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映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品徹底分析(ネタバレ)
ブロガー37名による「00年代映画ベストテン」発表

2016年映画マイベスト20(11位〜20位)とワースト5

2017-01-03 00:48:26 | 私の映画年間ベスト
2016年映画(劇場鑑賞のみの)マイベスト20


2016年は映画撮影しなかったので、鑑賞映画が非常に沢山増え50作近くを鑑賞しました。
そこで、私のマイベスト20を発表したいと思います。
たった50でベスト20かよ、とか思われそうですがまあいいでしょう

まず11位から20位

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11位 君の名は。🇯🇵(新海誠)
12位 オーバー・フェンス🇯🇵(山下敦弘)
13位 レヴェナント 蘇りし者🇺🇸(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ)
14位 ソング・オブ・ザ・シー うみのうた🇮🇪(トム・ムーア)
15位 エクス・マキナ🇬🇧(アレックス・ガーランド)
16位 リップヴァンウィンクルの花嫁🇯🇵(岩井俊二)
17位 MILES AHEAD / マイルス・デイヴィス 空白の5年間🇺🇸(ドン・チードル)
18位 湯を沸かすほどの熱い愛🇯🇵(中野量太)
19位 マジカル・ガール🇪🇸(カルロス・ベルムト)
20位 家族はつらいよ🇯🇵(山田洋次)
次点「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」🇺🇸(ギャレス・エドワーズ)


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【解説】
次点「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」🇺🇸(ギャレス・エドワーズ)

完璧なファンムービーだけど、忘れていたことを思い出した。1、2、3、7と不満と批判と文句しか浮かばないクッソつまらねーのが続いたせいで、忘れていた。俺はスターウォーズが大好きだったんだ

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20位「家族はつらいよ」🇯🇵(山田洋次)

あと何作撮れるかわからない老巨匠だが、この力みゼロ感が素晴らしい。80年代くらいまでの山田映画の軽さが戻ってきたようで嬉しい作品でもあった。

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19位「マジカル・ガール」🇪🇸(カルロス・ベルムト)

たぶん作っている本人にもどこに向かっているのかわかっていないような、それでも心の命じるままに物語を紡いでいったような不思議な感覚。愛も夢も希望も光もない。ドロついた闇の中でそれでも人々は繋がりを求めている。闇との向き合いこそが2016年の映画に多く共通するテーマである

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18位「湯を沸かすほどの熱い愛」🇯🇵(中野量太)

配置した伏線を丁寧に回収していく。基本的なことだけど物語を紡いでいくことの大切さを再認識。役者たちみんな魂を震わせて演じていたようにも思えた。もっと過激であっても良かったかもしれないけど

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17位「MILES AHEAD / マイルス・デイヴィス 空白の5年間」🇺🇸(ドン・チードル)

大胆にカーチェイスに銃撃戦まで交えて空白期間を映画的虚構で埋め尽くし、同時にトランペットも自ら吹いて、映画人として俳優として偉大なミュージシャンへの敬意を120%描き尽くしたドン・チードルの本気に

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16位「リップヴァンウィンクルの花嫁」🇯🇵(岩井俊二)

他人と触れ合えない不器用な流されヒロイン。愛し合える人との出会いと別れ。結婚への憧憬。好きだった学生時代のころから全く変わらないブレの無さだけど、いつも前作よりちょっと上を行く最高傑作。なのにまだ代表作を撮ってないような伸びしろあり感。なんかつくづくすごい映画作家だと思います。

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15位 「エクス・マキナ」🇬🇧(アレックス・ガーランド)

「私を離さないで」の脚本家の監督デビュー作だそうで、「私を離さないで」はいい映画だったけど、役者の感情に映像がついてこれなかった感じがして、脚本家としてはイメージと違う画に歯がゆさを感じていたのかもしれない。だったら自分で監督しようと思ったのか。
「2001年」「ブレードランナー」「AI」などロボットまたは人工知能と人間の共存が始まって間もない世界を描いた映画は沢山あったが、ロボットおよび人工知能の基礎研究段階を扱った映画は珍しい。感情があるのかないのか微妙な段階、そして感情があると人間に思わせているだけなのか、何がしかの感情があるのか、その心理的駆け引き。
閉塞的な室内映像中心のため物語的な冗長さが否めない部分はあるが、閉塞感そのものが物語の命であるから仕方ない。
やっと名前と顔を覚えたドーナル・グリーソン君、日本人型アンドロイドのソノヤ・ミズノちゃんも忘れがたいけど、でもやっぱアリシア・ビキャンデル嬢はブレードランナーのダリル・ハンナに匹敵する機械美人としてSF映画史に残したい

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14位 「ソング・オブ・ザ・シー うみのうた」🇮🇪(トム・ムーア)

