杉森神社の物語(東広島市河内町)癒しのある風景

人生は、実験の連続。愛される神社を目指して頑張っています。祭りとは奉ること。ご祈願毎に神饌をかえ丁重なお祭りをします。

3月の日記22 神木立

2017-03-22 16:01:27 | 神職・宮司になるためコーナー

3月22日

杉森神社72候 樫落葉=アラカシの葉が落ち始めました

楠落葉=クスノキの葉が落ち始めましたよしよし。

草刈始=境内に伸びた草を刈り始める頃

いよいよ春の落葉シーズン到来!これから6月頃まで常緑樹の葉が落ちては芽吹いていきます。

今日、総代さんが草刈に来てくださいました。感謝感謝!いよいよ草刈シーズンも到来です。

明日の出張を控えて予習の一日となりました。

神社界の業界新聞「神社新報」に叔父の投稿が掲載されました。

神職がどうあるべきか!示唆するものと思います。

 

神木立

世界的に著名な物理学者ホーキング教授は、講演で、地球外に地球人に匹敵する文明を持った星は数百万あると言った後、「我々は何故その文明世界に出会ふことがないのか」と訊かれて、「高度に発達した文明は瞬時に滅ぶからだ」と答へたさうだ。確かに宇宙時間で計れば、三千年、五千年も瞬時だらう。

 化石燃料はあと五十年で尽きると言はれて久しいが、我々の欲望はシェールガスだのメタンハイドレートだのと次々と新たな埋蔵物を求めて止まるところを知らず、空気や水より安価に安易に、地球そのものを浸食し続けていく。千年はおろか、数百年といふ時間でさへしかとは観念し難い頭で、禁断の火たる核のゴミも十万年で無害化できると豪語する。十万年とは果たして人間界の時間だらうか。それゆゑ神奈備に五百年を生きる老杉を仰いでなほ、六尺にも満たぬ身に何の感懐も湧かぬとしたら、もはや我々は引き返しがたい剣先に立ってゐるといふべきであらう。

 五尺の少躯を以て此大をはからむとす……曰はく「不可解」(巖頭之感・藤村操)と、かつての青年は、それでも己が身の卑小を知ってゐたが、今や学者はおろか、社会の心を導く宗教家さへ栄華の夢を追ふことしかできぬとしたら、神仏の照覧を思ふだに恐れ多い。経済成長とはどこまで行けば満足できるのだらう。豊かさとはこの上どんなものがほしいのだらう。実はみんな疲れてゐるのではないか。

 しかし幸ひこの国には、遺産ではない生きた命として、いまも全国に八万を超える神の杜が伝へられてゐる。その神木立に降る雨が、風が、またシンシンとして確かな音を伝へる雪が、静寂の中にいまだ変はらぬ神秘のささやきを絶やしてはゐない。聞く耳と心を持つ者には、悠久にして深淵なその声は、先人の聞いた神妙さながらに、何一つ変はらぬ鼓動を打ち続けてゐる。

 魂を鎮め、心を澄まし、青人草の敬虔を思ひ出すとき、自然の警鐘と教へが聞こえるはずだと、いまこそその先達が求められてゐるとしたら、それが宗教家の仕事ではあるまいか。昇る朝日に手を合はせるもよし、草深い小社の神前に瞑目端座して己が小躯を省察してみるもよし、神奈備の林の中でかそけき葉擦れの音に耳を澄ましてみるもまたよし。我々はいま、裸の自分にかへって、悠久の自然の前に頭をたれてみるところからやり直さねばならないのではないか。これ以上の経済成長もこれ以上の衣食も利器も要らぬと、もう一度わが身の欲望の熱を冷ましてみることが、健康で自然な子孫たちの未来を拓くことになりはしないか。寒風の中に、いままた新たな花が開かうとしてゐる。その一輪に心をとどめることができれば、まだ間にあふかもしれない。

(学校法人淞南学園顧問)

お知ら

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祭典・行事予定 

※祭典は、どなたでも参列できます。ご希望の方は、御一報いただければ幸いです。

 

4月 1日 午前10時 月次祭

4月 3日 神武天皇祭遙拝

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