まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

漆塗りの弓

2009-11-12 | 弓道
高校の先輩○戸さんが、最近弓の稽古もせず、違う趣味に走っていると聞いた。
そういえば、山中での月例会でも久しく会っていない。
一緒に審査を目指している仲なのに、今更違う趣味とは・・。

○戸先輩から電話があった。
以前作った弓が、帰ってきたので明日の夜の月例会で見られるからおいでとのこと。
しばらく、金沢駅の産業なんとかという所へ展示してあったのがもどってきたらしい。
夜月例会に出かけると、矢立に矢も飾られ燦然と置かれている。



漆器の卸の仕事をしている先輩は、漆ジャパンの新聞記事にも載っていた。
その彼が仕事と弓道を合体させた。
漆塗りの弓と、矢筒が完成したのだ。
彼に限ってよからぬ趣味に走るわけはないとは思っていたが、
こんなにすごいことをしていたとは。

京都の弓師 柴田勘十郎さんのところで、塗り弓の作り方を習ったらしい。
弓を絹糸できれいに巻き、その上に漆を塗り重ねる。
模様を散らし、上部と中部と下部にそれぞれ違う色が。







矢筒は地元の漆職人さんに習った。
胴の部分は水道管と、ふたの部分は木地を引いて型をとり、
牛皮を半分の厚みにして、型に貼りその上に漆を塗り重ね乾いたら中の型を抜く。
乾漆では難しいので、牛の皮を利用する漆皮(しっぴ)という技法で作った。
牛は一頭分購入したとのこと。
なので、広げると手足が分かる。
その皮の良いところを使ったわけだ。

漆の弓と矢筒を塗り師の人に習うために通い詰めた。
それでは、弓を引くどころではない。
弓を引いても残らないが、この素晴らしい道具は大変な価値がある。
○戸さんの射も感動するが、この道具も一級品だ。

茶道具の棗でさえ何万円も、あるいは何十万円もするのである。
「素人やし・・」と、謙遜していたが、いやいや名人の息がかかっている。
矢筒は棗のように、蓋がふわりと静かにしまっていくのだ。



「あした、写真撮ってもいい?」
「撮ってもいいよ」
「ほんとに、盗ってもいい?」
「写真撮るだけやぞ」

げっ。
永の付き合い、わたしのたくらみは言葉からでも分かったようだ。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すごい作品です (Mr.SCHOP)
2009-11-13 22:48:39
これはりき入った作品ですね!!
ちゃんと習いに行ったとのことですが
作品になったのは凄いです。

まこさんの撮るだけは音の妙があります。
わたしも今度使ってみましょう。
あ、一枚撮らせてと言って何枚も撮って
ますね。今も。
弓教えて (我戸宣夫)
2009-11-15 16:48:49
まこ様 
実物より綺麗に写ってます。
内容もバッチリです。
塗弓は終了して、弓道の練習に励みます。
又 道場で集まって練習しましょう。
すごいでしょう (まこ)
2009-11-15 18:10:52
SCHOPさん
すごいでしょう。
自分で作ったわけではないですが、
すごい自慢したいです。
そばで見るともっといいですよ。
やはり、肉眼にはかなわないです。
添削 (まこ)
2009-11-15 18:15:14
我戸さん
内容は前に聞いたのをうろ覚えです。
添削ください。
この弓は引けるのですか。
引くのは怖いですが。
何キロ?

来年の審査までに、とりあえず
我が家でワインパーティしましょ。
結団式です。
とうちゃんも含めて、みんなで一緒に合格しましょ。
もちろん、啓子さんと下○大先生も。
Unknown (2355)
2022-01-26 08:27:01
どこかの新聞記事が加賀市がいい作品と宣伝しないといけない位です
伽藍細工のようで本物のホンモノを観てみたいです
情熱大陸出れないかな 7ルールでも良いかも!
タイムスリップ (まこ)
2022-01-29 18:16:28
2355さん
もうひと昔前の記事ですね。
驚きました。
漆の展示を金沢で開催したようです。
素晴らしい出来栄えです。

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