まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

坂の上の雲 その3

2010-01-08 | 読書
書店についに並んだ「坂の上の雲」は、全8巻だった。

家にある本は1980年9月 8刷 字が細かいので7巻で収まっている。
実は、読みづらい。
文章も、流し読みする内容ではない。
しかし、面白い。しっかり読んでいくと、本当に広がっていく。

秋山好古が、フランス留学していたとき、
老教官が
「アキヤマ、君の国には名将がいるか」と、聞くくだりがある。

「あるゆる分野を通じてもっとも得がたい才能というのは、司令官の才能だ」
という。これだけは教育によってつくれない。

老教官はー騎兵は無用の長物という。
古来、その特性どおりにつかわれた例は、中世以後、四人の天才だけだ。
 モンゴルのジンギスカン
 プロシャのフレデリック大王
 フランスのナポレオン一世
 プロシャの参謀総長モルトケ
それに対し、好古は
 源義経の鵯越と屋島における戦法
 織田信長の桶狭間合戦を語る。

このくだりが面白かった。TVにはない。

要は最高司令官が天才であるかないかではなく、一兵卒の中から将軍を掘り起こす才能ほど天賦のものはないと。
国家は一定の教育課程を経たものを将軍にするが、戦争の役には立たない。

教育と経験と才能と目指すものが確定しているかどうかだろうか。

頭の中に、ちらちらと会社の偉い人がくるくる回って過ぎていった。