ひよりの音楽自己満足

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Electric Asturias FRACTALS

2011-09-30 00:05:16 | 新月・Asturias系
“日本のMike Oldfield“と称えられる、マルチミュージシャンで作曲家の<大山曜さん>。大山さんは1987年に新月の花山さん・津田さんらとともに多重録音を駆使した自身のプログレユニット<Asturias>を立ち上げます。その目の前に美しい自然の光景がひろがる透明感のある清清しくて瑞々しくてとっても綺麗なサウンドの素晴らしい作品群は国内のみならず海外からも高い評価を得たのですが、スタジオアルバム3枚を発表し、93年に活動休止してしまいます。その後、スタジオ・ミュージシャンや作曲・編曲家としてゲームミュージック等のお仕事もされていた大山さんですが、2003年についに復活します。メンバーを一新してサウンドをアコースティック中心にしてバンド名も<Acoustic Asturias>として再始動です。2004年にミニアルバム、2006年にフルアルバムを発表し、ライブも行い、美しく清らかで繊細ながらも力強いサウンドでファンを魅了しています。
 そしてそのアコアスと同時進行で2004年頃から構想を練り、コツコツと多重録音を重ねて苦節4年、2008年に実に15年ぶりとなる<Asturias>名義のアルバム「樹霊/In Search of The Soul Trees」を発表されます。さらにそのアルバムのレコーディングの頃から“ロックをやりたい”と構想を練っていたというエレクトリックのAsturiasが具現化しはじめます。2008年9月頃にHPにメンバーを募る記事が掲載され、そして集まったところでリハを重ねられて、ついにあらたなユニット<Electric Asturias>が誕生!メンバーは大山さんの他、Stella Lee Jones等で活躍中のヴァイオリン奏者<テイ・セナさん>、FLAT122等で活躍中のドラマー<田辺清高さん>、それら両バンド等で活躍されているギタリスト<平田聡さん>、そしてアコアスの盟友、キーボード奏者<川越好博さん>の5人編成です。
 そしてお披露目ライブが2009年12月5日に行われ、翌2010年4月にはなんとポルトガルで開催されたプログレフェスに出演。早くも世界デビューされました。となるとやはりアルバムが欲しくなってくるわけで。すると翌2011年にアコアスのニューアルバムとこのエレアスのデビューアルバムが発表されるとの情報が。これにはビックリ!そして2011年4月にアコアスの3rdアルバム「Legend of Gold Wind」が発表され、そしてこの年9月におまちかねのエレアスのデビューアルバム「FRACTALS」が発表され、全国発売前日にレコ発ライブが行われました。この日にライブ会場では1日早く発売されてもちろんGETです。
 自然の美しさ、神秘さをバックに、古代のようでいて近未来のようなピラミッド型の鋭角的な浮遊物体が描かれたジャケット。Asturiasの真髄やプログレの伝統を踏まえながらも新たなサウンドを追求していくようなイメージが感じ取れます。
 アルバム1曲目は「Double Helix」。オルガンとアコギのリズミカルなリフ、ギターのヘヴィなリフ、ヴァイオリンの力強いリフがパワフルなドラムの変拍子リズムでスリリングに展開し、躍動感たっぷりのダイナミックなリフからヴァイオリンの切なく美しいフレーズがながれ、そしてギターとテクニカルなユニゾンリフを。その後リフからヴァイオリンのゆったりと雄大なフレーズがながれ、キーボード・ギター・ヴァイオリンのスリリングなユニゾンが。そしてピアノのテクニカルなリフからギターのエモーショナルなソロ、ヴァイオリンの艶やかなソロが。中盤ではピアノのリズミカルなリフからギターのメロウなフレーズが。そしてミドルテンポでパワフルなドラムがはいってユニゾンの変拍子リフが。終盤ではヴァイオリンの伸びやかなフレーズがながれ、そしてユニゾンでテクニカルなリフを。そして元のダイナミックなテーマリフに戻って、ヴァイオリンがゆったりと優雅なフレーズを奏でて盛り上がって。難易度の高い曲のため、メンバー募集の際はこの曲が演奏できることが技術面の条件だったそうで。タイトルはDNAの二重螺旋構造のことだそうです。
2曲目は「闇からの声」。シンセのミステリアスな音色が幻想的にながれ、ヴァイオリンの伸びやかな音色が幽玄に静かにながれて。そしてベースのリズミカルなリフからパワフルなドラムがはいってミドルテンポでヘヴィサウンドのギターフレーズがながれて、ヴァイオリンもゆったりとメロディを奏でて。中盤ではリズミカルなキーボードリフからベースラインをバックにギターとヴァイオリンが雄大なメロディを奏で、ダイナミックに盛り上がります。終盤ではパワフルなドラムをバックにヘヴィサウンドのギターの情感たっぷりのエモーショナルかつテクニカルなソロ、そしてヴァイオリンの艶やかなソロが。ラストはゆったりと静かにFin。
