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「親中離米」から「反中従米」へ:米中に翻弄された民主党政権①

2012-12-03 00:03:07 | 日本

 2010年9月7日を境に民主党政権の外交スタンスは180度変わったと思っています。

 この日、尖閣諸島付近のわが国領海内で違法操業していた中国の漁船が海上保安庁の巡視船と衝突し、同庁は同漁船の船長を逮捕、他の船員と合わせて石垣島に拘束しました。

 この措置をとった日本政府に対し、尖閣諸島を中国固有の領土と主張する中国政府が強硬に抗議するとともに、同船長および船員の即時釈放を要求しました。

 結局、日中関係への配慮などから、日本政府は同船長の処分保留で釈放することを決定、同船長は同月25日、中国に送還されました―――当時のニュースから抜粋した、いわゆる「尖閣諸島中国漁船領海侵犯事件」(尖閣事件)のあらましです。

 この事件の前、2010年6月8日、前年9月に発足した民主党・鳩山由紀夫内閣が退陣しました。その最大の原因となったのが「普天間基地移設問題」をめぐる混乱です。鳩山内閣は、同問題の解決に向けて自民党政権時の日米合意を覆して同基地の県外移設を進めようとするも失敗し、当初案に近い形での解決を図ろうとしたために、それに反対する社民党の連立離脱などの混乱を招いて総辞職に追い込まれたものです。

 そんな鳩山内閣退陣の直後に沖縄・普天間の目と鼻の先の尖閣諸島で起こったこの重大事件は、この米軍基地移設問題に関する世論を転回させる大きなきっかけとなったと思います。つまり、それまでの「沖縄の基地負担の分散化を(曲りなりにも)日本全体で考えよう」といった考え方が影を潜め、「やはり普天間基地の代替地は尖閣諸島に近い沖縄に置くべきだ」という意見が支配的となったように感じられます。これは当初の日米合意に近いもの。よって結果からすれば、偶発的に起こった(???)この中国漁船による尖閣諸島領海侵犯によって、米軍普天間基地の代替地選びは同じ沖縄県内でほぼ決定付けられたといってもよいかと思います。

 こうして冒頭にあげた年月日は、民主党政権、そしてわが国の対米中関係が「親中離米」から「反中従米」へと転換する決定的なタイミングとなりました。もう少し具体的にいえば、それまでの民主党・鳩山政権が推進した「東アジア共同体」構想に代表される中国等との連携強化策がストップし、中国の脅威増大に対抗するための日米同盟強化と引き換えに、菅政権以降の民主党政権はアメリカの対日要求に積極的に応じる外交姿勢に転じたということです。

 鳩山内閣の後を受けて政権を担い、上記の尖閣問題とその後始末に忙殺された印象のある菅政権、そして尖閣諸島の国有化を断行して対中関係をさらに悪化させ、今回の衆議院の解散総選挙を決めた野田政権のいずれも、この対米従属的なスタンスを継承していると思います。それを示す代表例が円売りドル買い為替介入の再開と環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への交渉参加です。

(続く)


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