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【ルノーを助ける日産・・・】ルノーは日産を手放すのか②

2013-11-13 00:01:52 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 1999年、経営危機に陥っていた日産は、仏ルノーの66億ユーロの出資を受け入れ、同社の傘下に入りました。ルノーからやってきたカルロス・ゴーン氏の指揮のもと、日産は経営改革に着手。以来数多くの課題を乗り越え、前回ご紹介のとおり、いまでは年間の売上高10兆円・世界販売数500万台に手が届くほどの大自動車メーカーに生まれ変わりました。

 これに対し、当時は日産を助ける立場にあったルノーは、その後は業績を伸ばすどころか低落傾向をたどり、現在では販売台数が255万台(2012年)まで落ち込むなど、不振が続いています。ルノーの自動車メーカーとしての実績だけを見れば、日産に逆転された格好となっています。

 とはいえ、ルノーは日産の発行済み株式の43.4%を保有する筆頭大株主。日産もルノーに出資しているとはいえその持分比率は15%。両社の関係は「アライアンス(資本提携)」とはいうものの、この出資比率の違いからいえば日産が「子」でルノーが「親」のような上の立場にあります。資本の論理でいえば、日産はルノーの意向に従わざるを得ません。まあこのあたりは過去の経緯からすれば仕方ないでしょう。ルノーの出資で救済されたからこそ日産の今日があるわけだから・・・。

 それでもルノーの低調ぶりが目立つここ数年は、以前とは逆に子(日産)が親(ルノー)を助ける場面が多くなってきています

 はじめに指摘できるのは、ルノー工場での日産車の生産要請です。すでにルノーおよびルノーに15%出資しているフランス政府より、生産性が低いために稼働率が低迷している同社のフランス内にある工場で日産車を作らせろ、といった声が上がっています(たしか両社は、自社の車は自社の工場で製造するというルールでアライアンスを組んでいたはずですが・・・)。先日、現オラント政権の担当閣僚がそんな要求をしたうえ、日産がルノーを助けるのは当然、といった主旨の発言をしています。

 そして本稿冒頭でご紹介した日産と三菱自動車との連携強化もルノー支援策の一環といえるでしょう。今後、三菱はルノーとサムスンの合弁会社の韓国工場で作られたルノーをベースにしたセダン車を自社ブランドとして北米市場に投入するそうですが・・・。

 日産からルノーへの技術協力も重要です。技術面でめぼしい分野のないルノーはこれまで日産から多くの技術供与を受けたものと思われます。これらのなかには日産が開発に力を入れている電気自動車(EV)に関するものも含まれているでしょう。自己資金に乏しかったためHV車の製品化でトヨタやホンダに遅れをとったぶん、日産としては開発コストが比較的安いEV車で巻き返そうという戦略のもとで培ってきた大切な技術ですが・・・。

 ここで思い出されるのは2011年1月に露見したルノーに絡む産業スパイ事件複数のルノー幹部が関与したとみられるこのスキャンダルで取引されたのは日産から提供されたEV関連技術とのこと。この貴重な技術が不正な手順で中国に漏洩したもようです。一部の役員に限られるとはいえ、提携先のルノーに裏切られた格好となった日産EV開発陣の胸中やいかに・・・?

 その他、日産、そして三菱は、ルノーが手がけたものの不振が続く外国事業の下支えもしています。上記の韓国事業では三菱がルノー車の販売を手伝わされるほか、日産も一部の車種の生産をルノー・サムスンの工場に委託するそうです。そしてルノーと出資したロシア最大手アフトワズ社の経営改革も、ルノーの手際の悪さから、実質的には日産が主導するかたちで進められています。まあ日ロ関係の進展につながることから、個人的にはこのロシア事業には成功を期待しているのですが・・・。

続く


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