すうたまちゃん

ラーメン?油そば?元い!オリジナルメニュー『すうたま麺』を提供したスタッフの徒然な思のは

特定秘密保護法と共謀

2013年11月09日 00時01分34秒 | 代表“グダグダ”雑感

多くの方が危険視、問題視している秘密保護法案には、共謀を処罰する条文が存在します。

共謀罪については、2005年、2009年に廃案となっています。

この極めて問題のあると僕は思っている構成要件(これを「する」と、または「しない」と処罰されるという犯罪行為の類型)である共謀罪の危険性について、秘密保護法と絡めながら、少し触れたいと思います。

ただ、この秘密保護法案に規定される共謀が、どのようにイメージで条文化されているのか、まだ確認できていないので、厳密なことは言えませんが、基本的には、共謀共同正犯の「共謀」と同じ理解で話を進めていきます。

それは、過去廃案となった「共謀罪」の「共謀」について、「共謀共同正犯」のそれと一緒であるというのが、第一次安倍内閣時代の政府見解であったということで、ある程度合理性があるかと。

では、共謀共同正犯が成立するには、

1.共同の意思または正犯である意思、

2.共謀の事実、

3.共謀に基づく実行行為、

が必要であることが有力(判例も同様だと思われる)です。

ただ、実務上、謀議がない場合にも共謀が成立するように拡大解釈が進んでいるのが現状です。

平成15年5月1日最高裁の判決に対して、共謀の概念が広がり過ぎているという指摘が実務家からは強く指摘されている現状に鑑みても、実行行為が行われることが前提である共謀共同正犯ですら、この有様(良し悪しは別論)ですから、実行行為がない「共謀罪」においては、よりその危険性は高いと思います。(「共謀してた」と認定されたら、構成要件に該当する、つまり処罰に値する行為だと逮捕されるってことで)

つまり、そんな既遂である犯罪類型の「共謀共同正犯」の認定と同じように、既遂でない【実行行為が伴わない】という事実をもって「共謀をした」と認定して、構成する犯罪類型を作っても良いのか?という問題。

刑法の実行行為概念自体が大きく変わってきますから、その議論は、改めてじっくり行うべきです。
刑法の謙抑性(刑罰は個人の人権を大きく侵害するもので、できるかぎり抑制的な運用が重要)からも、それが必要です。

普通の生活をしていれば、逮捕されることはない、と信じている国民が多くいるかもしれませんが、そんな甘いことを考えていてはダメ。

だって、

 ◆ 実行行為がなくても、
 ◆ 実際には謀議をしなくても共謀とみなされる、

訳ですから、
今回の秘密保護法に関連して、公務員やジャーナリスト、市民活動や政治活動をしている知り合いが逮捕されると、その後逮捕される可能性があるということ。

逮捕されても、最終的に無実が証明されたら良いという意見もあるようですが、逮捕されたら、社会的に原状回復は困難で、ほぼ人生が狂ってしまうという我が国の現状では、そんな悠長なことは言っていられませんよ。

犯罪の早期防止(共謀段階において)のために、国民・市民の権利の犠牲として、自ら捜査の対象とされるリスクが高まることを甘受することを覚悟するしかないという権力者が泣いて喜ぶような国民が多いと、それはそれで仕方がないのかもしれませんが、果たしてそれが、国民・市民にとって、幸せなことなのか?ってことですよね。

秘密保護法案では、故意の秘密漏洩行為と特定取得行為について、共謀、独立教唆、及び煽動を処罰すると規定しています。
この部分が、いわゆる治安維持法的共犯規定です。

恣意的に運用されたら最後です。
恣意的な運用がなされたとしても、できるだけリスクマネジメントがなされる、つまりは何らかの担保があれば良いのですが、それがない。

当該法案の絡みでもう一つ、特定秘密に関して、何が秘密なのかが基本的には、それを知る一部の人物(基本的には官僚が多い)以外、誰も知らないし、知ることができない、ってこと。

何が秘密なのか判らないから、知らずに特定秘密にアプローチしてしまっている人が出てくる。
一番考えられるのが、やはり、マスコミがそうですよね。
オンブズマン活動なんかもそう。行政相手が多いから、オンブズは。

つまりは、特定秘密に近付きつつあるという意識がないマスコミやある問題を追及している国民・市民が、その情報にアプローチしようとすること自体、処罰される危険性があるってこと。

「共謀した」とか「教唆した」とか、「扇動した」とかで。

違法性の意識・認識がなくても、違法行為をすれば、逮捕されて処罰をされるのが、我が国の刑事法の運用です。

「違法だってこと、知りませんでした。」と言っても、仕方がない。
「人の物を盗ったらアカンて知らんかった。」と言っても、窃盗罪で逮捕されることは当然ですよね。

確かに、だいたい大まかなことについては、「これは犯罪だ」ってことを僕たちは知っています。

でも、この特定秘密については、それが判らない。

だから、「これは、特定秘密かもしれない」という危機意識が出てくるかもしれない。

となると、「これに触れたら、マズイかもしれない」と、活動それ自体を躊躇してしまうかもしれない。

いわゆる自由な言論・表現活動を萎縮させる危険性ってやつ。

落合弁護士が、『相談すらしなくても、共謀が認定される以上、「漠然と相談」したりすれば、「具体的・現実的な合意をした」と決めつけられる可能性が極めて高いでしょうし、飲酒の席で犯罪の実行について意気投合し怪気炎を上げたりすれば、正に自殺行為と言っても過言ではなく、「具体的・現実的な合意」が悠々、楽々と認定されてしまうことは必定だと思います。』と、共謀罪の危険性を指摘されています。

僕も、警察・公安、検察、そして共謀に関してユルユル認定の司法の強力な連携で、秘密にアプローチするマスコミや国民・市民をガンガ摘発して、処罰していくという蓋然性は、それなりに高いんじゃないかと思ってしまいます。

当然、逮捕以前に、公安や警察による国民・市民の監視は、より行われることになるでしょうしね。

これまで「原発関連情報が特定秘密となることは絶対にない」としていたものが一転、原発関連情報も「特定秘密」の対象となると内閣情報調査室の参事官が、先日述べました。

「テロ防止」のために、原発関係施設や核物質貯蔵施設の警備実施状況が、「特定秘密」の指定対象になるだろうと。

繰り返しになりますが、当該法案が立法化されたら、どのようなものが特定秘密になるのか、どのような名目で、特定秘密になるのか、全く判らないんですもんね。

何だか、共謀罪が、この秘密保護法によって、より危険性が強化されているように思えます。

「共謀罪」創設そのものをまた検討しているそうです。

『暴力団やテロリスト集団の犯罪対策 「共謀罪」創設法案 通常国会に再提出へ政府検討』
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130924/plc13092401370003-n1.htm

これらの立法化の目的は、よく解りますよ。
アメリカと上手く付き合っていくためってことが一番だとしても、犯罪を防止するため、重要な情報が漏えいしないために、これらの立法化が必要なんだってことはね。

でもね、目的を具現化するために、その手段が何でもあり、ってことはありえない訳です。

目的が正しければ、その手段は、あまり合理性を問わないってなら、そんなの高度な機能を有するヒトじゃないですよね。

犯罪を少しでも減らしたいのなら、刑罰をすべて死刑にすれば、犯罪はそれなりに減るでしょう。

言うことをきかないこどもに対して、暴力でもって躾ければ、大方なんでも言うことをきいてくれるでしょう。

簡単ですよ。
人を動かすなんて。
北朝鮮のようにすれば、多くの国民が従ってくれますもん(長期にそれが可能かはこれまた別論)。

この法案の立法化によって、権力者が、気に入らない人物を逮捕することがとても容易になるってことです。

謀議がなくても、共謀が認定されれば、実行行為である特定秘密の重要情報取得行為がなされなくても、または漏えい行為がなされなくても、逮捕できるんです。

「そんなことするはずがない」だなんて、一体誰が保障してくれるんでしょうか?

