まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

私の小谷温泉

2016-11-05 | 読書

加賀市の仲間は白山が好きだというのには根拠がある。もちろんその美しく雄大な姿を毎日観ることもそうだが、深田久弥の存在も大きい。

先日のふるさと人物ロードで、数ある人から深田久弥と、中谷宇吉郎を選んで撮ることからも、私自身思い入れがある。深田久弥と言えば加賀市のみならず登山家で知らない人はいないと思う。加賀市の人にとってはふるさとの白山を絶賛する深田久弥を白山と同じくらい大切に思っている。

中谷宇吉郎もわたしにとっては、大好きな人だ。大学時代に弓道部に入っていたのだ。雪の科学館へ行ったとき写真があって知った。単純な理由である。しかし、もと石川県弓連の北村会長はよく言われた。弓引きに悪い人間はいないのだと。

さて、入院中に友達から借りた本を読み終えた。「私の小谷温泉」深田久弥の奥さんが書いた本である。まず、題名から間違えて読んでいた「おたりおんせん」と読むのだと分かった。そして、これを書いた深田志げ子さんは、後妻として入ったのであることを知った。また、先妻さんは女流作家だったそうだ。

志げ子さんの文章は優しく読みやすい。活動的で久弥さんを支え共に楽しい登山をしている。

深田久弥が留守中に、たくさん溜まった山の本を入れる小屋を建ててしまうと言う積極的な人で、またその事を久弥が大層喜んで「九山山房」と、呼んだあたりのふたりのあうんの呼吸が伺われる。

「日本百名山」が、完成した後に、お金が入って、九山山房を建て直そうかと思案している文章の後に、「中央アジアの旅も本小屋の改築も『日本百名山』が私たちに与えてくれた夢である」と、あったが、今やそれは日本の登山家に引き継がれた夢とも言えるのではないか。わたしは登山もしないのに「日本百名山」は、持っていて、行けもしない遠い山を思ったり、友達が登った山を探す。

さて、志げ子さんは女性の目から観る山と深田久弥について、共感できてとても興味深く読める。

題名がなぜ「私と久弥」ではないのか。内容は殆ど私と久弥であるのに。それは、信州の小谷温泉が出会って間もない頃の初めてのふたりの山旅だったからだ。それが二人にとって最高の思い出の山行きだったに違いない。この時はただならぬ仲だったとか。先に逝くと秘密がばらされますなあ。ちなみに、副題には「深田久弥とともに」と、ある。

わたしは殿と初めて登った山は「鞍掛山」だが、わたし達には冴えない題名が付いた。すでに事件簿をご覧の方はご存じと思うが「おとぼけ家族のプチ遭難」である。山へ行きたかったわたしに諦めが刷り込まれ、憧れの白山は遠く霞んでいくのであった。

 

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