね。君はいわゆる外で生活しているわけだからさ。僕は中にいて、外には出られないから。常に監視され、動きを見張られているんだ。自由な行動は許されないんだよ。」
「僕は、また君に会いにきてもいいのかい?」
「もちろんさ!歓迎するよ。この檻の中から君の事を見ているよ。」
彼はゆっくりと微笑んだ。そのやさしい微笑みからは、少し寂しさを感じた。
「君は幸せかい?」
「それは…わからないな。これでよかったのか、考えるときがあるよ。でも、きっと幸せさ。」
「僕たちは友達だよね。」
「そうだね。ずっとね。僕はこの中からいつでも君を応援しているよ。君が幸せになることを願っているからね。」
「ありがとう。また来るよ。」
「うん。さよなら。」
彼が幸せならば、それでいいと思いたい。
だけど、
彼が外で自由に暮らしていけることを、
僕は心のどこかで願っているような気がする。
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