人の善良な意思や判断を期待しなくてはいけない刑法の犯罪類型は、刑事法の構成要件としては、不合格です。

 

すうたまちゃんの気になるなぁ

 


「私の気持ち、解ってよ!」

2013年10月16日 02時20分27秒 | 代表“グダグダ”雑感

『妻の不機嫌ループ ~困惑する夫たちに捧ぐ~』

http://mamapicks.jp/archives/52122494.html

このコラムは、とても良くできていると僕は思います(上から目線?(。-∀-)フッ)。

ほぼすべての「母親になった妻」が直面する変化は、意外とシンプルで、かつ劇的なものだ。

●自分のペースで物事を進められる時間がまったく無い。

●自分以外の存在をひと時たりとも頭から離せない。

●自分以外の命がおもに自分の手に委ねられる。

 これが一日に5時間ずつとか、短時間の役割として区切れるなら、たいしたことではない。しかし24時間絶え間なく、週末も休む事無く続く。そして、いつ終わるのかもわからない……。

ホント、これなんですよね。この事実に対して、「全く気にしない」「全くストレスを感じない」お母さんは、そういないと思います。感じていないと思っても、心身は知らずにそのストレスを蓄積しているかもしれませんし。

でも、そのストレスを夫は、しっかり認識しているってのが少ないってことが不幸なんですよね。それは、夫婦共々に不幸。

夫も、妻の大変さを想像し、それを共有しようと努力するんだけど、どうしてもその想像や共感が中途半端なんで、なまじフォローをしようとしても、妻の反感を買ってしまう。

家事を手伝っても、慣れないものだから、妻の仕事を増やしてしまうことになって、「もう、もっとしっかりやってよ!」なんて妻に怒られる。 

「こっちだって、頑張っているのに…。」「もう、やるもんか!」

こういう話を聞くことは少なくないですよね。 

おむつ替えだの、お風呂に入れるだの、子育てのエッセンスが追加されたところで、基本、仕事と家での生活という、切り替えのある生活は続けていられる。それ自体がうらやましいのだ。そして、その自由度に無自覚であることが、さらに腹立たしい。

私のすべての生活時間や精神は、完全に赤ちゃんの生活ペースに支配されているのに、あなたはなんて気楽なんだ!……不機嫌の、始まりだ。

この不機嫌の根本的な問題を解消しないと、今後の夫婦生活に大きな弊害を生むことになります。

実は、夫が子育てに協力的じゃなかったことが要因である離婚が多いんですよ。離婚を決定付けたことは別にあっても、その端緒は、実は夫の子育てへの非協力。

だから、この問題は、是非とも解消してほしい問題だと僕は強く思っています。

ただ、子育ての非協力、つまり「子育てをあまりしなかった」ということが大きな問題ではないと僕は思います。

コラム子が指摘するように、「妻が求めているのは、むしろ、自分の気持ちへの共感だ」ということを、しっかり夫が認識するってことが重要。

子育てに積極的に携わるとか、家事を一所懸命やるとか、それは当然大事なんだけどね。

でも、一番大事なのは、言葉なんですよね。労いの言葉。

そして、妻への共感のために、感謝の言葉を伝えて、反対に妻の気持ちを伝えてもらうこと。妻の気持ちを知るためのコミュニケーションの必要性の認識。

男性には、このことは、しっかり意識した方が良いと思います。

まあ、こういうことを言うと、唖然とする男性が多いんだもん。正直、危機感を強く覚えますよ。

 

でもでも、僕が一番言いたいことは、妻は夫に子育て等に関して夫の“自主性”を期待しないこと。

夫に自分(妻)の気持ちを何も伝えずに、夫が自然に、自主的に妻の望む行動をしてくれるなんて期待しないってこと。期待しないと言っても、それは夫に対して諦めるんじゃない。期待は、それが実現されないと、不満になってしまう。

不満をできるだけ作らないためにも、できる限り期待をしない。

 

だって、夫は、男は、基本的に妻の、女性の望むことが分からないから。

(全ての男性が分からないってことじゃなくて、一般的にという意味でね。)

それは、ある意味男の気持ちは女性には判らないってことと似ているかも。

原則、分からないものに、期待するのは、精神衛生上良くないし、合理的じゃありませんよね。

 

だから、お互いに自分の気持ちを伝える努力をするしかない。相手の嫌な部分、相手の不満の部分は、まず横に置いておいて、自分の希望を伝えるってこと。相手の否定はナシでね。

「言わないでも解ってよ!」ってよく女性は言うんだけどね。男もそうやね。それぞれが相手に無理なことを望み、期待している。

だって、以心伝心なんて、ありえないもん。

以心伝心は、お互いの気持ちを伝えあって、しっかりコミュニケーションを続ける夫婦にできるかもしれない大技であって、不断の努力なしではありえません。

そして、夫はこどもと一緒だと思ってください。家事を手伝うのも、【こどものお手伝い】と一緒で、辛抱強く見守ってあげてください。

人は、大方慣れれば、それなりにできるものですしね。慣れないことをすれば、失敗も多い。慣れれば、失敗も減ってくる。

「そんな余裕なんて、ないわ!」なんて言わないで。

 

上手に子育てならぬ、「夫育て」ができる女性が、良い夫婦関係を築ける可能性を高めるんじゃないかなぁと思います。(こどもと違って、上手に育てるのは大変ですけどね。やたらに自我が強くて、しょうもないプライドが面倒だし(゜m゜*)プッ)

 

なので、「妻力」ってやつを磨いてください。

 

「そんな面倒なことするなら、夫なんていらんわ!」って?(* _ω_)...アヒョ~

 

気持ちは解ります(≧w≦;)

 

 


私たちが直面する3つの問題

2013年10月15日 15時15分38秒 | 代表“グダグダ”雑感
FBでメモったものをエントリ。


『7つの習慣』(キングベアー出版)でスティーブン・コヴィは、僕たちが直面する問題を3つに分類しています。

「直接的にコントロールできる問題」
「間接的にコントロールできる、あるいは影響できる問題」
「全くコントロールできない問題」


「直接的にコントロールできる問題」というのは、自己に直接的に関係するもので、自分次第の言動で変えていける事象のこと。

「間接的にコントロールできる問題」というのは、他者の言動に関係し、自己とその他者との関係性の調整(影響を与える手法)で変えていける事象。

「コントロールできない事象」というのは、直接的・間接的にも自己の言動によって変えられない事象。解りやすい例としては、過去の事とか。
これに対しては、その事象・事実を受け入れることしかできない。
受け入れる方法が重要になってくる事象です。

ただ、これらの3つの事象に対して、私たちは自ら主体性をもって対応するしかないということにおいては、共通する対処法です。

これらに問題の改善や解消ができないでいるのなら、今後必要なことは、自己の思い・考えを変えるしかない。
そして、自分の行動を変えるしかない。

「直接的にコントロールできる問題」である自分に関することは、己が変わらなければいけないことは、おおよそ多くの人が認識・理解していることでしょう。

しかし、「間接的にコントロールできる、あるいは影響できる問題」である、他人との関係性においては、どうしても相手を変えたくなる。

「彼の考えがオカシイ。だから、彼の考えを変えさせる」
「彼女のやり方は問題だ。だから、彼女のやり方を変えさせる」
「この問題を作り出した人間を正さなければいけない。」

個人(私)の問題から国家(公)の問題まで、種々あります。

相手を変えようとするならまだマシ。

問題を改善・解消・解決するために相手と、全面的に戦うことを選んでしまう。
戦い、相手を駆逐したくなる。
相手の存在を公の領域から、引きずり下ろしたくなる。
そして、抹殺したくなる。

国家レベルとなると、戦争ですね。

そうなると、どうしても個人であろうが国家であろうが、報復の連鎖のリスクが高まる。
事実、世界はその連鎖の中にあるんだから。

これって、双方にとって、全く幸せなことではないですよね。
双方に影響される周りも、しんどくなるし、やはり幸せなことじゃない。

では、どうすれば良いのか?

昔の哲学者や賢者の智慧や言葉を借りると、「許す」こと、になるんだと僕は考えます。

自己を許し、他者を許す。

特に、「全くコントロールできない問題」について。

戦争、虐殺、殺人など、人の生死に関わる問題の多くがこの「全くコントロールできない問題」に当たると思います。
自分がいくら頑張っても、亡くなった人は帰ってこない。
誰もが、現状回復することができない問題です。

だから、殺された側の人は、怒り、悲しみます。

その感情・情動でもって、相手を殺したくなる。
関わった人間を抹殺したくなる。

その感情は自然なことで、実際にそうすることを選択する人もいます。
世界では、あらゆる報復が繰り返されています。

ブッダの考えが記されている『真理の言葉』には、下記のような言葉があります。
「世の中では、恨みが恨みによって静まるということは、絶対にあり得ない」
「恨みは、恨みを捨てることによって静まる。これは、永遠の真理である」

だから、恨みを捨て、相手を受け入れ、許すしか、人は幸せになれないんじゃないかと思うんです。

どのように受け入れ、許すかは、これまた大変難しい作業です。
しかし、これを目指すしか、安らかで幸せな生活を過ごすことは困難だと思います。

「生き方」の問題なので、ずっと恨みや怒りを心に抱きながら生き続けることを選択することは、当然自由ですが…、それは大変精神的に苦痛を伴います。
とてつもないエネルギーが必要になります。


ところで、相手を受け入れ、「許す」ことを【決心】しても、直ちに、相手を受け入れることなどできません。
受け入れることができなければ、許すこともできません。

まずは、受け入れることを意識することから始めるしかない。
「許す」ことを実現するために必要な工程を、自分で作るしかないんです。


相手を「許すこと」とは、相手を【無条件に許す】こともあるし、【条件を付けて許す】こともあるでしょう。
問題の当事者であるか、第三者であるかの立場の違いによっても、【無条件】か【条件付き】かが違ってくるかもしれない。

