blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

潔くあれ

2017-06-15 21:38:39 | 日記
2004年、通販大手のジャパネットたかたが顧客情報漏れを起こした時、当時の髙田明社長は即座に会見を開き、全国で展開中の販売も一時的に停止させて、事実関係を丁寧に説明して謝罪を行なった。
具体的な数字は取っていないが、会見後は逆に売り上げが急増したという。

それより前の2003年には、石原プロモーション所属の若手俳優がドラマ撮影で自動車の操作を誤り見学者の中に突っ込む事故を起こした。
この時も、石原プロは渡社長も含めてやはり即座に会見して謝罪し、その後の「西部警察スペシャル」の撮影を中止したので、石原プロに対する批判らしい批判はトンと聞こえなかった。

いわゆる「ゲス不倫」で散々叩かれた某有名女性タレントは、それまでの清廉なキャラクターイメージから、企業のコマーシャルにも数多く出演していた。
芸能人としての能力は疑いようがないので最近は少しずつ露出の機会を増やしてはきているようだが、イメージ最優先の企業CMに今も多数出ているという話は聞いたことはない。
この件に関しては会見後にも相手男性側とのやりとりが面白おかしく紹介されたりなど、一度会見はしたもののその後の言動が会見での殊勝さとはかけ離れたものであったために、あとあとまで世の多くからの不興を買う原因となった。

先の2つの例は、いたずらに発表を先延ばしにしたりしなかった姿勢が人々の共感を呼んだものと思うし、逆に女性タレントの例は結果的に会見がカタチだけのものだったことが明らかになったという悪い例である。
訴訟社会の米国などは謝罪することによってその後の裁判が不利になるため「謝ったら負け」くらいの感覚があるらしいが、我が国ではその時点で分かっている範囲の事実に基づいて、一般に迷惑や心配をかけたと当事者が認識している場合には、まずは説明と謝罪という行動が受け入れられやすいのは確かであろう。

企業もある程度の規模になれば、より知名度をアップさせるべく宣伝に工夫を凝らすのはごくごく自然な行動である。
ジャパネットたかたのように社長自身が有名人になれるようなキャラクターがあればまた別だが、一般の関心をひくために多くの企業がいわゆる「著名人」を起用して何とか企業イメージの向上と認知を狙っているのが実情だ。
しかし、著名人といえども人の子、時には過ちを犯すこともある。
宣伝に起用した著名人がもし過ちを犯したら、起用した企業は「著名人本人の問題」として全くの無関係でいられるかと言われたら必ずしもそうではないような気はする。
企業にとっては安くはない出演料を払ったのに何ということをしてくれると思うのは当然だが、CMはすでに何度も全国もしくはローカルで流れてしまっている。

今後当人とどう関わっていくのか、決定権は企業にあるから好きなようにできる。
せっかく撮ったCMが今後世に出せなくなるとすればそれは過ちを犯した本人の責任であり、契約解除はもちろん、損害賠償請求の対象にもなりうるだろう。
しかし、起用した企業も全く無関係のような顔でいるのではなくて、何かの機会で一言でも、一度は三顧の礼で迎えて期待してCMに起用したタレントの不祥事についての言及があれば、一般が受ける印象もより潔く見えるのだろうとは思う。

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