アイルランドから飛び出したアニメの名作。随所に宮崎駿映画へのオマージュを記しつつも、動く絵本型アニメはノルシュテインのようであり、でもまあ物語はディズニー型、けれどもそんな日露米ハイブリッドと簡単に言えるものではなく、世界観も絵柄も演出も孤高。ファミリームービーだけど全カットが芸術的に美しく、でも全キャラクターが愛らしい(とくにアザラシ)

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13位 「レヴェナント 蘇りし者」🇺🇸(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ)

レヴェナントのレシピ。
デカプリオ カップ3杯
トムハーディ 大さじ1
エマニュエル・ルベツキのカメラ 大さじ1
クマ 小さじ1
イニャリトゥ 少々
それらを混ぜてマイナス10度くらいの土地で土に埋めて発酵させてください

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12位 「オーバー・フェンス」🇯🇵(山下敦弘)

2年前に函館に行き、過疎化の進む街を見て哀しくなった。
そんな函館の寂しさ哀しさとマッチした金なし職なし夢なしの痛い大人たちの物語。それでもみんな精一杯生きて行くしかない中でのちっちゃなちっちゃな嬉しい事がまるで奇跡のようにかんじられる瞬間。話せば、それだけ?といわれて場を盛り下げそうな奇跡のオーバー・フェンスを、映画の力ですごい爽快さに持って行く。
蒼井優さんの駝鳥マネも、オダギリジョーの痛い中年ぶりも2人の代表作たる資格充分

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11位 「君の名は。」🇯🇵(新海誠)

この傑作をテンから落とすのは断腸の思いである。意図したわけではないけどメジャー系の映画が少ない我がテンにぜひこのスーパーヒット作を加えたかった。
思えば「シン・ゴジラ」も「君の名は。」も、公開して一週間以内に観に行った。こんなに大ヒットするとは誰も思っていなかったころに観たので、同じくらいヒットしたアニメ映画のセリフにある「曇りなき眼で見定め、決める」ことができたのである。
気のせいか、私の周りのクリエイティブな人たちのこの映画の評価は低い。ただ、この映画の批判の多くは、確かに間違ってはいないけど、全て小さな減点かプラスアルファが無いことへの不満といった些末なことを映画の決定的な問題のように大きく言っているように思えてならない。
代表的なものが、お父さんをどうやって説得したかをスルーしたことへの不満だが、ま、たしかにそこがあればもっと良かったろうということは否定しないけれども、そんなことこの映画に溢れ出る感情の強さと比べたら全然大した問題じゃないと思うのだ。
そんなこというんなら、なんとかっていうロックバンドのくっそうるせー音楽の方がよっぽど批判すべきだろうが、100分間たっぷり聴かされ毎日テレビでぜんぜんぜんせかーらーと聴いてるうちに洗脳されてしまい、もう良い悪いを超えて想い出になってしまった。
自分の好きなことだけやっていたかのような新海監督がなにか変に吹っ切れたかのように、みんな泣かす!すげー儲ける!と己のテクニックを全部そのことにつぎ込み、世の中が求める映画を作れる実力を見せつけた記念碑的作品である。
できれば、次作はもうちょっと自分の殻に閉じ籠って作って欲しいとは思うけれど
こういうのは同じことまたやっても飽きちゃうから
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ベスト20からこぼれた映画は他に「シング・ストリート 未来へのうた」「オデッセイ」「エージェント・ウルトラ」「ブリッジ・オブ・スパイ」

というわけで、ベストテン前だけで変にヒートアップした自分。しかし、この20〜11位だけで、ベストテンですといっても問題ないくらいの傑作揃いの2016年は本当に傑作揃いでした。ベストテン発表は次回として、まずはワースト5を


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ワースト5
1位 バットマンvsスーパーマン🇺🇸(ザック・スナイダー)
2位 ルーム🇺🇸(レニー・アブラハムソン)
3位 ヘイトフル・エイト🇺🇸(クエンティン・タランティーノ)
4位 母と暮せば🇯🇵(山田洋次)
5位 シン・ゴジラ🇯🇵(総監督 庵野秀明、監督 樋口真嗣)


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ワースト1 「バットマンvsスーパーマン」(ザック・スナイダー)
やるんならちゃんと戦えよ

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ワースト2「ルーム」(レニー・アブラハムソン)
そんだけの話かよ

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ワースト3 「ヘイトフル・エイ」ト(クエンティン・タランティーノ)
音楽は最高に素晴らしかったが、映画はものすごくつまらなかった。
繰り返すが音楽は最高に素晴らしかったが、映画はものすごくつまらなかった。

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ワースト4 「母と暮せば」(山田洋次)
尊敬する巨匠山田洋次の平和への祈り、亡き井上ひさしへのオマージュ、右傾化する日本への警鐘、すべてが力強く迫ってくる映画である…にもかかわらずこの全編に漂う「そうじゃない感」はなんなんだろう。
黒木和雄の「父と暮らせば」は幽霊を演劇的に処理してリアリテイを消すことで強い説得力を産んだ。一方で山田洋次は幽霊を映画的に処理してリアリテイを出した。そこが根本的なこの映画の失敗ではないかと思えてならない