そこで、僕は【無条件】に許すしかないと思う事象は、「全くコントロールできない問題」、例えば、過去の国家間の戦争や紛争なとがそれに当たるんだと思います。
具体的に言えば、アメリカによる民間人への空爆やナチスドイツによる大虐殺等々といったもの。

これらの問題に対しては、これから(まだ許せていないけど)「許そう」と思う気持ち、「許」したと思う気持ちで、これからの世界の平和を一緒に考えていくことしかないと思うんです。

当然それは、空爆や原爆投下、大虐殺という【行為】に同意するものではありません。

「許す」ことは、その行動に同意したり、行為を肯定するものではない、というところは、とても大切です。

「罪を憎んで人を憎まず」みたいなもの。

それは、怒りや憎悪、恨みを持ち続けていても、何をしても、問題が解決しない場合、「許す」ことを選択した方が楽になれるという、ある意味【幸せになるため】の合理的な方法論だと思っています。

「許す」という心の持ちようで、今の怒りや苦しみが解消されるなら。


対して、無条件に相手を「許」しても、現状の問題を改善・解消できない場合、相手を「許す」ためにも、相手に対して「働きかけ」をしていくことが重要だと思います。

これが、【条件付き】で「許す」こと。

「許」しても、今ある(現在進行形の)問題が何ら改善・解消しない場合(今の政治状況など)です。
つまりは、何らかの行動をすれば、事態が変わる可能性のあること。
そう、「間接的にコントロールできる問題」です。

【相手の行為・行動を批判・非難する事】
【相手の行為・行動に対する責任を果たす要求をする事】

を“実行しない”ことが「許す」こと、だとは言えません。

今ある問題から逃避・回避して見ないふりをして、漫然と生きる事が、相手を「許す」ことではありません。
それは、単に原状を「追認」していることに過ぎません。

繰り返しますが、「許す」こととは、【責任の追求の手続き】をした上で、【恨みを捨てる】ことで、成し遂げられます。

ただ、その責任追及の方法は、己の情念や情動に基づかない、健全な怒りと冷静さ、そして相手への礼節でもって行なわれる方が良いと思います。
絶対に敵対視しない。
今ある問題を如何に改善・解消するかを、双方が一緒になって話し合うしかない。

「相手を変え」ようとするのではなく。

厳しく相手の責任を追及したとしても、相手との協調を意識し、それを実行しないと、責任追及の場が諍いになるだけで、話し合いは成立しないし、そうなると問題は解決しません。

相手を「許す」ためにも、相手と一定の信頼関係を築く努力を続けないと、問題など解決しないでしょう。

その努力をしても問題が解決しなければ、他の採りうる手段を探すしかない。
その手段を出し尽くしても、いくら頑張っても、解決が無理な場合もたくさんあるでしょう。

その時は、頑張ったこと、やり尽くしたと自分自身で納得して、その問題から逃げることができるなら、逃げることも選択しなければいけない時が来るかもしれません。

納得して、諦める。

諦めて、違う生き方を探すことで、幸せになれるよう努力するしかないと。

時として、「諦める」という選択をしなければいけない。
こだわることから自分を解放しなければ、幸せになれないことだって、いくらでもあるということが現実なんですからね。

話は戻って、究極的に言えば、「全くコントロールできない問題」は【無い】という考えもできます。

自分に関わる問題以外は、すべて「間接的にコントロールできる、あるいは影響できる問題」であると。

どちらにしても、「許す」事は必然で、そのためにも、自主性をもって自分の感情と行動をマネジメントするしかないでしょう。

それは、私の事でも、公の事でも一緒。

最後に、アランが『幸福論』で記していること。
「自分には、自分以外にはほとんど敵はいない。人間は、自分の間違った判断や、杞憂や、絶望や、自分に差し向ける悲観的言動などによって、自分自身に対していつも最大の敵なのである」

自分以外に敵を作ってしまうとダメなんですよね。
だから、「許す」んです。

すうたまちゃんの気になるなぁ
http://astore.amazon.co.jp/ominoo-22


ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫)ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫)
(1978/01/16)
中村 元

商品詳細を見る



幸福論 (岩波文庫)幸福論 (岩波文庫)
(1998/01/16)
アラン

商品詳細を見る



7つの習慣―成功には原則があった!7つの習慣―成功には原則があった!
(1996/12)
スティーブン・R. コヴィー

商品詳細を見る


原発は他の電源よりもはるかに安全?!  了

2011年04月12日 14時21分25秒 | 代表“グダグダ”雑感
事象別によって死者の数を比較して、その数の違いで、政治的政策のプライオリティを決定することは ―すべての事象で許容性を有するかは別として、一般論的には合理性があるだろうし、そのような観点や視点で考えることは大事だと思います。

けれど、そういった評価をする「時」と「場合」を、しっかり別けて論じることが大事ではないのかな?

というか政治政策的・経営的な観点からいえば、「金銭的コストを考慮しながら、リスクをどの程度まで引き受けるのか?」ということなんですが。

原発って、そのリスクを想定しても、そのリスクのすべての結果を人間がマネジメントできるほど、簡単なもんじゃないってことが、今回のことでより証明された訳で。


「金銭的コストを考慮しながら、リスクをどの程度まで引き受けるのか?」


このコンセンサスを得ることって、かなり困難だと思う。リスクマネジメントの観点からも、政治的な観点からも。

でも、とにかくこれから私たちは、原発のことを考えて決定しなくちゃいけない。

マネジメントができない事故が起こることを承知で、通常発電時のさらなる安全性を確保し、事故等の通常時ではない場合、十分な研究・準備をして、厳しい想定に即したオペレーション対応を一定程度確立しながら、原発を運営していくこと。

または、すべての原子炉を廃炉する方向性に向けた取り組みを始めること。

この二つの選択肢を基本に、原子力を利用した発電を継続するのなら、どう継続するのか?
やめるのなら、完全に止めるために、どうするのか?

と、これまた様々な方法があって、どちらにしても、大変な議論が必要でしょう。

アホみたいに、単純に「○○より安全」だからどうなんだ、という軽薄な話ではなく。

これから、真剣に考えないと。 【了】


原発は他の電源よりもはるかに安全?!
原発は他の電源よりもはるかに安全?! 弐
原発は他の電源よりもはるかに安全?! 参 ~よっぽど、タバコや車の方が危険



原発は他の電源よりもはるかに安全?! 参 ~よっぽど、タバコや車の方が危険

2011年04月08日 14時47分45秒 | 代表“グダグダ”雑感
「よっぽど、タバコや車の方が危険」

確かに、現状における大気汚染、土壌汚染の状況では、そう評価することが正しいでしょう。今のところ。
タバコにも、放射性物質が含まれていますし、現状の飛散する放射性物質による「確率的影響」と比較しても、健康への影響はタバコは大変大きいです。内部被ばくそのものですしね。

車も、最近では、年間の交通事故死も5000人をきるほど、減ってきましたが、原発によって死亡する人数より圧倒的に多いのが現状です。

しかし、タバコも車も、それを使用・利用するか否かは、おおよそ本人が選択できるものです。
副流煙や巻き込まれ事故の可能性は、当然あるけれど、基本は、自己による選択が可能です。

大げさに言えば、「自己決定権」が一定程度、担保されている。

でも、原発は、それがない/できない。
原発を拒否をしたい人も、原発が有する危険性を共有するしかない。

そこが、全く違うんです!

原発とタバコや車との、安全性や死亡率等々様々な比較は、一定の程度は、合理性があるだろうけど。

でもね。
個人が個人の意思で、いくら拒否しようが、その拒否の意思を実現できない場合と、それができる場合と比較しても、ナンセンスとなる事柄もあるんですよ。

通常発電時の「安全」性をつらつら言い述べられても…。

「だから?だったら、どうなんだ?何が言いたいの?」
「そんなこと今言って、なんか事態が良くなるの?」
「そんなことを言って、一体どういう状況に導きたいの?」

と、私は思うのです。

まあ、その態度は、「原発を推進」することが、一番の目的だとは思うけれど…。
方法論としては、「よくない」と思う。

それは、人の感情をいちいち逆撫でする、原発事故で、まず現在被害に直面している人たち(日に日に増えていく傾向)への、斟酌なき不感症人間の必死の自己肯定作業に見えます。 【つづく】

原発は他の電源よりもはるかに安全?! 了

原発は他の電源よりもはるかに安全?! 弐

2011年04月07日 11時36分55秒 | 代表“グダグダ”雑感
原発の事故によって、私たちの生命・身体の危機もさることながら、財産の危機にも直面するという状況に至る危険性を感じざるを得ない現状です。

私たち日本人が、福島を差別・区別・排除しつつあるように、世界が日本を差別・区別・排除しようとしている。そんな報道が、日に日に増え溢れてきています。

日本への「悲哀」、そして「同情」が、いつのまにか、日本への「不信」に変遷しつつあるようです。

世界は日本の食品や製品に、放射能汚染の懸念を抱いているし、事実、取引を中断させている商品も多く出始めています。

今回の原発事故で、今、何が起こっているのか?

