(前回からの続き)
前回、「いま」は「金」(ゴールド)を買うのに良いときに思える、なんて個人的な見方を綴りました。で、「いま」と考える理由ですが、本稿そしてこちらの記事等で書いてきたように、世界経済の「リスクオフ」が極まって金融システム救済が不可避となり、前述した通貨制度の劣化すなわちドルを筆頭とした主要通貨が爆発的に増刷されるタイミングが近づくなか、現時点の金価格が(わたしの見立てでは)安値にとどまっているとみているためです。
ご存知のとおりアメリカの中銀FRBは先日、利上げを再開しました。これは利息を生まない金にとってはネガティブ要素、ということもあるせいか(?)金の価格は低迷中です。しかし・・・こちらの記事等でも述べましたが、本来、アメリカはもはや金利の上昇に耐え切れないはずです。そんななか「いーや、耐えてみせる!」と精いっぱいの見栄(?)で強行された利上げはリスクオフの深化を速め、アメリカの首を締め上げるでしょう。で、結局FRBは、再利下げおよび4度目のQE(金融緩和策)発動に追い込まれる・・・。そのときドルは大きく切り下がることになります、円そして金に対して。つまり金価格は急騰する以外に、ない!?
・・・そんな予想をしているために「いま」は金を仕込むタイミングとして良い頃合いなのではないかと・・・(投資等のご判断は自己責任でお願いします)。とくに国や公的年金ファンドなどには、長期的な国家財政の立て直しおよび年金原資の充実を図る観点からぜひ、金の買い増しをいまから進めてほしいものです。大都市直下型地震よりもはるかに発生の確率が高い(?)巨大リスクオフの津波に襲われても、金があればその損害をかなりの程度カバーできるうえ、それによって政府の社会保障関連の費用負担も軽減されるだろうと見込んでいるからです。
もっとも「アベノミクス」・・・というよりは対米従属を続ける現在のわが国にはそんなことは絶対にできないでしょう。金を買うことはドルの価値を否定すること、そしてそれはアメリカの覇権を根底から揺るがすことを意味するからね・・・。なので日本としては、財務省(外為特会とか)でも日銀でも年金基金でもなく、わたしたち個人がこつこつと金を蓄えるしかなさそうです・・・。