過労死防止基本法制定を求める署名にご協力ください!

大切な人を働きすぎから守るための法律をつくるために署名を呼び掛けています。

現在審議中の、過労死を出した企業名公表裁判を紹介します。

2012-03-25 15:57:18 | 活動紹介
 過労死を出した企業が、その事態について反省し労働環境改善のための措置をとるのは当然です。そのような企業を社会全体で監視し改善を促すためにも、過労死を出した企業名が公表されなくてはいけません。

 過労死がどういった企業で発生しているのかを明らかにするために、過労死を考える家族の会代表の寺西さんは2009年に、大阪労働局にたいして過労死として労働認定をうけた従業員がいる企業名の公開を求めました。しかし、情報公開法に則り開示請求を行うと、労働局はほぼ全てが黒塗りの文書を公開しました。

 この不当な判断に対して、寺西さんは大阪過労死問題連絡会と共に、労働局のこの判断は違法だとして提訴しました。

 裁判で国(労働局)側は、不開示の理由として以下の3点を挙げていました。

1 個人名が特定されるおそれがある

2 企業の正当な利益を害する恐れがある

3 公表されると企業側が労災申請の際の実態把握などに非協力的になり、労働行政の労災業務に支障をきたすおそれがある

 しかし、開示を求めているのは企業名だけですので、個人名が特定されるおそれはありません。また、安全配慮義務を怠り労働者を死に追い込んだ企業は、社会的に非難されるべきです。人間の命を奪っておきながら、なんら反省することもなくいつも通りの企業活動を続けることを「企業の正当な利益」とは言えないでしょう。そして、労災業務についてですが、そもそも労働基準監督署は労働環境を調査する権限を有しており、強制的に実施することが可能ですので、不開示の理由にはなりません。

 このような反論をして、原告は開示を求めました。

 大阪地裁での判決は昨年11月10日にありました。結果は、原告の全面勝訴でした。裁判長は、「企業名だけで、過労死した労働者を特定することはできない」として、個人情報には当たらないと判断し、また、国側の「企業名が明らかになれば取引先から不利な扱いを受け、人材確保の面でも影響が出る」という主張に対しては、「企業評価に直結する情報とはいえず、抽象的なリスクに過ぎない」と退けました。

 司法が、過労死を出した企業名を公開すべきと判断したのに対し、国側はそれを不服として控訴しました。現在は、大阪高裁で審議中です。

 しかも国側はこの間、過労死を出した企業名が公表されたら不利益を被るか、というアンケート調査を関西圏の企業に対して行っていました。

 このアンケート調査は、企業の利益を害するおそれがあるという主張をより具体的に説明したいという思惑で実施されたのでしょう。しかし、いくらこの調査で「不利益をこうむる」と企業が答えたところで、それは「抽象的なリスクに過ぎない」ですし、企業名を公開しない理由にはなりません。

 過労死事件では、被災者側がたとえ裁判で勝訴しても、それは個別の問題として取り扱われ企業にとっては労働環境を改善するインセンティブに乏しいのが現状です。そして、同じ企業で過労死が複数回発生するという事態にもなっています。過労死を出した企業の社会的責任を追及するためにも、企業名が公表される必要があります。現に、障害者雇用率を満たしていない企業名は公表されていますし、36協定も情報公開請求をすれば見ることができるようになっています。また、今後も過労死を出さないように企業にプレッシャーをかける意味でも重要です。過労死を個別の問題としてではなく、社会的に問題視していくためにも、企業名が公開されることが求められます。

(参考ページ)
http://www.mynewsjapan.com/reports/1042
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111110/trl11111021570008-n1.htm




***「過労死防止基本法」制定実行委員会が求めていること***********************

  「過労死」が国際語「karoshi]となってから20年以上が過ぎました。
  しかし、過労死はなくなるどころか、過労死・過労自殺(自死)寸前となりながらも
  働き続けざるを得ない人々が大勢います。

  厳しい企業間競争と世界的な不景気の中、「過労死・過労自殺」をなくすためには、
  個人や家族、個別企業の努力では限界があります。
  そこで、私たちは、下記のような内容の過労死をなくすための法律(過労死防止基本法)の
  制定を求める運動に取り組むことにしました。

  1 過労死はあってはならないことを、国が宣言すること
  2 過労死をなくすための、国・自治体・事業主の責務を明確にすること
  3 国は、過労死に関する調査・研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと

署名へのご協力のお願い
私たちは「過労死防止基本法」の法制化を目指して、「100万人署名」に取り組んでいます。
署名用紙≫(ココをクリックお願いします)をダウンロードしていただき、必要事項をご記入いただいた上で、東京事務所もしくは大阪事務所まで郵送をお願いしたいと思います。

まずは過労死のことや過労死防止基本法を多くの人に知っていただきたいので、ツイッターでつぶやくなどして広めてもらえると助かります。記事の一番下についているボタンからも気軽にツイートできますので、ぜひともご協力お願い致します!
 

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1 コメント

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過労死企業は公表すべし (小俣三郎)
2012-05-14 16:34:34
過労死させた企業をかばおうとする国の神経を疑います。
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