原発事故によって惹起する事態は、これからも刻一刻と変化し、私たち一般の人たちには、これからの想像・予想するだけで、何をどうすることもできません。

ただ、生じる事象を引き受けるだけ。 【つづく】

原発は他の電源よりもはるかに安全?! 参 ~よっぽど、タバコや車の方が危険

原発は他の電源よりもはるかに安全?!

2011年04月06日 21時22分27秒 | 代表“グダグダ”雑感
「原発は他の電源よりもはるかに安全」だと発言をしている御仁が少なからずいらっしゃいますが、この時期においては、私は神経を疑います。

「安全?だから、なに?」とお聞きしたくなります。

この異常な状況において、通常時の原発の安全性を示して一体、なんになるんだろう?(これから原発を、どうしていくか?という議論の場においては、必要となってくる論点でしょうが)

当該発言は、たとえ、原発事故を起因とする死者が出ても、他の電源より少数だという主張でもあるでしょう。

だいたいね。事故の程度によって、その死者の数が、他の電源よりも多数になる蓋然性は、当然ゼロじゃないし、その数が他の電源を凌駕するリスクも、原発ははらんでいるんですから。それを考慮・勘案しないのかな?

電源別の一定の発電量に対して、人が死亡する割合だけをフォーカスしてもナンセンス。

火力が事故った時。
水力が事故った時。

そして、原発が事故った時。

どれが一番、厳しい状況に陥る可能性が高いかなぁ?

というか、原発の大きな問題は、やはり事故が起こった場合のリスクですよね。

通常時の事象で、比較することは、全く議論がかみ合わないことになります。
事実、かみ合ってない。【つづく】

原発は他の電源よりもはるかに安全?! 弐

放射線量がいくつになれば、どう行動したらいいの?

2011年03月30日 16時24分01秒 | 代表“グダグダ”雑感
各メディアでは、放射線量について、明示しているのですが、さて今後どういった事態になれば、私たちはどういった行動をとったほうが良いのか?というアドヴァイス的な報道や指針が全く明示されていません。

「直ちに、健康に影響する線量じゃない」と言われても、こんな状況がいつまで続くのかも分からない、といった状況で、そんな言葉で安心感を得られるものじゃありませんよね。

例えば、100mSv(ミリシーベルト)の被曝をした場合、100人中1人の割合で、ガンが発症すると言われていますが、では、50mSvとなら、1mSvならどうなのか?となると、これまた単純に同じ割合で発症するかと言えば、まだよく判っていないのが現状です。

同時に、低い線量を継続的に被曝することが、どれほど身体に影響を与えるのか?これもまた判らない。
累積的に被ばく線量を考慮することは当然重要なのですが、その被曝する期間の長短(1年から5年の単位)でも、影響が変わっていくだろうとは言われていますが、具体的にどういった症状が出てくるかは、やっぱり判らない。

とにかく、現状における危険性と中長期的な危険性それぞれを考えていかなければいけない状況であることは確かだと思います。

土壌汚染、内部被ばく等々、危険の種類やその程度の違いもあって、私たちにはまったく判然としない状況です。

そんな中、とりあえず外部被ばくについて、行動の一つの指針を与えてくれるページをご紹介致します。
少しでも、参考になればと。


◆放射能漏れに対する個人対策
http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html


【転載記事】

放射能漏れに対する個人対策(改版)
(http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html)

=== 転載自由(source code をそのままコピーして下さい) ===
=== 外部被曝の話です。内部被曝は別のサイトを当たって下さい ===
=== 旧版(3月18~24日)はこちら ===


外からの放射能に関して、
放射線医学総合研究所(事故対策本部に加わった組織)を始めとして、多くのメディアや研究者が
『現在の放射能の値は安全なレベルである』
という談話を発表していますが、残念ながら、どの組織も
『どこまで放射線レベルが上がったら行動を起こすべきか(赤信号と黄信号)』
を発表していません(注釈1)。これでは近隣地域の人々の不安を払拭する事は出来ないと思います。行動を必要とする危険値や警戒値を語らずに『安全です』と言ってそれは情報とは全く言えないからです。これは我々が取り扱っている宇宙飛翔体での管理についても言える事です(その為に宇宙天気予報があります)。
 そこで、少々荒っぽいですが、
放射能と風向きの観測値
(現時点で一番濃度の高い場所では文部省の測定結果を参照するのが一番です)
に基づく緊急行動指針を概算してみました。科学的に厳密な予測は気象の緻密な観測やシミュレーション、拡散条件など多分野に渡る計算を必要として、短い時間にはとても出来ないので、多少の間違いもあるかも知れませんが、緊急時ですので概算をここに公表します(3月25日現在)。なお、ここでは状況が悪化して来た場合(次第に悪化するケースと原発で変な事が起こった場合)を考えます。微妙な濃度の放射線が長期(3週間~500時間以上)に渡る場合は、別のガイドラインが必要になります。

脱出基準(理由は下に書いています)
(1) 居住地近くでの放射線濃度が1000マイクロSv/時(=1ミリSv/時)に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
(2) 居住地近くでの放射線濃度が100マイクロSv/時(=0.1ミリSv/時)に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。
(3) 妊婦(妊娠かどうか分からない人を含めて)や小児の場合、居住地近くでの放射線濃度が300マイクロSv/時(=0.3ミリSv/時)に達するか、ダスト濃度が 500 Bq/m3 に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
(4) 妊婦(妊娠かどうか分からない人を含めて)や小児の場合、居住地近くでの放射線濃度が30マイクロSv/時(=0.03ミリSv/時)に達するか、ダスト濃度が 50 Bq/m3 に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。

 → * 居住地近くでの値が、普通の人で10マイクロSv/時、妊娠初期の人で3マイクロSv/時なら安心して良い

室内退避基準(無理やり居住地から脱出する必要は余りありません)
(6) もしも原発の近くで50ミリSv/時を越えたら風下100km以内の人は緊急に屋内(出来るだけコンクリート製:注釈3)に退避し、100km以上でも近くの放射能値情報に随時注意する = 赤信号。
(7) もしも原発の場所で急に5ミリSv/時以上の変動が見られたら、風下100km以内の人はなるべく屋内(出来るだけコンクリート製:注釈3)に退避し、100km以上でも近くの放射能値に随時注意する = 黄信号。
(9) もしも原発サイトで何らかの爆発(水蒸気爆発や水素爆発)があった場合、半径100km以内の人は緊急に屋内(出来るだけコンクリート製:注釈4)に退避し、100km以上でも近くの放射能値情報に随時注意する = 赤信号。

補足
(5) 原発から北西と真南に伸びる地域では上記(1)、(3)の半分の放射能量で緊急脱出すべき。
(8) 居住地で黄信号の場合、朝凪や夕凪(あるいは霧の発生し易い天気下)は外出を控える。
(10) シミュレーションの試算値に極端に惑わされてはいけない
(11) SPEEDIシミュレーションは、これから先、真っ先に危険になるかも知れない地域を予測するのに役立つ

関係官庁への要望
(a) 放射能の測定値から空気中のダスト濃度を推定する方法を早く示して欲しい。今のデータでは、ダストの吸い込みによる被爆の程度を推定出来ません。
(b) 原発を取り巻くような形で500m程度離れた地点での放射能モニターを至急設置して欲しい。
(c) ダストと風の垂直分布(ダストが何処まで高く昇るのかが決定的に重要です)を推測する為に、気象ゾンデに放射能モニターを積んで、毎日数回、原発サイトの近くで打ちあげて欲しい。
(d) 原発地点の近くの高い所で、常時発煙筒を焚いて欲しい。この煙の行き先から放射性ダストの向かう方角がある程度わかる
(e) 原発の場所から出た放射性物質の総量を放射能と風向きの観測値から大雑把(桁の精度)で見積もって欲しい
(f) 地球大気関係のプロに応援を頼んで欲しい
(z) 原子力安全委員長の班目氏に、原発北西30キロ地点に一家揃って暫く住んで欲しい



理由付け
先ず第一に、刻々と変化する放射能に対してどう判断するかです。色々な研究所が上限値を出していますが、これが総量である事が問題です。というのも測定値は1時間当たりの値だからです。とりあえず、総量100ミリSv(Svはシーベルト)という数字で考えてみます。この数字は原子力関係者が緊急時に受けて良いとされる政府基準・東電基準で(政府は今回に限り250ミリSvに引き上げた。ちなみに
国際基準
は原子力従事者で500~1000ミリSvで、一般人で20~100ミリSvです)、
更に妊婦を除く大人が受けても概ね大丈夫と科学的に示されている値でもあります(

