ひよりの音楽自己満足

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古川初穂ピアノトリオ おくにうた

2010-06-17 22:04:29 | フュージョン
 80年代にはテクニカルフュージョンバンド<羅麗若>で、そして現在は多くのセッションやサポート、そして実弟の望さんとのバンド<古川兄弟>でも活躍されているピアニスト<古川初穂さん>。古川は、2005年に<T-SQUARE>のリズム隊のベーシスト<須藤満さん>と、ドラマー<則竹裕之さん>と<古川初穂ピアノトリオ>を結成。不定期ながらもライブ活動が精力的に行われ、2007年7月には1stアルバム「Yo・Ka・N・」が発表されました。
 <古川初穂ピアノトリオ>は、全国ツアーで各地でライブをやる際に、必ずご当地にゆかりのある曲を1曲演奏されるそうです。2005年の秋に富山県高岡市でライブを行ったときに、高岡にちなんだ曲をリクエストされて、当地に縁のある漫画家の藤子不二雄さんの「ドラえもん」の歌をJAZZアレンジで演奏され好評を得たのがはじまりなんだそうで。その曲は1stアルバムに収録されています。そして2010年4月にはそのご当地ソングを集めたこのアルバム「おくにうた」が2ndアルバムとして発表されました。
 アルバム1曲目は「雨の御堂筋」。力強いピアノのリフからゆったりとはじまるも、一転軽快なハイテンポのリズム&ベースがはいって、リズミカルで明るく爽やかなピアノのメロディが軽快にながれて。まずはテクニカルかつパワフルなピアノソロがたっぷりと。すごい迫力を感じます。続いてはエネルギッシュなドラムソロが。
 2曲目は「会津磐梯山」。ピアノゆったりとたおやかな音色がなだらかにながれて、そしてミドルテンポのリズムがはいってピアノが歌メロをジャジーにおしゃれに奏でて。アダルティな雰囲気がただよっていますね。まずはエモーショナルなピアノソロ。バックではベースがうねってます。
 3曲目は「水戸黄門のテーマ」。ミドルテンポでしっとりと落ち着いた感じではじまり、歌メロをピアノが断片的にジャジーに奏でて。中盤にはテクニカルかつソフトで軽やかなピアノソロが。続いてエモーショナルな味わい深いベースソロ。その後ピアノソロとドラムソロの掛け合いが。終盤ではテーマメロに戻って大人の雰囲気たっぷりに聴かせてくれます。
 4曲目は「東京ラプソディー」。ピアノのしっとりとしたリフからゆったりとはじまって、そしてテンポアップして明るく楽しくリズミカルで爽やかな展開に。再びしっとりとした感じになるも徐々に盛り上がっていき、アグレッシブなピアノソロへ。中盤にはリズミカルで軽快なピアノソロが。その後また静かになって味わい深いベースソロが心地よく響いて。終盤では再びアップテンポの楽しい雰囲気になり、ダイナミックにパワフルにFin。
 5曲めは「京都慕情」。ベンチャーズ作曲で渚ゆうこさんが歌われた曲。ブルージーなピアノリフからゆったりとはじまって、哀愁ただようメロディがしっとりと抒情的にながれて。中盤からは徐々に力強い音色になって盛り上がっていき、そして徐々に静かにしっとりとなってFin。とってもドラマティックな曲ですね。
 6曲目は「よこはま・たそがれ」。五木ひろしさんの大ヒット曲。ドラムからはじまってゆったりとしっとりと落ち着いたアダルティな雰囲気がただよって。そしてミドルテンポの力強いサウンドで歌メロっぽいピアノのメロディが断片的にながれて。中盤まずはエモーショナルなピアノソロが。それが徐々にパワフルにエネルギッシュに。ドラムも叩きまくりで。終盤再びしっとりと静かになるも徐々にパワフルに盛り上がって、アグレッシブなピアノソロが。
 7曲目は「北の国から~遥かなる大地より~」。北海道富良野が舞台となった超有名TVドラマのテーマ。ダークでパワフルなピアノリフからはじまって、アップテンポのリズムがはいって、そしてベースがまずはAメロを、続いてピアノがリズミカルにBメロを奏でて。元曲がしっとりとした曲調だけにその反対でくるとは思いませんでしたね。これは凄いっす。中盤にはリズミカルなベースソロもあり、終盤にはピアノとベースのリフバトルも。このアレンジはほんと面白いっす。
 8曲目は「贈る言葉」。金八先生で大ヒットした博多出身の武田鉄矢さん率いる海援隊の超有名卒業式ソング。パワフルなドラムからゆったりとはじまって、ピアノのたおやかな歌メロがしっとりとながれて。そしてエモーショナルなピアノソロがたっぷりと。中盤には静かになって奥深いメロウなベースソロが。それが徐々に盛り上がっていって。終盤再びピアノの歌メロがながれ、そしてピアノソロへ。
 9曲目はアルバム唯一の初穂さんのオリジナル曲「Little Flower」。この曲は北海道にツアーに行った際に、雪に埋もれて咲いていた白い小さな花を見つけて、そこから曲が浮かんだそうで。ピアノのしっとりとした美しい音色からゆったりとはじまって、そしてミドルテンポのリズムがはいって軽やかな明るい曲調に。中盤にむかって盛り上がっていき、そして力強くエモーショナルなベースソロへ。その後テンポアップしてピアノソロとテクニカルなドラムソロの掛け合いも。ラストはゆったりとたおやかにFin。エンディングにふさわしい、優しく心温まるドラマティックな曲ですね。
 元曲がわからないくらいにアレンジされた曲もあれば、オルジナルの歌メロに近い感じでアレンジされた曲もあり、聴き応えがあってかなり楽しめますね。初穂さんの繊細で美しく、しかも力強いピアノも、須藤さんの味わい深いベースも、則竹さんのテクニカルなドラムもほんと素敵です。
 ご当地ソングといってもその地方の民謡とかだけでなく、出身歌手やその土地で有名になった曲という選曲がこれまたいいですねぇ。ちなみに同じ曲は同じ場所で二度と演奏せず、同じ場所にいっても必ず違うご当地ソングを演奏されるそうで。最初はいいですけど、年を追うごとにネタさがしが大変になってくるかも?
 自分は2010年2月にプログレユニットながら初めて初穂さんの出演するライブを観ることができました。その繊細かつパワフルでテクニカルな演奏に見とれてしまって。いつか機会があれば<古川初穂ピアノトリオ>のライブも観に行きたいっす。

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