ゴルフルール・ゴルフ規則 (ストロークプレー個人競技用メモ帳)

ストロークプレー個人競技の事例について,「ゴルフ規則・ゴルフ規則裁定集」から該当箇所を素早く発見するためのメモ帳

修理地,及びプレー禁止の修理地

2016年10月18日 | ゴルフ規則

修理地,及びプレー禁止の修理地

 

平成28年10月18日

1 ゴルフ規則は,修理地について次のとおり定義しています(定義24)。

  修理地〈Ground Under Repair〉とは,コース内の次の場所をいう。

  ・ 委員会の指示により修理地の標示がしてある場所

  ・ 委員会から権限を与えられている人によって修理地と宣言された場所

  ・ 他に移す目的で積み上げあるもの

  ・ グリーンキーパーが作った穴

 

  注:委員会はローカルルールを作って,次の場所からのプレーを禁止することが出来る。

  ・ 修理地

  ・ 修理地として表示されている準環境保護区域

 

2 修理地に関する前記定義を熟読して,修理地というのは,委員会の指示により修理地の標示がしてありさえすれば,その区域はゴルフ規則に言うところの「修理地」なのだと解釈する人がいるでしょうか。

  端的に言えば,委員会は,およそコースの修理などとは関係なく,ある区域を修理地と標示することが出来るかということです。

  私は,英語版がGround Under Repairとしていること,それを「修理地」と翻訳していることから,委員会といえども,コースの修理とは全く関係のない区域について修理地と標示することはできないと解釈します。

  すなわち,委員会の指示や権限のある人によって修理地と宣言された場所だけでは,修理地としてカバーし切れないこともあるので,他に移す目的で積み上げあるものとグリーンキーパーが作った穴については,修理地と擬制しているものと思います。

  裁定集25/7から同25/18までの修理地:定義を参照しても,コースの修理とは全く関係のない区域について,修理地と指示できるという裁定を見出すことはできません。 

3 ゴルフ規則定義24は,注:として,委員会はローカルルールを作って,次の場所からのプレーを禁止することが出来るとしています。

    ・ 修理地

    ・ 修理地として表示されている準環境保護区域

  すなわち,ゴルフ規則がプレーをしてはいけないと規定している場合(例えば,目的外のパッティンググリーン)は当然ですが,ゴルフ規則は,委員会といえども修理中でもないのに,指示をしてコース内に修理地の標示をすることは出来ないことになっているというほかありません。

  なぜゴルフ規則は,修理地についてその指示を厳格に制限しているのでしょうか。

  ⑴ 一つには,コースとアウトオブバウンズについて,委員会は自由に定められることになっているからだと思います。(規則33-2a.

   重要なことは、ゴルフは他のスポーツ競技と異なり,自然の競技場で実施されるもので,遠くからコースと自然の景色を観察し,プレーを決断するもので,この先の何処に修理地があるかなど,プレーをする時点では分からない場合がほとんどです。

  ⑶ 従って,委員会が何らかの都合で勝手に,修理とは関係のない区域を修理地と標示することは,プレーヤーの判断を誤らせ不測の事態を生じさせることになるので厳格に制限しているものと思います。

 

4 それでも単なる修理地であれば,プレーヤーは救済を受けないでそのままプレーすることが出来ます。しかし,ゴルフ規則定義24の注:にあるとおり,修理地と指示されると,

   「プレーヤーの球がその区域内にある場合や,その区域がプレーヤーのスタンスや意図するスイング区域の障害となる場合には,プレーヤーは規則25-1による救済を受けなければならない。」

 と委員会は,ローカルルールを作ることが出来ます。しかし,プレーを禁止する修理地についても,ゴルフ規則は委員会が勝手に決められるものとはしていません。

  ⑴ 「ゴルフ規則 附属規則Ⅰ,ローカルルール;競技の条件 () ローカルルール 2. コース保護 a.修理地;プレー禁止の場合」を参照してください。

  ⑵ 委員会がコース内のある区域(芝の苗床,若い樹木,育成中のコースの一部を含む)の保護をしたいときは,その区域を修理地に指定し,その区域内でのプレーを禁止するべきである。その場合,次のようなローカルルールの採用を勧めるとしています。

