Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

名鉄揖斐線と代替バスのダイヤを比較してみる。

2005-03-16 07:11:39 | 鉄道(岐阜の路面電車と周辺情報)
先週末、岐阜を訪れた際「岐阜600V線区(路面電車)廃線後の代替バス路線について」なるパンフレットを手に入れた。
「岐阜600線区(路面電車)」と言っているが、大部分が名鉄揖斐線の代替バス路線に関する説明に割かれている。
既存路線の増発で対応する美濃町線代替バスは説明不要、ということか。

揖斐線代替バスの路線については、「これでも代替バス?」でも触れているが、大野バスセンター~岐阜北高校を結ぶ「大野北高線」、新岐阜~岐阜高専を結ぶ「岐阜高専線」、リバーサイドモール~新岐阜を結ぶ「政田忠節線」が新設路線となる。これに加えて既存のリバーサイドモール・大野バスセンター~新岐阜を結ぶ「大野真正北方線」の増発からなっている。

このうち、揖斐線と平行しており、ダイヤの比較が可能なのは、政田忠節線ぐらいだろうか。
ただし、途中のリバーサイドモールシンセイ以遠は大野真正北方線へ乗り継ぐことになる。
つまり、揖斐線を代替バスで辿ろうとした場合、二系統のバスを乗り継ぐ必要がある。
あとの路線は一部平行しているのみで、基本的に揖斐線の線路から外れた経路を通る。このため比較は難しい。

で、平日ダイヤで比較してみる。
最初に新岐阜始発の一番列車(バス)の時刻を比較してみる。
現行が6:08に対し、バスは7:00。約一時間も遅い。
代替バスが通学に的を絞ったダイヤであることが窺える。
では、新岐阜発の最終はどうかというと、現行22:41に対してバスは22:45。こちらは差がない。

次に所要時間はどうか。
現行の新岐阜~黒野間は急行44分、普通51分。
これがバスになると、政田忠節線でリバーサイドモールシンセイまで行き、ここで大野真正北方線に乗り換えて大野バスセンターまで行った場合は58分。ただし、リバーサイドモールシンセイでの乗継待ち時間は計算に入れていない。待ち時間は時刻表上では大体6分だから、このルートで大野バスセンターまで行った場合、所要時間は1時間を超えることは確実だ。
なお、揖斐線の線路に一部平行するルートの大野真正北方線で大野バスセンターを目指す場合は53分。
いずれのバス路線も電車時代より所要時間は延びている。加えてバスの場合は道路状況に運行が左右されることを考えると、これよりも更に延びる可能性がある。

次に運行頻度はどうか。
現行では一時間に4本は確保されている。これがバスになると、リバーサイドモールシンセイまではラッシュ時一時間4本、日中は3本に減少する。大野バスセンターへの便に至っては、ラッシュ時に一時間2本出る他は、一時間に一本。しかも、新岐阜発9時、11時、13時の便は大野バスセンターには行かない。
現行に比べると本数自体減っているところに持ってきて、間隙ができてしまっている。
これでは「待たずに乗れる」とはいかない。

最後に運賃はどうか。
現行では新岐阜駅前~黒野は片道510円。バスでも新岐阜~大野バスセンターは片道510円だから変化はない。ただ、定期料金については現行に比べて大幅に値上がりすることは確実視されている。
実際、乗り合わせた揖斐線の車内では「下宿させた方が安いかも」という会話を聞いている。

電車運行時と比較した運行頻度の低下、利用客の大部分を占める通学生を対象とした定期料金の値上げ、これらを考えると、揖斐線廃止後、代替バスに乗客が移行する可能性は低いのではないだろうか。
自家用車への移行に伴う乗客減少を見越して代替バスのダイヤが設定されたと見るのは考えすぎか。

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