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スプリット [シャマランさんのどん底から這い上がっての無謀な再爆発!]

2017-06-17 12:46:05 | 映評 2013~

85点[100点満点中]

オープニングのスタッフのクレジットで、音楽がジェームズ・ニュートン・ハワードではなかった事に寂しさを感じた。
ここ2作品は見ていないが、「シックスセンス」以降シャマラン映画をいつも彩ってきたハワードの音楽が聴けないなんて
しかもハワードという人は、明らかにシャマラン映画の時は気合いが入っているのだ。今回も見終わったらサントラを買いに行こうくらいに思っていたのに。
音楽はウェスト・ディラン・ソードソンという方で、サスペンス音楽として悪くはなかったけど、グォングォンうるせーだけで、ハワードの気品はなかった。
いいコンビだったのに、シャマランとハワードの蜜月は過ぎたのだろうか?喧嘩でもしたのだろうか?そんなこど感じながらの鑑賞だったのだが....
ところが、いよいよ映画のラストシーンという時になって、聞き覚えのある曲が聞こえてくる。
これは「アンブレイカブル」のテーマ曲じゃないか。シャマラン監督でハワード音楽の。なんだハワードと決別したわけじゃないのか?どういうこった?
と思っていたら、ラストにあいつ!
なんだこのぶったまげー。そ、それで「アンブレイカブル」のテーマ曲か!!
そしてテーマ曲がもっとも盛り上がるズッチャカズッチャカとドラムが入ってくる部分でデカデカと「スプリット」とタイトル、そしてエンドロールへと

で、しかも、映画終わった後の速報
「アンブレイカブル」の世界と「スプリット」の世界が激突!次回作「グラス」!
おいおい、「エアベンダー」の大コケで完全に終わった感のあったシャマランのこの奇跡の復活と逆襲はなんだ。
シャマラン版アベンジャーズか!?ジャステイスリーグか!?いやどっちかというとシビルウォーか?!
勝手にシャマランナーズと名付けよう。
うわー需要と供給のバランス取れてない。
大丈夫ですかシャマラン先生!?もうすでにあなたは十分ミラクルでレジェンドですよ。

というわけで、あのシャマランの新作である。
ドッカンドッカンと膝叩いて楽しめるシャマラン。まだだ、まだ終わらんよ!とクワトロ大尉のように発言したかはわかりませんが、間違いなく終わってない。それどころかまさかのロケット再点火を極めるカレー風味サスペンスの巨匠
自身の登場シーンもネタとしてしっかり盛り込んで笑わせて、これは、あの「ハプニング」や「レディインザウォーター」にも匹敵するシャマラン傑作ではないか

実は私とシャマラン映画は不幸な出会いから始まった。
初めて観たのはご存知「シックス・センス」であるが、当時オーストラリアかどっかに留学していた映研の後輩女子が、日本公開前に映研HPの掲示板に絶対言っちゃいけないあのオチ含めて1行くらいのパッと目に入る書き込みしやがって、お陰様で、ようやく日本公開されたあの映画、ぜんっぜんッ面白くなかった!!!
オチでビックリってだけの映画がいいとは思わんけど、それにしても言っちゃダメな事ってあるだろう。
くっそツマンネー今年のワーストだよワースト!とその当時は思ったものの、それは映画のせいでないこともわかっていた。

しかし、今思えばその出会いは良かったのかもしれない。
以降のシャマラン映画に対する世の中の意見を見ると

どんでん返しにシックスセンスほどのキレがないなあ...
とか
これといったどんでん返しがあるでもなく...
などといった、あたかもシャマランをドンデンメーカーとしてしか観ようとしない風潮が蔓延してしまった

不幸なズッコケから始まった私のシャマラン映画との付き合いは、自然と別にどんでん返しなど期待するでもなく、単に、「怖え!やべー!んなバカな!」と頭の悪すぎるノリでだけシャマランを評価するようになった。
だからシャマランを「くもりなき眼で見極める」ことができたのである

「ハプニング」どんでん返しないからつまんない?バカ言ってんじゃないよ。トリュフォー著「ヒッチコック」よんでみろよ。あの映画トリュフォーとヒッチコックの夢の実現だよ。
「レディインザウォーター」バカバカしすぎるって?それは同感だけど、そんなこうるせーことを言う「評論家」が怪獣に惨殺されて、自身で演じる「脚本家」が女と世界を救うあの物語には、あらゆる批判と戦うクリエイターの信念を感じるじゃないか!

だからここでシャマランを再評価してみよう。
彼の映画はサスペンスとか、ましてどんでん返しが魅力なのではない

んなわけねーだろ映画の巨匠なのだ
そこで「スプリット」に話を戻す。23人格 VS 3人のJK というワクワクする内容でありながら、映画に登場するのは23人格中せいぜい5人格。
5vs3なら結構いい勝負じゃね、とどっちらけ感あるが、ついに出現した24番目のキャラクター「ビースト」のあり得ない感半端ない。とは言え、やってることはせいぜい女の子かじって殺すくらいで、なんだよ、ゴリラが暴れる映画と大差ないじゃんとも思うけど、か弱い女の子的には絶対絶命の大ピンチ
ナイフも銃も効かないぜ、ヤモリのように壁を這い回り、足も早くて怪力、んなバケモン倒せるもんか
と思ったら映画ヒロインの最強武器、苦しみも悲しみも全て背負い込む母性力!って、ただのゴリラじゃなくて悲しみのビーストだったから良かったーって、んなわけねーだろ!

でもなんつっても、ラストで誰もが過去に消え去ったものと思っていた「アンブレイカブル」とコラボをキメるところが最強の「んなわけねーだろ」
やばい、シャマラン、全く懲りてねー
いったいどこに向かっているんだろう
この人の映画からますます目が離せないよ

女の子のトラウマ説明回想シーンで、彼女がショットガンの扱いに長けていることを示し、またそのトラウマ全体が伏線として機能させる、そのシナリオは普通にうまい

そんなことより、美人だけど孤独で心に傷、機転が利いて銃も使える、映画ヒロインとして非の打ち所がないハイスペックっぷりも楽しかったりします

他の2人のJKの完璧なビッチっぷり
絶対死ぬなこいつら感

女医さんはそうですか
ベティ・バックリーさん
「ハプニング」の怖いババアでしたか

『スプリット』
監督・脚本 M.ナイト・シャマラン
出演 ジェームズ・マカヴォイ、アニャ・テイラー=ジョイ(かわいい)
2017/6/3 有楽町TOHOシネマズシャンテにて鑑賞

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