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ワースト5 「シン・ゴジラ」(総監督 庵野秀明、監督 樋口真嗣)
いやね、怪獣好きだから、たとえワーストでも新作ができるのは嬉しいことです。ゴジラ対メガロすら楽しむ私がゴジラがつまらないくらいで腹を立てたりはしません
ついでに平成ゴジラだとVSビオランテが一番嫌いでFINAL WARSが一番好きな自分は世のゴジラ好きとは相当好みが違うと思います。
気に食わんところ1
資料からコピペしただけのような台詞
気に食わんところ2
官僚しか出ないのにゴジラ対「日本」と言い切る厚かましさ。
たとえば福島第一の映画で官僚と政府しか出てこなかったら許せないだろう。いつわけわからんビーム攻撃を始めるかわからん化け物に近づいて薬飲ませ作業する人たちは相当な決意があったはず。54年版ゴジラの芹沢博士の悲痛な決意はどうだったよ。薬の量、時間、放射能の半減期といった数値データしか出てこないドラマはいかがなものか
気に食わんところ3
クライマックスの戦い。在来線爆弾はウケたけど、ゴジラが高架線切ったらどうするつもりだったよ。引退した北斗星に爆弾詰めて二連ディーゼルカー走らす気だったか?
それはともかくさ、寝ているゴジラに薬ゴクゴク飲ます戦いは、そりゃないだろ。簡単に薬飲んでくれるのどうなの?もっと抵抗しろよゴジラ。やるならゴジラを電車でがんじがらめにして泣き叫ぶのをお構いなく強制的に薬をぶっこむような悲惨さ出してみい

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それでは次回、2016年ベスト20の第10位〜1位と勝手に個人賞および番外編をお伝えいたします

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なお、2016年の全鑑賞リストは以下

1.黄金のアデーレ 名画の帰還(サイモン・カーティス)
2.母と暮らせば(山田洋次)
3.ブリッジ・オブ・スパイ(スティーブン・スピルバーグ)
4.不屈の男 アンブロークン(アンジェリーナ・ジョリー)
5.サウルの息子(ネメシュ・ラースロー)
6.エージェント・ウルトラ(ニマ・ヌリザデ)
7.オデッセイ(リドリー・スコット)
8.キャロル(トッド・ヘインズ)
9.ヘイトフル・エイト(クエンティン・タランティーノ)
10.家族はつらいよ(山田洋次)
11.ディーパンの戦い(ジャック・オディアール)
12.キオリ(古本恭一)
13.マジカル・ガール(カルロス・ベルムト)
14.マネー・ショート 華麗なる大逆転(アダム・マッケイ)
15.マリーゴールド・ホテル 幸せへの第2章(ジョン・マッデン)
16.リップヴァンウィンクルの花嫁(岩井俊二)
17.バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生(ザック・スナイダー)
18.オマールの壁(ハニ・アブ・アサド)
19.スポットライト 世紀のスクープ(トム・マッカーシー)
20.レヴェナント 蘇りし者(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ)
21.ノスタルジア(アンドレイ・タルコフスキー)
22.ストーカー(アンドレイ・タルコフスキー)
23.惑星ソラリス(アンドレイ・タルコフスキー)
24.さざなみ(アンドリュー・ヘイ)
25.ルーム(レニー・アブラハムソン)
26.デッドプール(ティム・ミラー)
27.エクス・マキナ(アレックス・ガーランド)
28.帰ってきたヒトラー(デビッド・ベント)
29.裸足の季節(ドゥニズ・ガムゼ・エルグヴァン)
30.シン・ゴジラ(樋口真嗣)
31.男たちの挽歌(ジョン・ウー)
32.君の名は。(新海誠)
33.不思議惑星キン・ザ・ザ(ゲオルギー・ダネリヤ)
34.グッバイ・サマー(ミシェル・ゴンドリー)
35.歌声にのった少年(ハニ・アブ・アサド)
36.ソング・オブ・ザ・シー うみのうた(トム・ムーア)
37.シング・ストリート 未来へのうた(ジョン・カーニー)
38.オーバー・フェンス(山下敦弘)
39.BFG (スティーブン・スピルバーグ)
40.ハドソン川の奇跡 (クリント・イーストウッド)
41.ジュリエッタ(ペドロ・アルモドバル)
42.ジャック・リーチャー ネバー・ゴー・バック(エドワード・ズウィック)
43.われらが背きしもの(スザンナ・ホワイト)
44.この世界の片隅に(片渕須直)
45.湯を沸かすほどの熱い愛(中野量太)
46.MILES AHEAD / マイルス・デイビス 空白の5年間(ドン・チードル)
47.風に濡れた女(塩田明彦)
48.ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー (ギャレス・エドワーズ)

ではまた映画出会いましょう
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