 3曲目は「Castle in the Mist」。この曲は霧に浮かぶヨーロッパの古城をイメージされたそうです。ピアノリフからはじまって、ヴァイオリンのリズミカルで躍動感のあるリフが。そしてパワフルなドラムがはいってヴァイオリンののびやかなフレーズが雄大に響いて。そして今度はピアノリフをバックにギターの力強いリフがながれ、ヴァイオリンとユニゾンも。その後一旦止まった後、ピアノのリズミカルなリフ、ヴァイオリンのリズミカルなリフが。バックではドラムが叩きまくって。中盤ではピアノの美しく優雅で綺麗なソロへ。ベースがよりそってしっとりとハモって。その後ヴァイオリンのしっとりとドラマティックな美しいソロが。そしてミドルテンポのパワフルなドラムがはいってギターソロへ。序盤は哀愁ただようフレーズを奏で、そしてアグレッシブに。終盤はピアノのリズミカルなリフからはじまってヴァイオリンの躍動感たっぷりのリフ、ギターの躍動感あふれるリフがはいって盛り上がり、ユニゾンやハモりを力強く聴かせて。ラストはピアノの綺麗なリフレインがゆったりとながれ、ギターとベースがユニゾンでリフを。そして静かにFin。
 4曲目は「Moondawn」。パワフルなドラムからはじまってミドルテンポの力強いヴァイオリンリフが。そしてギターの太く伸びやかなフレーズが雄大にながれて、続いてキーボードの力強いリフも。その後、ヴァイオリンの力強くエモーショナルなソロが。バックではベースがうねってます。続いてギターのテクニカルなソロ、そしてヴァイオリンのアグレッシブなソロが。終盤はキーボードとヴァイオリンのユニゾンリフからダイナミックなリフへ。スケールの大きな曲ですね。目の前に晴れやかな景色が広がるかのようです。ラストは叩きまくりドラム&パワフルなリフでFin。元々はPCゲーム「シャマナシャマナ」のBGMとして作曲されたそうで。
 5曲目は「謦無き涙~Cyber Transmission」。シンセのゆったりとした幻想的なサウンドから静かにはじまって、そこにギターの抒情的なメロディがしっとりとながれて。そしてシンセの幻想的なサウンドが響いたあと、しっとりしたピアノリフをバックにヴァイオリンが切なくも美しいメロディを奏でて。胸がキュンとしちゃいますね。それがドラムがはいってドラマティックに盛り上がって。そして一転ミドルテンポのダンサブルなリズムがはいって、ピアノのおしゃれでリズミカルなソロへ。その後ギターとヴァイオリンのユニゾンやハモりのフレーズがながれて、ヴァイオリンの力強いフレーズが響いて。終盤ではピアノリフをバックにヴァイオリンのゆったりとした艶やかで美しい音色が響き、パワフルなドラムがはいって盛り上がり、そしてダンサブルなリズムがはいるもしっとりとFin。“謦無き涙”は元々PCゲーム「塵骸魔京」のBGMとして作曲され、“Cyber Transmission”はAsturiasの3rdアルバム収録曲で、この2曲をメドレーにしてバンドアレンジされたそうで。
 6曲目は「組曲フェイト(運命)」から「嘆きのフーガ」。パイプオルガンの重厚なサウンドが荘厳に響き、ギターとヴァイオリンがゆったりと伸びやかに切なくも美しくハモって。そしてパイプオルガンのリズミカルなリフをバックにギターが力強くもメロウなフレーズを、ヴァイオリンが伸びやかな音色を響かせ、ギターとキーボードがテクニカルなユニゾンを。その後オルガン・ギター・ヴァイオリンがゆったりとクラシカルなフレーズを三重奏で。
 続いて7曲目となる「アーガス最後の戦い」。アップテンポのパワフルなドラムから明るく楽しくダンサブルに。ヴァイオリン・キーボードのリフとギターのカッティングリフが軽快にながれ、ヴァイオリンのパワフルでリズミカルなリフがながれて。その後キーボードとヴァイオリンのユニゾンリフからダイナミックなリフがはいって、そしてJAZZ風のSWINGリズムになって。バックのベースもいいですねぇ。中盤ではモーグのテクニカルなソロ、そしてヴァイオリンのテクニカルなソロ、ギターのテクニカルなソロ、ドラムのパワフルな叩きまくりソロ、モーグのアグレッシブなソロと白熱のソロバトルが続き、さらにベースのパワフルなリフをバックにヴァイオリンのエモーショナルなソロ、そしてギターのアグレッシブなソロが。ちょっと落ち着いた後、パワフルな躍動感たっぷりのドラムでダイナミックに盛り上がります。終盤ではリズミカルでダンサブルなリフから、ヴァイオリンの伸びやかなフレーズがながれ、徐々に静かになってゆったりとFin。
 続いて8曲目となる「The Lancer」。ピアノのゆったりと力強く美しいソロからはじまります。そしてアップテンポの軽快なリズムがはいって、ピアノリフをバックにヴァイオリンの伸びやかなフレーズがながれて。そしてパワフルになってギターのヘヴィなリフ、ヴァイオリンの艶やかなフレーズがドラマティックにながれて盛り上がって。中盤ではピアノのリズミカルなリフとヴァイオリンの伸びやかなフレーズからギターのアグレッシブなソロが。終盤ドラマティックにパワフルに盛り上がったあと、リズムが止まってそしてピアノとヴァイオリンの美しいリフがゆったりとながれてFin。
 アコアスからは自然の美しさや繊細さが伝わってくるとすれば、こちらのエレアスは自然の美しさに加えて力強さや雄大さがより一層増幅されて伝わってくるような。超テク演奏でありながら美しいアンサンブルを構築され、聴いているとアルバムの世界に引き込まれてしまうような、探究心も湧いてくる気がします。最初のお披露目ライブで聴いたときにも「おぉ、すげえ~!」って思いましたけど、その後のライブでも、あらためてアルバムを聴いてもさらに新たな魅力を感じているくらいの聴き所満載の素晴らしいアルバムですね。

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