R.L. Brent の2009年のレビュー論文
を参照)
 居住地付近での悪化に気がついてから(就眠中など、そこで既にロスタイムがある)脱出まで半日~1日かかるとして、状況の悪くなる事を加味して、危険値は100時間で割るのが妥当です。
(1) 居住地近くで『実効値』が1000マイクロSv/時(=1ミリSv/時)に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
しかしながら、この値になって行動すると云う事はパニックを意味します。今までの変動幅を見るに、一桁の余裕を見れば数日の余裕があると考えられます。逆に言えば、1割以下の量を超えた段階で行動を開始するのが妥当で、
(2) 居住地近くで『実効値』が100マイクロSv/時(=0.1ミリSv/時)に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。
という事になります。これらの値は
放射線医療総合研究所の指針(57ページ目)
と同じであり、原発サイト(居住地でなく)で測定された場合に緊急事態並びに警報を発令する米国基準でもあります(
原子力安全委員会の資料
の88ページ目参照)。
ちなみに黄信号でも長時間に渡ると危険値になってしまいますので、黄信号が10日以上続く場合は脱出を真剣に考えるべきです。黄信号に至らなくとも高い放射線が長期間続く場合は、室内にこもっている訳にはいかないので脱出を考えるべきですが、それはここでは考えません。


第2に、妊婦や小児に関する特別な考慮です。事故対策本部の放射線医学総合研究所に100ミリSv(総量)で大丈夫とありますが、これは正確ではありません。上にあげた R.L. Brent のレビュー論文(2009年)によると、100ミリSv(総量)というのは、胎児の1%以上の人が影響を受ける値です。つまり、安全値というより、むしろ、これを越えると有為な差があるという危険値です。では大人に比べてどのくらい考慮しなければならないか? 論文の Figure 4 を見ると、ある種の障害に関して、妊娠初期で危険値が低くなっていて、妊娠後期に比べて3割程度の放射線で赤ちゃんに同じ障害が出ています。(ちなみに、妊娠後期から大人までは大差はないという事のようです)。という事は、大人の場合の3割(30ミリSv)を目安にするのが妥当です。一方、小児については甲状腺ガンのリスクが高くなっていて(甲状腺ガンに限れば胎児よりも高い)、それ故に妊娠初期と同様に取り扱うのが妥当です。従って
(3) 妊娠初期(妊娠かどうか分からない人を含めて)や小児の場合、居住地近くで『実効値』が300マイクロSv/時(=0.3ミリSv/時)に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
(4) 妊娠初期(妊娠かどうか分からない人を含めて)や小児の場合、居住地近くで『実効値』が30マイクロSv/時(=0.03ミリSv/時)に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。
となります。この黄信号も(2)と同じく10日以上続く場合は脱出を真剣に考えるべきです。
逆に言えば、(2)や(4)の1割以下(居住地近くでの値が、普通の人で10マイクロSv/時、妊娠初期の人で3マイクロSv/時)なら安心して良い事になります。ちなみに、放射能の影響は、一般には(細胞分裂や栄養の取り込みの活発な)若い人ほど深刻と思えば良いでしょう。

 ここで『実効値』と書きましたが、これは測定値よりもやや高くなります。というのも、放射能測定値は、屋外に浮遊する放射性ダストから出てくる放射線のみを示していて、そのダストを吸い込む事による追加被曝が含まれていないからです。放射線医療総合研究所の資料(109ページ目)によると、放射性ヨード(I-131)の濃度が 100 Bq/m3 の時に呼吸経由で被爆する量は10歳児で 40マイクロSv/時(=0.04ミリSv/時)程度で、大人で 20マイクロSv/時(=0.02ミリSv/時)程度です。逆に言えば、上記(1)と(3)に示す
赤信号に対応するダスト濃度は、子供で 500 Bq/m3、大人で 5000 Bq/m3
となります(念のために子供は少し余裕を持った方が良い)。問題はダスト濃度の測定が難しい事で、文部科学省や福島県は実施しているものの、観測点が圧倒的に足りません(特に高濃度地域)。従って、もしも放射能の測定値から空気中のダスト濃度をより正確に推定出来れば非常に有用で、誰でも良いから
(a) 放射能の測定値から空気中のダスト濃度を推定する方法を早く示して欲しい
と思います。とりあえず発表されているデータで放射線量とダストの量の大雑把な経験則を調べてみると、10 Bq/m3 の放射性ヨード(I-131)濃度に対応する放射線量は 3~100マイクロSv/時程度で、大人に関しては重要ではありませんが、子供の場合は、ダストを吸い込む影響の方が大きい可能性があります。

 放射能の観測値には、留意点がもう一つあります。それは居住地での放射能値と測定点での放射能値が同じとは限らない事です。それどころか、高い放射能値を示すような地点の近くに限って、短い距離で大きな違いがある事が文部科学省の測定から示されていて、例えば原発から30kmの同心円上の固定地点32と固定地点34(僅か3kmの距離)とで
25日19時の瞬間値
でも
23日から24日にかけての積算値
でも5倍以上の差になっています。この局所高濃度域は原発から北西と南に伸びており、その方面では、居住地と一番近い観測点(危険な場所は文部科学省が調べてくれていますから誤差は減ります)とで最大倍の差を見積もる必要があります。従って
(5) 原発から北西と真南に伸びる地域では上記(1)と(3)の半分の放射能量で緊急脱出すべき = 赤信号。
となります。黄信号の判断条件は変わりません。というのも黄信号になったら文部科学省が調べる筈だからです。


第3に、距離との関係です。チェルノブイリで問題になったのは事故現場からの直接放射でなく、そこで発生した高濃度の放射性噴煙が移動しながら出す放射線でした。福島原発も、レベルは違うものの放射性ダストを外に出しています。少なくとも、原発や30キロ下流での高止まりの放射能値は、放射性ダストが出続けている事を意味しています(下の注釈3参照)。ダストは濃淡を作りながら拡散し、ある高さまで昇ると風に乗って、その濃淡は距離と共に強くなるのが普通です。この手のマイクロスケールの濃淡(いま問題になっているのは高濃度部分です)は自然界では普通に起きています。この高濃度ダストが風に運ばれる事のリスク計算がありません。
 地表と違って上空100mを越えると風は安定的にかなりの速さで吹く事が多くあります(山などで風を感じないのは、どんなに標高が高くてもそこが地表だからです)。その場合、地表から数百メートル以上の高さ(ダストが届き得る高さ)では10m/秒(時速約40km)という見積もりが良く(10km上空は最大50~100m/秒です)、この速度だと、高濃度の放射性ダストは(サイズにもよりけりだけど)数時間は拡散せずに放射能を出し続けます。一部の人が言っているように距離の逆自乗・逆三乗で減る事はありません(真空の場合とは全く違います)。たとえば煙突から出る煙を見て頂ければ分かりますが、風の弱い日(煙突の高さで5m/秒以下)だと、ソーセージ状の煙のくびれが距離と共にハッキリして、その為、高濃度の部分が距離の割にあまり拡散しない事が見て取れると思います。実際、文部科学省の測定結果(上記)も、強い濃淡を裏付けています。
 このような高濃度ダストは原発現場でも高濃度の放射能を出しますから、現場で非常に高い値を記録したら、その風下の人間は緊急に室内に退避しなければなりません。その警報が届くまでに2時間見積もる必要があり、そこから80km圏という数字が簡単に出て来ます。ちなみに、こういう警報は日本語で出されますから、日本人(現状では1時間以内で対応すると思われる)と外国人とでは避難の速さが違い、その為に日米での退避半径が違うと考えられます(もちろん、避難範囲を広げると国が後日保証しなければならない人が多くなる、という事情もあるかも知れませんが、そういう政治的・裁判手管的考察はここではしません)。
 ここで風向きをどう知るかが問題になります。問題は風向きが高度によって違う事で、下手をすると地表近くと2000mの上空とで正反対の事すらあります。なので、花粉予想や煤煙予想と同じ要領で、気象庁で予測するのが一番ですが、残念ながらそこまで至っていません。幸い、文部科学省の測定結果と
米国機の空中測定結果(http://energy.gov/japan2011)
から、ダストが概ね北西(一部真南や南西)の狭い地域に流れている事が分かります。北西は海風の風下に当たり、それはダストが極端に高い所まで昇っていない(高い所まで昇るダストが非常に少ない)事を意味していて、それ故に、水素爆発のような爆発時を除いては、高さ1km以下での風向きだけを考えれば良い事になります。
 具体的には、原発サイトでの放射能値が問題になる場合、その時に居住地の風が普段と同じであれば原発の北西(と真南)が風下に当たり、念のために、この向きから左右30度ずつ危険範囲を取れば十分です。ちなみに爆発の場合はダストの昇る高さが分からないので、全ての方角が風下になりうると考えるのが無難です。

