絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

静物画のモデル組み 1

2011-10-05 | 絵画指導
人形のある静物のモデル組みをご紹介します。

まず、椅子のようなひな壇にグレーの布を被せました。
そして、その上に白っぽい布を上から下に下げてみました。



この布は、画面に流れを作る意味で置いてみました。
私がよくやる方法です。縦絵にするので、縦の流れを作るためです。
しかし、そのたらし方がなかなか難しいのです。なんとなく置いてあるように見えますが、ここまででもかなり何度もやり直しています。
布の流れを単調にしないために、ワンクッション置いた流れです。よく一点を画鋲で止めたようなたらし方をする人がいますが、あれでは、芸がありません。わざとらしさもあります。そして三角形で単調になります。
これは、なんとなく取りこんだ洗濯物がぶつけてある感じと思えば良いでしょうか。
だから、ただの布ではなく、ワイシャツでもいいですね。
無地のグレーの布なので、明るい布は微妙な柄のあるものにしました。
微妙な柄ということが大事です。なぜなら、メインはこれではないからです。

次に、そこに人形を置いてみました。



とりあえず、置いてみました。ちょっと位置的に左に寄り過ぎでしょうか。
また、顔に光が当たっていません。それで、少し右向きにして、顔に光を当てました。



まだ、要素が足りない感じがします。
それで、桃のイミテーションを置いてみました。


すこし、面白くなりました。

この人形は、服や帽子が暗くて、顔やシャツが白いので、メインの顔を目立たせるには良い感じです。
服と帽子が暗いので、背景は明るい方が組み立て上はいいですよね。
それで、この白い布をたらしてみたのです。

つづく


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100号の油絵 2

2011-10-05 | 絵画指導
先日ご紹介した100号の油絵を描いたFさんが、最後の仕上げを見てほしいということで、持ってきました。



前回かなりよくなったと思いましたが、今日見たら、とてもどんよりして、冴えない絵になっていました。

その原因は、道の明るさをまた元の重苦しい状態にしてしまったこと。
元気の良かった部分をみんな撫ぜて、つまらなくしてしまったこと。
背景の山に当たった光を落してつまらなくしてしまったこと。
畑の周りや建物の形にこげ茶の輪郭を描いて、平面的にしてしまったこと。
メインの杉の木に灰色を着けて、平面的にしてしまったこと。
そのために輪郭まで出てしまいました。

いま、その輪郭をみんな消してもらった状態です。

その後、道を明るくし、背景の山に光を当て、輪郭の強かった部分をおとなしく自然にしました。
かなり、品良くなって、活き活きしてきたと思います。



こんな感じになりました。上と比べて違いがわかりますか?


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