世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【ロシア、シベリア・極東・極地開発&W杯で窮地へ?】デカ過ぎる国土を持て余すロシア③

2017-02-13 00:00:45 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 前述のようにロシア自慢の(?)「シベリア鉄道」、現状もイマイチですが、将来の発展はさらに望めないと考えています。というのも、東西に長~いロシアの端から端へと大量の物資を鉄道で運ぶというモデルそのものが今後ますます合理性を失っていくと予想されるから。

 で、その最大の理由は、経済のグローバル化が進展する中、ロシアとしては相互の関係が希薄な自国東西を無理矢理結び付けるより、それぞれが関係の密接な他国と―――ロシア西部は同じ欧州内のEUと、いっぽうのロシア極東は近隣の中国や日本などと―――それぞれ連携を強めた方が効率的なことが指摘できます。つぎに、グローバリズムとも関連しますが、自動車のような主要消費財は世界的に現地生産が主流となりつつあり、もはやその原生産国つまり日本や韓国等にシベリア鉄道を使った輸出に関心があるようには思えないため(ドイツも日中韓への輸出にシベリア鉄道を活用しようとはしないだろう)。そして、ロシア最大の輸出品である原油・天然ガスは鉄道ではなくパイプラインで輸送するべきものであること・・・などなど。

 以上のような事情をふまえると、この先のシベリア鉄道は利益薄くコストばかりがかかる「カネ食い虫」になる可能性が大と考える次第です。にもかかわらず、相変わらずの冷戦思考から脱却できない(?)ロシア指導層は、国土横断軸としてのシベリア鉄道の重要性は今後も不変!とか、シベリア・極東地域の発展に向けたこれらエリアへの人口シフトは国家戦略上の優先課題!みたいに発想し、関連の政策や投資を続けるのでしょう。まあ中央の権力者はロシア国家の一体感を維持したいでしょうから、その気持ちは分からなくもないですが、上記のとおり、これらをやればやるほどかの国は・・・

 ・・・大きな声では言えませんが、ロシアのこの手の、広大な国土に国力を分散させるような取り組みは、中長期的に見れば北方領土問題の解決を早めてくれるだろうと考えています。冒頭ご紹介したロシアの極東振興策は同問題を複雑にする面はありますが、これで北方四島に居着くロシア人が急増するとは考えにくく、逆に極東のあちらこちらに中途半端な町が形成され、その建設や維持にかかる各種コスト負担がロジア財政にのしかかることになるでしょう。これに加えてロシアはシベリアとか北極圏の「開発」も進めなければならないし、来年には国家の威信をかけたサッカーW杯ロシア大会も控えているわけです・・・。こうしてロシアは行き詰まり、軍人への給料支払いにも窮して(?)、結局は「経済支援と引き換えに北方領土問題を話し合おうじゃないか」と日本に言い寄ってくるのは確実です・・・(?)。

 ・・・というわけで、わたしがモスクワに住むロシア人なら、まずは上記制度を利用して国後島あたりの土地の所有権をタダで取得し、とりあえずそこにリンゴの木か何かを植えて使用実績を作っておきます。やがて同島が日本に「返還」されるときにその土地を日本政府に高値で買い取らせ、それで得たおカネでモスクワに戻って豪邸を立てて一生遊んで暮らします・・・。ホントこれが賢いと思うよロシアの皆さん、「自国領」の島でたった1ヘクタールのリンゴ農園を営むより、日本に北方領土を返したほうが・・・

(「デカ過ぎる国土を持て余すロシア」おわり)

金融・投資(全般) ブログランキングへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【シベリア鉄道、「無用の長... | トップ | 【独仏ポピュリスト政党、ユ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ヨーロッパ」カテゴリの最新記事