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クローズZERO [監督:三池崇史]

2008-01-10 19:24:50 | 映評 2006~2008
同じ三池作品なら、気合も予算もがっぽりだった「スキヤキジャンゴ」よりも、こちらのの方が面白かった。
とはいえ、そこも三池崇史。いつもどおり中の上くらいのレベルにおとなしく収まる内容である。危険な暴力的監督だった三池も最近は(飽きたせいもあるけど)、イマイチはじけきれない、おとなしい優等生監督のイメージだ。

漫画を知らない、予備情報もほとんどない私は冒頭の山田孝之と刑事のチキンレースのあまりの面白さに、山田孝之主演映画なのかと思ってしまったほどだった。ただその後の展開で山田孝之は面白いことをほとんどさせてもらえず、さらにはさすが人気者なだけあるなぁと思わせる小栗旬くんの適度に熱くオーラ感じる芝居に喰われまくり、結局山田孝之はただの脇役におさまってしまう。それなりにドラマ的は見せ場も用意はされるものの、

いちおうこれは青春映画の範疇に入ろう。先のことなど何も考えず、ただ今を、熱く全力で生き抜こうとする少年たち。
それ自体は美しくかっこよく面白いのだが、この映画はその先にまちうける腐った膿のようなものを見せるので、爽快感はなく、悲壮感とも少し違う消化不良感を与える。

たの映画との比較てなんだけど『スウィングガールズ』『リンダリンダリンダ』なんかは青春のエネルギーか頂点に達したところで映画をばっさり終わらせ、『シムソンズ』はそらにその先の栄光を見せて終わり、『がんばっていきまっしょい』の場合はあらかじめ衰退し消え行く運命であることを提示してから物語を進め「努力すること」それ自体の美しさを謳歌する。

で、『クローズZERO』はといえば、ヤンキー高のてっぺんとったって待っているのはせいぜいヤクザの幹部くらいじゃねーのか・・・と思っていたら、ほんとにせいぜいその程度のものが待っている。
それが大邸宅にすむマーロン・ブランドくらいの威厳と力のあれヤクザならまだしも、かつて鈴蘭高のてっぺんに挑んだ父の家は狭くてぼろくて暗くて薄汚い感じで、その父はブランドどころかデ・ニーロでもパチーノでもジェームズ・カーンでもロバート・デュバルでもアンディ・ガルシアでもなく・・・ゴロウ・キシタニである。
青春の行き着く先はあまりに夢のない未来。

ところが鈴蘭てっぺんを目指す小栗旬に協力した鈴蘭OB現ヤクザ下っ端(やべきょうすけ)が幹部に処刑されるシーンがある。ヤクザ批判、ヤンキー高を締めることの無意味さを表現するつもりか???と、思わせて結局は幹部の温情で死なずに済んでしまう下っ端ヤクザ。
鈴蘭のてっぺんを目指すと、少しは情のわかるヤクザの中堅クラスになれますよ・・・
そんなもんか・・・

すっきりしない気分で映画館を後にする。
かつて鈴蘭トップを目指した現ヤクザたちの描写なんて全部きりすてちまえばいいのに。
あるいはどうせなら、「男塾」みたいに、鈴蘭のトップとったやつは後の日本国首相になるとか、それくらいぶっとべばいいのに・・・・
そういえば、宮下あきらのくだらないギャグセンスと過剰な演出は、三池崇史に通じるものがあるような気がする。
わかった。三池さん。「ヤッターマン」なんてさっさと適当に片付けて「魁!男塾」撮ってくれよ。あなたなら最高の「男塾」とれるよ。剣桃太郎は・・・まあ客寄せの意味もこめてまた小栗旬で・・・

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2 コメント

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えっ????? (かま)
2008-01-12 08:55:17
あぁーこの映画、小栗が出番の少ない山田に食われまくりって評判だよね。

小栗自身がインタビューで、試写を見ての初めての感想で、、
「危なかった~。出番同じぐらいだったら完全に孝之に食われてたよ~。オレの方が出番多くてよかった~」
って言ってたしね。

あなた小栗贔屓の少数派よ。
コメントどうもです (しん)
2008-01-13 01:08:33
>かまさま
ま、そういうのリップサービスって言うんじゃないかとも思うし、
だいたい山田くん全然強そうに見えないし、
・・・なんて言うから少数派と言われるのかな?
別に多数派に迎合する気もないけど

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