 では、低気圧通過とかで風向きが違う場合はどうするか? この場合は風下の範囲が広がります。その際に参考になるのが、海外の研究所が出している予報です。日本全体のシミュレーションは
ノルーウェー気象研究所(http://transport.nilu.no/products/fukushima)
の Dr. Andreas Stohl(大気汚染シミュレーションの専門家)や
オーストリアの気象庁(http://www.zamg.ac.at/aktuell/)、
ドイツ気象庁(http://www.dwd.de/)、
フランス放射線防護原子力安全研究所(http://www.irsn.fr/EN/Pages/home.aspx)、
などが出していて、例えば地表のどこにダストが届くかは
これ
です。上述したようにかなり長い距離をダストが塊の形を保ったまま流れているのが分かると思います。ノルーウェー気象研究所の予報は
ノルーウェー気象庁(http://www.yr.no/)
の風向き予報(例えば東京だと
これ)に基づいています。
 但し、全ての予報(シミュレーション)は何らかの仮定が入っていて、それ故に正確な予報が出来ません。とくにダスト雲の行き先や密度は天気予報よりも遥かに難しい予報です。例えばダストがどの高さまで昇るかの仮定を変えるだけでも行き先がすっかり変わります。現に上の4つの予報結果はお互いに食い違っています。だからこそ、観測データを一番の拠り所とすべきです。特に海風陸風が卓越している場合は(爆発のようにダストが高く舞い上がる場合を除いて)風向き予報よりも過去の平均(主に北西)を重視すべきです。
 予報や計算の曖昧さは、特に『量』で顕著です。例えば、オーストリア気象庁では放射性物質の量も出していますが、この手の『数値』は多めに見積もるのが普通なので、シミュレーションの数字にはあまり踊らされない方が無難です(下に書きます)。大切なのは観測値です。

 予報と実際の値が違う以上、(普段と風向きが違う場合に)風下を知る為には、実際の地上での風向き(アメダスなどの観測値)も見る必要があります。この場合、地表から上空1km程度まで、風向きがゆっくりと時計回りに変わる事(エクマン螺旋といいます)を考慮して、誤差を最大120度と見積もると、地表風向きに対して(上から見て)時計回りに90度、反時計回りに30度の範囲が風下に当たります。ただし、こういう面倒くさい事をしなければならないのは、普段と違う風向きの時だけです。


 さて、福島原発での放射能の値がどれだけ上がったら室内退避をすべきでしょうか? 急速に運ばれた放射性ダストが、例えば朝凪夕凪になって居住圏にジグザグしながら浮遊するとして、2時間を想定すれば50ミリSv/時が危険値です。つまり
(6) もしも原発の近くで50ミリSv/時を越えたら風下100km以内の人は緊急に屋内(出来るだけコンクリート製:注釈4)に退避し、100km以上でも近くの放射能値情報に随時注意する = 赤信号。
ちなみに無理やり居住地から脱出する必要は余りありません。想定外の爆発でなければ、様子を見て(1)~(5) に従って判断すれば良いと思います。
 では警戒値はどの程度になるでしょうか? この場合、原発での測定が一ヶ所であることを考慮しなければなりません。局所的な高放射能雲なので、一桁の誤差を見積もる必要があります。従って、緊急避難値の1割の5ミリSv/時という事になりますが、この位の値になると、原発正門(測定値のある所)では、事故現場からの直接放射の量が大きくて、浮遊性ダスト起源と区別がつきません。こういう時は変動幅を使うのが常套です。つまり
(7) もしも原発の場所で急に5ミリSv/時以上の変動が見られたら、風下100km以内の人はなるべく屋内(出来るだけコンクリート製:注釈4)に退避し、100km以上でも近くの放射能値に随時注意する = 黄信号。
となります。補則として、スモッグの時の対策と同じく
(8) 居住地で黄信号の場合、朝凪や夕凪(あるいは霧の発生し易い天気下)は外出を控える = 赤信号。
というのも加えておきます。どんなに急速にダストが溜まるか分からないからです。ちなみに雨天の場合は雨でダストが除去されますから、外部被爆のリスクは(雨に濡れさえしなければ)遠距離では大幅に軽減されます。但し、そのかわり土壌や水の検査が必要になります。
 一方、原発サイトで何らかの爆発(水蒸気爆発や水素爆発)があった場合、その爆発でそれだけの放射性ダストがどこまで高く上空に巻き上げられたかは分かりません。その事は、『放射性物質がない』と言われた1回目2回目の水素爆発で実際には放射性ダストを伴っていたらしい事からも分かります。なので、原発サイトで爆発があったら、風下は無条件に赤信号です。そして、その風下は高さによって違いますから、全ての方向が危険と云う事になります。従って、
(9) もしも原発サイトで何らかの爆発(水蒸気爆発や水素爆発)があった場合、半径100km以内の人は緊急に屋内(出来るだけコンクリート製:注釈4)に退避し、100km以上でも近くの放射能値情報に随時注意する = 赤信号。
となります。


第4に、原子力安全委員会が3月23日に公表した
試算値
への対応です。もしも単位が正しいなら各地点での観測値より遥かに大きい事は明らかで、というのも、12日間(300時間足らず)での屋外被爆量が、50km 風下で 100ミリSvもあるという事は、一時間あたりで 0.3ミリSv/時(=300マイクロSv/時)という危険値がずっと続いていた事を意味するからです。
実際の測定値
はこれよりも一桁低く、この事から、
(10) シミュレーションの試算値に極端に惑わされてはいけない
事が分かります。単位についての解説や正確なデータ入力条件が示されていないので断定的な事は言えませんが、この手の誤差はシミュレーションの宿命と言えるもので、地球や惑星の大気や超高層を調べている者にとっては常識に近いものです。それは上記のオーストリア気象局の推定値にも当てはまります。しかしながら、同時に2つの重要な事を示しています。一つはこの試算が平均的な『風下』の領域(放射性ダストの集まりやすい場所)を知るのに役に立つ事で、もう一つは、風下領域では場所によってはほんの数kmで一桁も値が違う事で、この事は局所高濃度の観測(上記)と合致しています。従って、
(11) SPEEDIシミュレーションは、これから先、真っ先に危険になるかも知れない地域を予測するのに役立つ
という事なります。例えば避難経路を考える時に、まず遠くに逃げるのでなく、西に逃げるのが良いという事をなります。


 最期に、気象庁と原子力保安院への提言です。原発サイトの回りでの放射性ダストの分布を推定する為に
(b) 原発を取り巻くような形で500m程度離れた地点での放射能モニターを至急設置して欲しい。
(c) ダストと風の垂直分布(ダストが何処まで高く昇るのかが決定的に重要です)を推測する為に、気象ゾンデに放射能モニターを積んで、毎日数回、原発サイトの近くで打ちあげて欲しい。
(d) 原発地点の近くの高い所で、常時発煙筒を焚いて欲しい。この煙の行き先から放射性ダストの向かう方角がある程度わかる
これらの情報があるだけで、放射性ダストの行き先の予測が非常に楽になります。

 あと、気象庁を中心にして、土壌汚染の概算の為に
(e) 原発の場所から出た放射性物質の総量を放射能と風向きの観測値から大雑把(桁の精度)で見積もって欲しい
と思います。具体的には下記の手法です(これは案ですので、改善案を持っておられる方はご連絡ください)。
 各観測地点で、それぞれ放射性ダストが空全体(半球)に一様に広がっていると仮定すると、それから放射線源(物質不特定)の密度が出てきます(土壌からの放射線量は空中からの放射線量に比べて無視できる)。もしもダストの半減期(いろいろ混合しているけど、思い切って8時間、8日のそれぞれについて場合分けするのが簡単だと思う)と上空の風速が分かれば、この放射線源のfluxが分かります。これを原発を取り巻くようにして積分すると放射線源の排出量(単位時間あたり)が推定出来るし、これを異なる距離で比較して、更に雨による落下の効果を考慮すると、地上に落ちてしまった放射線源の量(単位時間あたり)が推定できます。そして、これらを3月12日から積分すると総量が出てきます。もちろん、最低でも検証のために実際の土壌の放射線量と比較する必要がありますが、とにかく観測値から概算は不可能ではありません。水源地の土壌を全部調べるには膨大な時間がかかりますので、概算は役に立つと思います。ちなみに、風速を仮定すれば学生さん(理系)でも出来る計算ですが、仮定の仕方で結果が桁で変わりますので、間違って大きすぎる値(それはパニックを引き起こす)になりかねません。だから、上空の風速のデータを持っている日本の気象関係者が計算するのは無難です。
 理論的には風速の変化が重要です。というのもダストは風の浮力で浮いているからです。従って、空気中の放射能の量と土壌に落ちる放射性物質の量は必ずしも比例関係にありません。例えば遠方で相当量の放射性物質が見つかったからといって、それより近いところも同様に危ないという事にはならないのです。