    つまり,芝の苗床,若い樹木,育成中のコースの一部という厳格な要件を必要としているのです。 

 

  : ゴルフ規則2015年版までは,コースの保護を要する区域として「特定の区域(芝の育成地や若木の植樹地,その他コース内の栽培用地を含む)とし,委員会がコース内のある区域を保護したいときは,その区域を修理地に指定し,その区域内でのプレーを禁止するべきである。」

     としていました。つまりプレーを禁止とすることができる区域の例示が微妙に改訂されています。例示に(芝の苗床,若い樹木,育成中のコースの一部を含む)としたということは,余りにも修理地の指示が安易になされているので,より限定する意図でなされたものと思います。  

  ⑶ さらに,関係当局(政府機関など)が,環境保護の見地から,コース内やコースに隣接している特定の区域に立ち入ったり,そこでプレーすることを禁止している場合,委員会はローカルルールを作って救済処置を明らかにしておくべきであるとしています。

    そして,委員会がある区域を準環境保護区域(ESA)であると宣言することはできないとし,関係当局(政府機関など)以外の判断を許していないのです。

   さらに,ゴルフ規則33-8.ローカルルール b.規則の無視や修正において,

    「地域的な異常な状態があって,ゴルフ規則の修正ともなるようなローカルルールを作ることを必要とするほどに,ゴルフゲーム本来のプレーに支障をきたしているとして,委員会はその制定につきR&Aの承認を受けなければならない。」

   とまで言い切っているのです。 

 

5 以上検討してきたとおり,ゴルフ規則は委員会といえども,修理とは全く関係のない区域について修理地と標示したり,ましてやプレー禁止の修理地とすることはできないと解釈します。 

  しかし,ゴルフ規則付属規則Ⅰローカルルール2.のコース保護(c.準環境保護区域157頁)に,「準環境保護区域は,環境保護の見地より,そこへの立ち入りやそこでのプレーが禁止される。そのような場所は,委員会の裁量で,修理地・・・・・・・として標示することが出来る。」としているのです。環境保護の目的と修理地保護の目的は明らかに違います。このように「修理地・Ground Under Repair」という本来の用語の意味を全く無視して規則に使用するのは如何なものでしょうか。  

  そこで問題となるのが,一つには。,予備グリーンを修理地とすることで,これについては「予備グリーンについて⑴,及び⑵」と題して検討しました。

  もう一つ,電磁誘導式のゴルフカートの為に敷設された2本のコンクリート製レールについて問題があるのです。コンクリート製レールは,動かせない障害物で問題ありません。しかし,2本のコンクリート製レールの間に電磁誘導のためのケーブルがごく浅い地中に敷設されているそうです。従って,多くのゴルフ場は2本のコンクリート製レールの間と相当な範囲について,プレー禁止の修理地としているのです。 

  電磁誘導式のゴルフカートは,外国には余り例がないと聞いております。当然,電磁誘導式のゴルフカートを導入する前に,検討されていなければならなかったことです。プレー禁止の修理地について,JGAが安易な態度を執っていた為こんなことになってしまったのではないでしょうか。

  JGAは,電磁誘導式のゴルフカートの普及が致し方ないとするなら,各ゴルフ場の委員会まかせにしないで,どうしたら良いか検討すべきと思います。

 

6 修理地とは関係のない,準環境保護区域とか,コース内にある送電用鉄塔(4か所の基礎の真ん中では障害物による障害はない),コース上の設備を保護するためのプレー禁止区域という概念が必要となっていると言わざるを得ません。

 

以上

   

『ゴルフ』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 予備グリーンに関するJGA... | トップ | ストロークプレー個人競技用... »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL