雨をかわす踊り

雨をかわして踊るなんて無理。でも言葉でなら描けます。矛盾や衝突を解消するイメージ・・・そんな「発見」がテーマです。

明日

2006-10-04 17:51:11 | 雑談(ジョーク)
10月5日は特別な日。

10数年前の明日に、交通事故に遭ってその後一年半入院した。

そのときまで陸上競技をやるために生まれたと思っていた。

Bruce Springsteen に、BORN TO RUN というアルバムがあったが、

あれは僕のためのフレーズだった。

だからあの足をもがれた日、僕は死んだと思った。

が、

今考えると自分を誤魔化していたような気がする。

僕の速さは、所詮高校レベルだった。

大学に入って自分の力を思い知らされた。

百メートル10秒7では話にならない。

だから走れなくなっても、そんなに不幸とは思ってなかった。

むしろある種特殊な経験が自分に舞い降りたことに興奮した。

そして大学院に行った。

こいつが面白かった。

が、事故時の輸血で肝臓を傷めたことがわかった。

悪くしたら5年後には重篤な状態になって死ぬ。

走れないことを「死」と考えるより、はるかに本当の「死」は重かった。

死の恐怖は、電柱が僕の胃を貫通している感じに似ていた。

運命の日、医者は治った、といって「運がいい」といった。

交通事故に遭う確率が20%として
さらにそのなかで肝臓を傷つけるひとが10%として、
そしてそれが発覚するのが20%で、
更にそれが治るひとが20%だから、ということだった。

それを「運がいい」というのだろうかと思ったが、別にいわなかった。

わかってもらおうとは思わなかったからだ。

僕は自分の未来像がまた代わるのを感じた。

はじめは陸上選手から体育の教員。

次に文学者。

更に文学者になる勉強をしながら死ぬ自分。

そして取り敢えず生の終わりがみえない人並みの生活を考えなければいけなくなった。

生存競争をしながら結婚をし、子供を育てて、老いていくのか、と思った。。。

そういう全体図を見据えながら、といって不慮の事故に備えつつ一瞬一瞬を生きることになった。

今も生きている。。。

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