 それから、原子力安全委員会(SPEEDIの関係者)が地球惑星科学関係者に応援を頼んでいない(超高層の学会にも気象学会にも大気化学学会にもその手の呼びかけがありません)というのが解せません。シミュレーションと観測データの比較はこの3つの学会(+海洋学会や陸水学会)が得意とする分野で、特に今の事態だと至急
(f) 地球大気関係のプロに応援を頼むべき
です。少なくともSPEEDIは実際のデータをシミュレーションに反映させるという点に関しては初心者と同じなのですから。
 原子力安全委員会にはもう一つ提案があって、それは「人間の心理を考慮した避難計画の立て方」を身を以て勉強して欲しいと云う事です。プルトニウムは検出され、収束に1ヶ月以上かかると事を考えれば、今からでも遅くありません。一番手っ取り早いのは
(z) 原子力安全委員長の班目氏に、原発北西30キロ地点に一家揃って暫く住んで貰う
事でしょう。これをするだけで、人心がかなり落ち着く筈です。携帯ネットの充実した現代、政府との連絡は遠くからでも十分に出来ます。


2011-3-18:初版
2011-3-25:改版
revisions:
2011-3-25:(米国エネルギー省のリンク追加)
2011-3-26:小児の判断基準(妊娠初期に準ずる)を追加、(f)を追加、注釈4を追加。
2011-3-27:爆発の場合を追加、(9)を挿入、注釈2を挿入。
2011-3-28:(a)を挿入、雨による影響を追加、
放射線医療総合研究所の指針
原子力安全委員会の資料
をリンク、放射性ダスト吸い込みの影響を追加。
2011-3-29:(z)を追加。

山内正敏
スウェーデン国立スペース物理研究所(IRF)
(修正に当たっては多くの方のコメントに感謝します。間違い等があればお教え頂けると有り難いです)
最期に「カルシウムを食べよう」を提唱したいと思います。イライラは判断を誤りスケープゴートに走る元ですので。
===========================================

注釈1:単位について(Gy と Sv)

Sv = Q x Gy

で大抵は Q=1 です。但し、ソースの近く(原子炉の近くとか、放射性ダストの近く)では中性子の事があり、その場合はQ=10程度(エネルギーによって数値が少し違う)です。


注釈2::原子力安全委員会が3月25日にやっと『
文部科学省の測定値
に基づく、避難や屋内退避の必要性の
判定基準
』を提言をし、26日の測定値分から、
判定結果
を流しています。かいつまんで書くと、被曝上限値(彼らは10~50ミリSvで設定)を84時間で割った値を赤信号にするというものです(文書には、1週間同じ状態が続いた場合に、一日16時間をコンクリートに準ずる室内に住んだ場合にどれだけ被爆するかという計算をして、それが被曝上限値を越えるか越えないか判断すると書いてある)。もったいぶった説明をつける割には、木造の場合に放射能を殆どシールドしない事などを無視していますが(注釈4参照)、そういう些細な事はともかく、実際の判定で『一部で基準値を超える所があるものの、8日と云う半減期で減るだろう事を考えたら限度内』としているのは全く解せません。そこに、放射性物質が定常的に流れ込んでいるという(現実に即した)発想は無いようです。確かにダストの観測量は減少傾向にありますが、その収束値はゼロではなく、無視出来ない値が続いており(40キロ北西で 5 Bq/m3以上)、爆発時のダストだけでない事ははっきりしています、しかも既に放射能ダストが出始めて2週間も経っているのに、評価期間は1週間で、上記の緊急脱出条件と同じです。危険値の計算方法を示してくれた事は評価しますが、本気で自衛するつもりなら『原子力安全委員会』の推薦(それが政府の判断を決めている)を囚われるのはお勧め出来ません。


注釈3:原子炉は開放弁や場所不明の亀裂や通して外と繋がっていると考えられます。実際、水素爆発とその直前の放射能増加は、水素や放射性ダストが原子炉から出て行った事を意味しています。一方、原子炉内では水を被っていない燃料棒が、表面から放射性ダストを出し続けています。ダストの出る速さは一定でなく、焚き火での焼けぼっくいと同じように、小さな崩壊(爆発)を繰り返して、それが放射能の濃淡を作ります。亀裂や開放弁から出て行く時も同じで、最終的に発電所から出て行く時も同じです(最悪の場合は大爆発という形ですが、今はそれは考えていません)。


注釈4:屋内退避の目的は外部被曝と内部被曝(放射性ダストを吸い込む危険)の両方です。文部科学省の
防災ネットワーク問答集
原子力安全委員会の資料
の94ページ目によると、木造建築はきちんと窓とかを締め切れば放射性ダストを短期的にはかなり防ぐ事ができますが(1/4程度に軽減)、建物の外のダストから出される放射線に対して殆ど無力です。コンクリートだと外部被曝を5分の1に軽減します。ちなみに1日以上の長期間で屋内がどのくらい放射性ダストを閉め出す事が出来るかについては書いてありません。木造家屋で1/4に軽減というのは有り得ないと見るべきです(原子力安全委員会はこの手の考察を全くしていません)。



放射能漏れに対する個人対策』より転載

☆★☆ 皆様との出会いに感謝 ★☆★

2010年12月31日 23時21分58秒 | 代表“グダグダ”雑感
いやあ、昨日から厳しい寒さが日本列島を覆っていますね。
今日は、雪が積もるんじゃないだろうかと思うほどの雪が降りました。
京都市内は、雪化粧となったようです。

年末は、やっぱり寒いほうが良いですね。
年の瀬の雰囲気が出ます。

さて、2010年も、あと少しで終わろうとしています。

今年も、様々な方々に、お世話になりました。
何よりも感謝申し上げなければいけません。
誠に、ありがとうございました。

皆様の、素晴らしい1年を祈願しております。


通常営業は、新年1月6日からです。
宜しく、お願い申し上げます。

すうたまちゃん

すうたまちゃんのつぶやきTwitterブログパーツ


こども手当 雑感

2010年04月21日 01時20分10秒 | 代表“グダグダ”雑感
こども手当の問題は、やはり財政の問題を危惧されている方が多いようです。まあ、当然ですよね。

読売新聞の先日の世論調査では、「子ども手当の支給」を評価する人は43%と、微妙な支持です。しかし、オリコンの調査では、こども手当を受給できる世帯では、反対は18.8%、賛成は54.6%、どちらともいえないが26.6%。反対理由として、増税の可能性をあげています。

つまり、増税による手取り収入の減少は、手当てを受ける世帯ではありえないことを理解されてい無いことが判ります。財源不足の問題や手当の効果の問題を理由に反対することは、合理性があるでしょうが。

確かに、半額支給でも、財源不足額は1兆4,200億円と言われ、そのつけは今のこどもたちに回わるから駄目という意見は、分からなくもない。でもそれは、こども手当だけに注目したこれまでの予算の追認に基づく固定的思考に思える。

また、手当というものではなく、こどもを育てるためのインフラ環境整備等や雇用問題の改善等に予算をつけるべきだという意見もある。基本的には、僕はこの意見なんだけどね。

こども手当の支給によって、国の借金が増加するという事実をどう認識・理解するか?また、その事実に対してどのような対処をすべきか?

支給の財源不足分を、他の予算から付け替える、歳出削減、増税(射程は消費税かな?)、手当をやめる、等ということでしょうか。

ただ、制度趣旨に鑑みると、たとえ借金が増えたとしても、支給によって出生率が上がったり、子供たちがはぐぐまれる環境の改善によって、より優秀な社会人が増え、社会全体の力を押し上げてくれる蓋然性をあげることもできます。利益の衡量ですね。

でも、半額支給の場合、手当を受給する人たちが、どれ程メリットを感じることができるのかが、ちょっと疑問ではありますよね。そういう意味では、全額の支給でないと、制度趣旨を具現化することは困難でしょう。姑息な手当ではナンセンスどころか、それこそ害悪になるだけです。

とにかく、少子化対策、貧困対策、未来への投資という目的・効果が有効に機能するためにも、こどもに対する予算配分を大きくすべきであると思っています。

世代間の争いに常に敗北してきたのが若い世代なんですから。高齢者が増えていくこれから、より若い世代が予算獲得に敗北していくことは容易に想像できます。

でも、それで良いのか?ということを、国民全体で考えなければいけない情況にあると私は強く感じています。こどものためにも、孫のためにも、予算の配分を再考すべきです。また、再分配についても。

すうたまちゃん

すうたまちゃんのつぶやき
Twitterブログパーツ


ようやく、離乳食

2009年09月06日 03時42分59秒 | 代表“グダグダ”雑感
本日5日は、次男が生まれて、ちょうど8ヶ月。
ようやく離乳食を始めました。
本来、5ヶ月ぐらいから始めるそうですが、あまり急がないでいこうということで、歯が生えてきたこの時期から始めることにしました。

