簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

境木の地蔵尊(東海道歩き旅・武蔵の国)

2017-07-12 | Weblog


 境木中学校前のバス停で旧街道は右に曲がる。
ここを左に160mほど取れば、街道で行き倒れた人馬を葬ったと言う跡に、供養の
投げ込み塚の碑が立っている。



 旧街道の権太坂もここまで来ると上りもあと僅かで、ほぼ平坦に見える道を暫く
進む。やがて前方に緑濃い森のようなところが見えてくる。
標高で言えば72mほどのサミットで、そこが武蔵の国と相模の国の境である。



 ここには地元の信仰が厚いと言う地蔵尊が鎮座している。
又権太坂の難儀な峠道を行き来する旅人に取っては、旅の無病息災、安全を祈願
したところでもあるらしいが、現在の旅人に取っても格好の休憩場所になっている。



 ここのお地蔵さんは、東海道が整備されて間もないころに祀られたと言い、そこに
はこんな面白い伝説も残されている。



 『昔鎌倉・腰越浜に打ち上げられたお地蔵さんが、地元の漁師の夢の中で「江戸
に連れて行ってほしい。もし途中動かなくなったらそこに置いて行けばいい。」と頼ん
だのだそうだ。
漁師たちはそんなお地蔵さんを牛車に乗せて運んだが、どう言う訳かこの地に差
し掛かると動かなくなり、困り果てた漁師はこの地に置き去りにして帰ったそうだ。



 困ったのは境木の村人たちだ。どうするべきか悩んでいると、今度は村人の夢枕
にたち、「粗末なものでいいからお堂を建ててくれ。」と懇願されたと言う。
村人たちはお堂を造り、そこにお地蔵様をお祀りすると、夢のお告げの通り村には
お参りの人々が大勢押し掛けて、名物のボタ餅を売る店も出来るなど大層賑やか
になったと言う。』(続)



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