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日本の匠

2005年12月17日 11時17分42秒 | 総合
時速300kmを支える技術

ヤギシタ電機(市内寿町)の抵抗器が台湾新幹線に採用

 台湾で11月6日、日本の新幹線システムが初めて採用された台湾高速鉄道、いわゆる台湾新幹線が、乗客を乗せた速度実験で最高速度300キロを達成した。揺れも騒音もない安定した高速走行。実はこの高速走行の基礎となる部品の一分は、小田原のある電機会社が支えている。

 市内寿町の「ヤギシタ電機」は1950年(昭和25年)、柳下博氏が創業した電気・電子機器製造会社。現在は、6代目の野崎邦夫氏が代表を務め、主に産業用抵抗器や地震感知器などを製造している。

 抵抗器とは電気回路を構成する部品の一つ。回路に電気抵抗を与えて、電流を制限したり電圧を降下させたりする部品。もともと電気は、そのままでは勝手な量の電流が流れてしまうため、電気を使用する際には、その目的に合うように流れる電流をコントロールする必要がある。その役目をしているのが抵抗器である。

 電車の多くは、外部の架線から電気が供給され、集電装置であるパンタグラフを使い走行用の電力を得ている。車両内へ流れてくる2万5千ボルトもの高電圧の電気は、主制御装置にて電車の動力となるモーターの駆動用電力に、補助用電源装置にて車両内の空調、照明ほか各種機器用の電気にそれぞれ変えられる。これらの電力変換装置を安定して正常に動作させるために、変換装置に流れる電流を高性能の抵抗器がコントロールしている。

 機器など細かい部品にいたるまで必要な電力量となるよう放熱し、各部品へ適切な量を送り届けている。

世界の鉄道を支えるヤギシタの技術

 ヤギシタ電機は創業当初、テレビやラジオなど家電品(民生用)と発・変電機器や電車といった工業製品(産業用)の両方の抵抗器の製造を手がけていた。時代は高度経済成長真っ盛り。大量生産・大量消費の時代を迎え、会社も順調そのものだった。しかし、野崎社長は社長就任を機に、大きな決断をする。家電から手を引くのだ。「民生用の部品は、自分たちがやらずとも誰かがやる。それよりも自分たちにしか出来ないことをやるために技術を開花させたほうが良い」とし、産業用製品、特に電車の抵抗器部品へと特化していく。そんな「ヤギシタ」ブランドを不動のものとしたのが、現代の“弾丸列車”「新幹線」である。時速300kmを誇る東海道新幹線の安定走行を可能にした「ヤギシタ」の抵抗器。その信頼性、耐久性は評判となり、鉄道車両などの大型のものから医療機器など精密機器まで幅広く使われることになる。

北京オリンピックに向け中国高速鉄道にも採用

 時代の流れから鉄道はスピードアップのために車両の軽量化が求められており、それに伴い部品は、より軽く、より小さくが要求され、車両設計の段階から関わる比重が大きくなっている。「こんなものが作れないか?」という注文に応えているのが抵抗器部の山崎たかゆき(漢字では たか=〈山〉に〈青〉、ゆき=行)部長。山崎部長は厳しい条件でも耐え、しかも安定した機能を発揮できる抵抗器を日夜研究し続けている。独創的なアイデアでなおかつ信頼性、耐久性の高いものを提供、各メーカーからの信頼を勝ち得ている。

 こんな話がある。韓国では「ヤギシタ」の抵抗器が3か月もするとコピー(複製品)が出回っているという報告があった。しかし野崎社長はあえて黙認する。するとコピーの抵抗器を使用していた韓国の鉄道が止まってしまう事故が相次いだ。複製品は、かえって「ヤギシタ」の独自性と信頼性を証明してくれたのだ。「コピーはコピー。似て非なるものだから」。野崎社長の静かな笑みは、確固たる自信を物語っていた。

 現在「ヤギシタ」の抵抗器は国内の鉄道車両はもちろん、前記の台湾新幹線や中国の高速鉄道(中国新幹線)、アメリカ・ニューヨーク州交通局の新通勤電車にも使用、イギリス・ロンドンの近郊鉄道車両更新の際にも導入が予定されている。

 「つらいことなんかないよ。目標に向かって進むのは苦しみではなく楽しみ」野崎社長はそう言って豪快に笑う。技術には頂点なんてない。そう語る野崎社長の座右の銘といえるのが「耕不尽(耕せども尽きず)」。技術競争の世界において立ち止まることは、何においても許されない。そんな野崎社長の思いは、部屋に飾られた「人人自覚」「人人責任」「昨日反省」「今日努力」「明日発展」(一人ひとり自覚と責任をもち、過去を反省し、今を努力すれば、未来の発展が得られる)の文字に表されている。

 「ヤギシタ電機」では現在、中国高速鉄道車両の主制御装置用の抵抗器生産に力が注がれている。計画の段階で既に6割の車両にヤギシタの抵抗器が使われることになっている。受注の5分の1は既に出荷済み。2008年の北京オリンピック開幕に向け、急ピッチで作業が進められている。


「日本人が、ひとたび文明世界の技能を有したなら、アメリカの恐るべき競争相手になるであろう」東インド艦隊司令長官マシュー・ペリー提督

海外では、よく日本人は「手先が器用で真似事が上手い」などと揶揄される事がありますが、実際、それは否定する事の出来ない事実だと思う。
そもそも「学ぶ」と言う言葉の語源が「真似る」からきており、日本では何かを学ぶ際は、「良き師匠に習え」と言われ、師は「技を盗め」と言う。
そうして弟子は、師匠の真似事から始める。

古来から日本は、古代は中国を近代は欧米を師事し、積極的に様々な物を学んだ。
だが、日本は常に輸入した技術に対して+αを加えて高い技術力を誇ってきた。

「青藍の誉れ」、もとは中国のことわざだが、このことわざが示す通り、日本において師を超えると言う事は最上級の栄誉の一つとされてきた。
「真似」だけでは師匠と並ぶ事は出来ても、超える事は決して出来ない。
故に、日本人は「真似」と言う土台の上に何か独自の物を築こうと言う意識があり、それが技術の向上に繋がった。

脈々と受継がれる日本の心と言うか、こう言う記事を読むと、グッと来るものがありますねぇ。
そこにグッと来るあたり、自分も「日本人なんだなぁ~」と思うのですが、「じゃあ、お前には芸があるのか?」と問われると苦笑いしか浮かびません。
ハハハ(乾

そう言えば余談ですが、日本の匠を紹介する「プロジェクトX~挑戦者たち~」が、28日に最終回を迎えますね。
とても好きな番組だったので残念です。
NHKのアンケートによると、「親が子供に見せたい番組の1位、そして13歳から19歳までの子供が一番見たい番組」だそうです。
これも日本人の中にある職人に対する憧れの現れなのでしょうね。
ただこの番組、「日本の匠」を強調し過ぎで、プロジェクトの中に居た外国人や外国との協調が余りに軽視されていたのが少し不満でした。

プロジェクトXの後継番組、「プロフェッショナル 仕事の流儀」が気になる人はクリック

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