これまで食べものを前にすると、凄い興味を示し「くれ~!」という催促をしていたので、おばあちゃんには、時々軟らかい物を食べさせられていましたが、食べものを口に入れられると、嫌な顔をしていた次男でした。

なので、「食べるんだろうか?」と思っていましたが、おかゆを口に入れた瞬間、モグモグと食べるじゃありませんか。
スプーン一杯を食べ終わると、「もっとくれ~!!!」と催促し、スプーンを口元に持っていこうとすると、スプーンを持った手を抱え込んで、スプーンを自分の口に押し込み、モグモグ。

大変美味しそうに食べました。(^▽^)

食いしん坊になりそうだなぁ。

すうたまちゃん

すうたまちゃんのつぶやき
Twitterブログパーツ


主婦の家事時間、諸外国の2倍

2009年09月02日 11時32分45秒 | 代表“グダグダ”雑感
主婦の家事時間、諸外国の2倍【読売新聞】
日本の主婦が家事に費やす時間は諸外国の2倍に上ることが、生活用品メーカーP&G(神戸市)の調査でわかった。

1日平均の家事時間は、日本が4時間24分だったのに対し、中国が1時間54分、アメリカで2時間24分と、日本の半分ほどだった。項目別に見ても、食器洗いや料理を、日本は「1日に3回以上」するとの回答が過半数を占めたが、他国では1回や2回が多数派だった。

「4時間24分」
個人的には、「短いなぁ」という感想です。

もっと長いような気がするんですけど…。

我が家では、家事は一応分担しています。
お互いにできることをするという前提で、私は、可能な限り日常の簡単な掃除と食器洗い、服などの洗濯の担当。
お互いに補完しあった家事の分担ですね。

こどもの保育園の送り迎えは、できる限り私がしています。

家事の定義が判然としませんので、何とも言えませんが、私が行っている日常の家事時間を計算してみます。

朝に息子を保育園に送る場合、短くとも20分。
お迎えの場合、保育園での園庭で息子との相手を含めても、短くとも30分、長い場合は1時間以上です。これを家事に加えるのか、どうか…。

帰宅後に、息子が汚した服を洗濯機に入れる前に、頑固な汚れを落とす作業に10分ぐらい。
そして、お風呂の用意に5~10分。

庭の植物たちに、水遣りの約10分。

夕飯後に、食器洗いに約20~30分。
洗濯機を回して、洗濯物を干すのに15~20分(多い時は30分ぐらい)。

これらは、あくまで実質的に作業をしている時間で、実際には、食器洗いから洗濯が終了するまでに、約1時間から1時間半ほど必要です。

妻は、朝6時ごろに起床して、朝食の用意をして、息子を保育園に送る準備をする。
そのトータルの時間は、約2時間。

私が息子を保育園に送った後に、日常的なこまごまとした家事を短くても約1時間。
大き目のものの洗濯などは朝にすることが多いですね。

夕食の準備に、1時間から1時間半。

その他、洗濯物を取り入れ、それをたたんで収納など、やらなくてはいけないことは数知れず。

2人合わせても、短くても、7時間以上費やします。

その他、下の息子の母乳遣りや、おしめやトイレの作業など、子育てに費やされる時間は、更に必要です。

夫の家事分担が無しで、主婦の家事が4時間や5時間で収まるとは、到底思えません。

事実、この調査では、
家事の分担についても、日本では主婦がほとんどすべての家事にかかわっていた。料理や食器洗いで、主婦以外の家族が担当する家庭が1割前後ある諸外国に比べ、家事負担の大きさが目立った。
とのことですから、夫が家事を手伝う時間は、ほとんどないと言ってもいいと思います。

そんな中での、家事4時間ちょっとは、私としては、信じられません。

とにかく、夫が家事をフォローできる環境に全くない現状を社会的に改善していかなければいけないことは明白だと思います。

すうたまちゃん

すうたまちゃんのつぶやき
Twitterブログパーツ


政権交代の最大の効果を!

2009年08月31日 01時40分30秒 | 代表“グダグダ”雑感
さあさあ、ようやく政権の交代が実現します。

これで、政官癒着構造を打破し、国民・市民のための政治が行われることを期待したいと思います。
これから政治家による、本当の民主政治が具現化されるよう、大変な作業が要求される新政権には、短期的かつ劇的な改革を望むものでなく、じっくりと腰を据えて、国家官僚と健全に対峙してもらいたいものです。

官僚を敵対視すると、官僚からのサボタージュを受けることは明白ですから、政治家と官僚がたっぐを組んで、国民・市民のための立法・行政を行って欲しい。

官僚支配からの脱却は、そう簡単ではないことは、国民の多くは解っている事でしょう。

結果を急ぐことなく、政権交代の効果をできる限り大きく引き出せるような政治監視をしていくことが国民に求められることなんでしょう。

今回の政権交代の最大の目的は、やはり官僚政治・官僚支配からの脱却であり、政治家と官僚とのもたれ合い・癒着の破壊だと思います。

これは政権交代の分りやすい意義でもあります。

国民・市民のために働いていた官僚は、この政権交代に大変な期待を抱いているようですし、そういった国家官僚の皆さんが、素晴らしい仕事ができるような環境を作り出すのも、政治家の役割の一つです。
それを民主党が中心とする新政権に期待したいと思います。

個別の政策の実現は、やはり上記の作業ができた場合、可能なことは少なくないと思います。

さあ、まず事務次官会議の廃止だそうです。
廃止はされることでしょうね。
ただ、廃止の目的・趣旨が具現される実質的環境・状況を作り出せるのか。
大変だそうです。

 ※『事務次官会議』…事実上の政府の意思決定機関

すうたまちゃん

すうたまちゃんのつぶやき
Twitterブログパーツ


京都の全6選挙区、民主党勝利もありうる?

2009年08月30日 23時22分33秒 | 代表“グダグダ”雑感
政権交代が実現するか否かの総選挙となった、第45回の衆院選は、開票が始まって2時間ほど経ちました。

マスコミの近々の事前世論調査と同様の結果となり、圧倒的民主党の勝利を収めそうです。
民主党の勝利と言うよりは、自民党の大敗北が正しい評価なのかもしれませんね。

いやあ、それにしても、公明党が小選挙区で大苦戦である状況は、少し驚きました。
これまで公明党を支持してきた組織が、民主に流れている事実は聞いていましたが。
元国土交通相冬柴氏や北側幹事長の敗北は、公明党の小選挙区の厳しさを明白に示す結果です。

さあ、我が京都の6つの選挙区は、どうなるでしょう。
自民党の派閥領袖の谷垣氏が大苦戦、伊吹氏の落選が確実となりましたが、全区が民主党議員から選出となるんでしょうか?

すうたまちゃん

すうたまちゃんのつぶやき
Twitterブログパーツ


世界陸上が閉幕

2009年08月24日 02時41分46秒 | 代表“グダグダ”雑感
9日間の世界陸上が終了しました。

最終日、女子マラソンの尾崎選手が素晴らしい走りを見せてくれて、銀メダルの獲得。

尾崎好美が銀メダル Vは白雪 女子マラソン【毎日新聞】
第12回世界陸上選手権ベルリン大会最終日の23日、女子マラソンで尾崎好美(28)=第一生命=が2時間25分25秒で2位に入り、銀メダルを獲得した。世界選手権でのメダルは前回の07年大阪大会で銅メダルの土佐礼子(三井住友海上)に続き2大会連続で10個目(9人目)。今大会では、全種目を通じ日本勢にとって初のメダル獲得となった。白雪(中国)が2時間25分15秒で優勝。他の日本勢では加納由理(セカンドウィンドAC)が7位入賞した。


そして、男子やり投げで、村上選手が、PBを出しての予選通過に続き、決勝での会心の投てきで銅メダルを獲得しました。

村上銅!日本やり投げ初メダル【日刊スポーツ】
日本選手として22年ぶりに決勝進出した村上幸史(29=スズキ)が2投目で82メートル97を投げて3位に入った。世界陸上、五輪を通じて日本人のやり投げのメダル獲得は初めて。投てき種目では北京五輪ハンマー投げ銅メダルの室伏広治以来となる。


日本チームとしては、最高のラストを飾りましたね。
ファンタスティック!

個人的には、男子5000メートルが残念。
アメリカのラガトを応援していましたが、ラストの100メートル勝負で、ベケレに粘られ、惜敗。
34歳の年齢を痛感させられたレースでした。
1500メートルでも、思い通りのスパートをかけられなかったので、心配していましたが…。

スパートを後少し遅らせていれば、違った結果になっていたかも、と思うレースでした。
残念。

アメリカの男女1600メートルリレーには、世界新を期待しましたが、いずれも金メダルでしたが、記録は期待したものではありませんでした。
これも残念。

今回の世界陸上は、アメリカにはかなり期待を裏切られた感じです。