犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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相手のせいじゃない

2018年02月07日 | からだ
母84歳パーキンソン病。
週1回訪問看護、週1回自費ヘルパーさん、週2回訪問鍼灸、
週1回入浴付デイサービス、隔週1回訪問歯科、毎日2回介護ヘルパー巡回。

去年の8月頃から、リハビリへの取り組みが崩れっぱなしになっている。
そんな中、鍼灸師さんは根気強く指導してくれる。
寝返りのうち方、起き上がり方、立ち上がり方など。

体の動かし方のコツを教えてもらう。
椅子から立ち上がるなら、お尻は浅めにずらして、膝が曲がるくらいに踵を引いておくと、
すんなり立ちやすいとか、
仰向けからうつぶせになるなら、どちらの手をまず上げておいて、
どちらの足をこっちへ持ってくることによって腰が回って、
どのタイミングで手がそれに伴って、などなど。

なかなか、動きやすく動くためにも、コツが多い。
わたしたちが無意識に行っている動作が、パーキンソン病だと無意識に連動しにくい。
それを、意識的に動かす。
意識的に練習を重ねていけば、身に付く。

というわけで繰り返し言われているが、できるようにならない。
言われた時はやるけれど、ふだんからやらないからできるようにならないのではないか。
と思うのだが、本人は「やってる」と言う。

同居しているので、見ていると、やっていない。

やっているつもりなのか、やろうという気持ちだけで返事しているのか、わからないが、
実際に動くときにいつも心がけているかと言ったらそんなことは無いし、
練習してもいない。
「練習しないとできるようになりませんよ。」と先生にも言われてしまうわけだ。



「先生から言われることは事実だけに、わたしには堪える。」と言う。
つまり、疲れちゃうから鍼灸は休みたい、という意味で言っている。

指導したような動きが身に付いていないと、「練習していないからできない」ということを言われる。
本人はやっているつもりになっている。

「先生は完璧主義なのね。結果まで求める。」
それは、いろいろ間違っていると思う。

先生は、練習をしなさいと言っているのであって、動けるようになれとは言っていない。
練習しているかどうかは、見ていればわかるものだ。

「練習してもできないこともある。」と母は言う。
そうしたら、それを伝えれば良い。
「言っていいのかしら。」
言っていい。言わないと、結局、自分に刃を向けることになる。
言いたいことも言えないで悶々とした気持ちを抱える。
これはもう、先生のせいではない。

練習する、というのは、例えば一日のうちに何時から何分間などと時間を設けて
その動作を繰り返しやってみる、というようなことを言う。
「たしかに、それはやっていない。」
じゃあまずそれをやってみたらいい。



ここからは母には言わなかったことだ。

完璧主義者が言うことをキツく感じるのは、自分が完璧主義だからだ。

「毎日、朝昼晩、それぞれ3セットずつトレーニング。
1セットは腹筋40回、背筋40回、スクワット30回、腕立て40回・・・・・・」
と言われて、
言われただけでウンザリしちゃうのは、それをちゃんとやらなきゃいけないと思うからだ。

こんなもの、人によって反応は様々だ。
「ずいぶんハードな課題だが、やってみよう。」
「課題が大きい。ツラい。」
「自分にはちょっとハード過ぎるな、半分から始めてみて、それでもキツければもっと減らそう。」
「平日は難しいから朝か夜どっちかだけできればいいや。休日も予定次第で。」
「あっ、そういえばそんなこと言われたっけな。よーし今やろう。やったやった。」
「先生なんだか無茶言ってらぁ。スルーーー」

自分に完璧主義が無ければ、どんな完璧主義を押し付けられようともへいちゃらなのだ。

とかく、「相手が何を言っているか」ということではなく、
「自分がそれをどう受け止めたか」ということが、意味になる。

母の場合で言えば、「先生が完璧主義だから」つらいのではなく、
「自分が先生の言うことを完璧に受け止めようとするから」つらいのである。

そこに気付かないと、先生の完璧主義を非難して、終わってしまう。
自分の受け止め方が自分の首を絞めているのだと分かれば、自分の手は自分で緩められる。

厳格な人が急にちゃらんぽらんにはなかなかなりにくいだろう。
けれど、自分を追い込んでいるのは相手の言葉ではなく、自分の受け止め方だ、
という構造を知るだけでも、ずいぶん楽になるはずだ。

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