負けるな知的中高年◆本ときどき花のちコンピュータ

「知の崩壊」とかいって、いつの間にか世の中すっかり溶けてしまった。
「知」の復権に知的中高年よ、立ち上がれ!

蒲原有明の『茶話』を「ちゃばなし」と読む人もすくなくなった

2005年05月26日 | 詞花日暦
世のなかに茶人ほど
器物を尚ぶものはあるまい
――薄田泣菫(詩人)

 明治三十年代に四冊の詩集を上梓し、蒲原有明などとともに一時代を築いた薄田泣菫は、同四十一年に詩作をやめて、大阪毎日新聞に入社し、随筆などを書いた。『茶話』『草木虫魚』がその代表作。短いエッセイだが、寸鉄を帯びた語り口はときに人々の心をえぐる。
 そのなかに茶器に触れたものがある。わびやさびを唱えた利休は、高価な器物を排し、欠けた擂鉢こそ本意と認めた。本阿弥光悦は、誤って壊しても誰も気を使わずにすむ粗末な器がいいとした。徳川光圀は、数奇に遊ぶと器物欲が出るので、晩年にふっつり茶をやめた。
 が、松平不昧公は、天明大飢饉のさなかに一万両ともいわれた茶入油屋肩衝を買い入れる。あるとき一見を所望され、幾重にもなった革袋や箱包を解いて差し出した。終わると「ひったくるように」手もとに引き寄せてしまい込んだ。もし将軍が所望されたらと訊かれると、「その代わりに、領土一箇所を拝領したい」と応える。高価な器物に頼り、世俗的な金銭に換算する茶人はいまもおおい。
キーワード
本阿弥光悦
この記事についてブログを書く
Messenger この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック シェア
« 江戸時代から日本... | トップ | 伊勢型紙の微細な... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (persempre)
2005-05-26 21:54:56
何でも鑑定団をみていて、「あんな高価なものもってると、夜も眠れないかも、」と思う、割っても惜しくない茶碗しかない幸せを感じる私。
宝物 (菅原)
2005-05-27 09:14:41
人に誇れる宝物を見ると、大体その所有者の感性や人柄が見えますね。自分の宝物って何だろうと、思い起こしてみると、自分の人間性も見えてきますね。
Unknown (persempre)
2005-05-27 19:39:02
長い修行の末に獲得した技を生かして作り上げたものは、個人が所有するのでなく、公共の場で、大事にしてほしいと思います。 イタリアにおけるジョコンダのようにね。

>自分の宝物って何だろうと、思い起こしてみると、自分の人間性も見えてきますね。

宝物は、品物でなくてもいいですよね?
Unknown (菅原)
2005-05-28 10:09:31
品物でない方がいいかもしれませんね。

コメントを投稿

現在、コメントを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。

トラックバック

現在、トラックバックを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。

あわせて読む