犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

犬と楽器と日々
ゲゲゲの調布住まいの須山。
雑種犬カバサ&ジーロと戯れ、
音楽をこねくりつつ、
鍼灸する。

少年時代

2017年05月18日 | 日々
友人Yが、お店がヒマだから来いと言う。
私が行ったってたいして売り上げに貢献はできない。
しかしYと久しく会って話していない。
いつでも会えると思う相手にはなかなか会わないものだ。
友人宅へ遊びに行くつもりで行って、まんまと酔い潰れ、終電を逃した。

というのも、夜も更けてきた頃に、強力なスポンサーが現れたのだ。
二十歳頃、私は家を週に一度のオーケストラの練習日くらいしか出ないような、
今で言えばひきこもりにあたるような生活をしていた。
そこから這い出た頃に、Yはタイミング良く、バイトに呼んでくれた。
自分の勤めていた編集プロダクションでの、テープおこしのバイトだった。

カセットテープに収録されたインタビューを、原稿用紙に文字起こしするのだ。
性に合ったので、私はベテラン並みのスピードで仕事をこなした。
そのうちに、大学受験予備校の講義をシリーズで本にする、という企画があり、
テープ起こしだけでなく、原稿を作るところまで任された。
章立てして、タイトルを付けて、分かりやすいようにポイントをまとめて・・・。

ずいぶんおもしろい仕事をさせてもらったが、何分テープ起こしのバイトの延長という気持ちであったので、
どこまでやり込めば良いものか、戸惑ったような記憶がある。
デスクのDさんは、音楽やるなら何か収入を持っているといいだろう、
編集者はその点都合いいよ、とずいぶん誘ってくださった。
が、編集は編集だけでおそろしくハードワークなのを目の前に、この誘いには乗れなかった。

その後、その会社が請け負っていた他の編集部でメッセンジャーボーイのバイトをした。
あちこちの事務所を駆け回って資料をもらって来たり原稿を届けたりする、小間使いである。
日本ではこの仕事を符丁で「少年」と言う。
当時の私のボーイッシュな感じも含めて、私は「少年、少年」と呼ばれ、
編集者たちの用事で走り回っていた。

その編集長のKさんが、店にやって来たのだ。
20何年かぶりだが、よく憶えてくださっていて、
こちらは恐縮しつつもあつかましくご馳走になるわけだ。
日頃飲みつけない種類の酒を飲むと、量がよくわからないね。
バーにもなんでもいいから日本酒を置いて欲しいものだわ。

今ではアーティスト写真も原稿も電子化してデータでのやりとりだろうし、
テープ起こしも音声認識ソフトが勝手に原稿にまで仕上げてくれるだろう。
少年はいなくなった。
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