老年

満69歳になった。間違いなく老年であるが諦めがつかない。

ロシア民話 ”プーシキン: 金のにわとりの物語” 1

2006-07-17 22:56:47 | Weblog

 

あるところに、遠く離れた王国の
遠く離れた国に
輝かしいダドン王がいた
若いときから峻厳で
隣国には絶えず
大胆に侮辱を与えていた
しかし年老いてからは
戦ごとをやめて
安らぎを求めるようになった。
すると今度はいくつかの隣国が
年老いた王にたいして
恐ろしい害を与えるようになる
領地の国境を
攻撃から守るために
王は多数の軍勢を
抱えなければならない

軍隊司令官たちは警戒を怠らない
しかしうまくいかない
南から来ると待ち受けると
軍勢は東からやってくるのだ。
ここを整備すると ― 邪悪な客たちは
海からやってくる
ダドン王は憎しみから涙を流し
眠りを忘れる
なんという不安な日々であろう!
王が助力を乞おうとするのは
賢者、星占い師で去勢者
礼儀をただして使者を送る

ダドンの前に賢者は現れる
袋から取り出すのは
金のにわとり
《このにわとりをとまらせなさい ― 
賢者は王に言う ― 塔の先端に
わたしの金のにわとりは
あなたの忠実な見張り番
もし周辺が平穏であれば
静かに止まっているでしょう
しかしどこかの方角からでも
戦があなたにやってくれば
戦の軍勢の襲撃がやってくれば
そのほか招かざる災厄がやってくれば
そのときすぐにわたしのにわとりは
とさかを逆立て
鳴き声をあげ、羽ばたきをして
その方角に向くでしょう》

王は去勢者に礼を言い
金の山を約束する
《おまえの親切に報いて ―
王は歓喜にかられて言う ―
おまえの最初の願いを
わたしの願いとしてかなえよう》

高い塔の上からにわとりは
その国境を見張りだした
ちょっとでも危険が見えれば
忠実な番人は眠りから覚めて
身体を震わせ羽ばたきをして
その方角に向いて
叫ぶのだ 《コケコッコー
寝ころんで国を治めろ!》
すると隣国はおとなしくなり
もう戦をしようとしない
するとダオドン王は
あらゆる方面から反撃するのだ!

<つづく>


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