真珠が曇り蛋白石が死ぬように
2010年12月19日 20時17分05秒
カテゴリー: 賢治研究
毎日寒い。
来週のゼミに向けて、発表準備中です。
やるべきことはいっぱいあるのに、なーんか行き詰っちゃう。
そんなとき、ボーっと自分の岩石サンプルを見ながら、
ああ宮澤賢治はこの石に何を見るのだろう、なんて
考えてしまいます。
理系学生の端くれとしては、こんなこと、大学の先生方には言えないけどねぇ…
蛋白石についてコメントをいただいたので今回のテーマはオパールで。
宮澤賢治とオパールといえば、まず挙がるのが「貝の火」。
「それはまるで赤や緑や青や様々の火が烈しく戦争をして、地雷火をかけたり、のろしを上げたり、又いなずまが閃いたり、光の血が流れたり、そうかと思うと水色の焔が玉の全体をパッと占領して、今度はひなげしの花や、黄色のチュウリップ、薔薇やほたるかずらなどが、一面風にゆらいだりしているように見えるのです。」
オパールの遊色効果。局所的な回折現象や粒子の不規則性が原因で起こる。
なんていう説明ではなんの面白みもありませんが・・・。
賢治は、オパールの構造色が呈する戦争のような激しい煌めきや、柔らかな優しさを湛えた蛋白光を、オパールの中から覗き見した夢の中の出来事のように描写しています。
また、このようなオパールの色彩を、雲や空、煙、霧、などの表現によく用いています。
雲のかかった空や、霧に包まれた太陽に、オパールの柔らかな光を感じ取った賢治には驚かされます。
「うん。お日様は霧がかかると、銀の盤のやうだね」
「はい、又、大きな蛋白石の盤のやうでございます」
(十力の金剛石)
ちなみに、今回のタイトル「真珠が曇り蛋白石が死ぬように(原文:死ぬやうに)」は、『春と修羅第二集』から。
こちらも、雲に消えかかる月を真珠にたとえ、円い月光が消えてゆく様子を蛋白石が死ぬと表現しています。(これは私の解釈ですが。)

むかし東京の雑貨屋で買ったオパール化したアンモナイト
ラベルも何もなかった。ただなんとなく、綺麗だと思って買った。






はじめまして。久しぶりに賢治の鉱物の描写を読みたくなって、さて何を読もうかなあと、検索してこちらにたどり着きました。オパールの描写・・・。戦争ですか・・・。あらためてオパールを覗いてみると確かにそんな感じですね-。ちょっと感動しています。また、是非賢治と鉱物について語ってくださいね。楽しみにしています。あ、バイク事故の怪我は大丈夫でしたか?お気をつけてくださいね。
コメントありがとうございます。

賢治独特の鉱物観、なかなか面白いですよね。まだまだ奥深いのでこれからもいろいろ勉強していきたいと思います。
バイク事故の件、体もバイクも大事には至りませんでした。もっと技術を磨いて、来年もがっつりバイクで岩石採集に行ってきます