この歳になって
片手におさまるほどの恋愛しかしてないが
めちゃめちゃに惚れ込んでしまった二人の彼氏がいて座だった
いて座の男性はロマンチストだと思う
私のツボにググッとはまる演出をしてくれる
どの恋も忘れてはいないが
それはまさしく私の青春そのもので
純粋で つまらない駆け引きのない真っ直ぐな恋だった
高校に入学した年の学校の人気投票みたいなので
先輩女子からの多くの票を集め 一位に輝いた彼は
ちょっぴりワルそうに見える背の高い硬派な男の子だった
ふざけたり あまり多くを語らない人だったが
ちょっぴりワルい人同士 すぐに仲良くなった
42年間生きてきて 17歳の私がピークだったから
それなりに私も可愛かったはずで
彼は 休み時間に学校の前の駄菓子屋で
10円のチロルチョコを買ってきてくれたり
登校するとピロティ(懐かしい響き・・・)にある
自販機で50円のカップ入りミルクティを二つ持って立ってたりして
いつになったら 言ってくれるんだろ?って思ってたのに
そのじれったい時間はまだまだ続いて
17歳の私の誕生日に
「この日に告白したかった」って言ってくれて
(思い出すとニヤニヤしてしまう)
晴れて私は彼の彼女となった
学校が終わると上大岡までバスに乗り
そこから彼の黄色いタクトのシートの前方に座り
彼が後ろからハンドルを握って30分ほどの彼の家まで2けつした
(これは違反です)
彼の部屋に着くと
「見せたいものがあるから目を閉じてて」
と言って彼は部屋の灯りを消した
「いいよ、目を開けてごらん」
目を開けると彼の部屋の天井一面に光る星のシールが輝いていて
良く見ると中央は「私の名前」命と模ってある
もちろん私は嬉しくて彼に抱きついた
(こんな素敵な話を友達は全員爆笑した)
18歳の誕生日
彼は黄色いタクトで1時間半かけて私のうちへやってきた
玄関に出た私の耳に
自分の耳から外したウォークマン(知ってる?)をあてた
私の大好きなサザンのHAPPY BIRTHDAYが流れていた
彼の家族からも歓迎されていた私は
「これは兄貴から。これは父さんと母さんから。」と
次々にプレゼントをもらい
最後に黙って彼からのプレゼントのネックレスをつけてくれた
これを買うためにリーゼントに紙のコック帽をのせ
パン屋でバイトをしていたのを知っている
学校さぼって映画を観に行ったり
年末は毎年ディズニーランドに行って(出来てまだ2年目だった)
休み時間も帰り道も バイトのない休みの日もいつも一緒だった
立ってる時 背の高い彼はいつも彼は私の肩にひじをのせてた
座る時 いつも彼は 自分の足の間に私を座らせた
大きな彼の中にスッポリはいる感じがなんとも心地よかった
一度だけ 彼が泣いてるのを見た事があった
私が病院で寝ているとき 私の手を握って声を出さないように泣いていた
目が覚めているのに 目を開ける事が出来なくて
ずっとそうしていたのを覚えてる
帰り道 そのまま彼は私の手を握り続け
前を見て歩きながら
「高校出たら 一緒に暮らそうな。」って言った
高三の秋
タバコやバイクで幾度となく謹慎処分を受けていた彼の退学が決まった
私は泣きながら先生に頼んだ
若かった先生も「力になれなくてごめんな」って泣いてた
高校生活 最後の日
お母さんと彼が正門を出るとき
窓の外を見ていた私は 授業中にも関わらず走って教室を出た
彼の名前を大きな声で呼ぶと 彼とお母さんが振り向いた
お母さんは泣いていて 私に「ありがとね」と言った
彼は制服のブレザーを脱ぎ 私に着せた
「これを着て卒業して」
次の日からクルブシまであろう長いスカートをザックリひざ丈まで切り
(ハマトラが流行った年だった)
長かった髪を肩までのボブにバッサリ切り
(ワンレンの流行った年でもあった)
紺のソックスにローファーを履き
(今の女子高生スタイルのハシリはこの時代だ)
彼のコロンの香りのする大きすぎるブレザーを着て
約束通り 私は高校の卒業式に出た
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