犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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よしもと新喜劇と音声学 反舌音の巻

2017年03月24日 | 国語真偽会

中国語を勉強し始めて、すぐにつまづいてとっとと投げ出したことがある。

チとチとチが聞き分けられなかったのだ。

もう、カタカナで書くとワケがわからないが、
違いが聞き分けられないのだから、全部チに聞こえる。

使った入門書の説明も良くなかったのかもしれない。
今も、3つのチがそれぞれどういう音なのか、よく理解できていない。

たしか、わりと日本語のチと同じと思っていいチと、
有気音つまり発音と同時に息を出すチと、
反舌音(そりじたおん)つまり舌の先端が日本語のチよりも後ろのほうに付くチ、
この3つだったんじゃなかったっけな?

日本語では無気と有気の区別をしない。
ちょっと勢い良く言う場合などに自然と有気音になって、
それをわざわざ別の子音だというふうに認識したりしない。
日本語人の耳は、無気と有気の聞き分けをしてきていない。

日本語には反舌音が無い。
あえて有るとすれば、それは「舌っ足らず」と捉えられる。



サンスクリットは、やたらと反舌音が出てくる。
日本語で言うシャ行とタ行とダ行に、反舌音が有るのだが、
もともと有るだけでなくて、反舌音に変化することが多いのだ。

単語と単語がつながって文になる時や、
語の要素と要素がくっついて単語になる時などに、
滑らかに発音しやすくするサンディという現象が起きる。
日本語ではこれを連声(れんじょう)と呼んでいる。

たとえば。
母音が続くと発音しにくい。
「ア ウ」を続ける時は「オー」になる。
こんなのは日本語でも起きる。
「アウア」と続く場合は「アヴァ」とはっきりする。
日本語だったら「アワ」になりそうだ。

サンスクリットならではのルールのようであって、
目的は発音のしやすさなので、日本語脳で考えても理解できなくもない。

しかし、子音が連続する時になにやらわからん法則が出てくる。
インド人、舌が反ると発音が楽になるらしい。
ちょいちょい、音が反舌音化する。



そんな次第で、反舌音を練習する。

思えば、中国語でつまづいたチの音の反舌音は、サンスクリットには無い。
これだけでもずいぶん救いなのか。

タ行ダ行の反舌音より、シャ行の反舌音のほうが、
私には区別しやすいようだ。
「シャ、シャ(反舌)」と練習していると、
何か聞き慣れた感じを持っているのに気付いた。

なんでだろう。
「シャ、シャ(反舌)、シャ、シャ(反舌)、シャ、シャ(反舌)」

ああ、思い出した。

よしもと新喜劇の、諸見里大介だ。
あの音に似ているんだ。
https://www.youtube.com/watch?v=GV-3Yo0CNLc


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