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岐阜市は「路面電車」をどう議論してきたか?(その18)

2006-09-18 20:51:07 | 鉄道(岐阜の路面電車と周辺情報)
岐阜市内で軌道の撤去が始まった今、路面電車に関する行政の評価は変わらなかったことを実感する。
そんな中で行われる議会の議論が活発な筈はないが、もう暫く見ていくことにしたい。
今回は6月に開催された、平成18年第3回定例会の様子を整理してみる。
これまでと同じく「路面電車」で検索したが、見つかった質疑答弁は一つだけだった。

(質問)
これまで環境やまちづくりの観点から、次世代型路面電車LRT導入の必要性について再三述べてきた。
最近では我が国でもLRTへの理解が高まり、富山市のように新たにLRTが導入され運行を開始したところもあり、各地で導入に向けた動きがある。
このような状況を踏まえ、既にLRT推進に係る総合的施策を網羅したLRTプロジェクトが国レベルで推進されており、LRT整備に向けた環境が整いつつある。
さらに、国では、LRTを基幹とするまちづくりを推進するためのLRT法の制定に向け、関係省庁が検討を始めていると聞いている。
そこで、国が検討を進めているLRT法の中身と現在の進行状況、また、制定の見込み、時期についてお尋ねする。

(岐阜市答弁)
次世代型路面電車と言われているLRTは、環境負荷が少なく、まちづくりの観点からも都市の基幹交通として有効であるとして、既に国レベルでは、LRTの整備を総合的に推進するために、LRTプロジェクトが進められている。

さらに、事業推進を法的に裏づけるため、次世代型路面電車を基幹とするまちづくりの推進に関する法律として、いわゆるLRT法の検討がなされていると聞いている。このLRT法の試案ではLRTを基幹としてまちづくりを推進することによって、利用者の利便を促進し、あわせて温室効果ガスの排出を抑制し、活力ある都市活動やゆとりのある都市生活の実現に寄与し、地球温暖化対策の推進に資することを目的としている。

なお、この法律の内容としては、LRTを整備する場合に、当該市町村は、路面電車事業者、道路管理者、公安委員会等で次世代型路面電車協議会を設置することなどにより、これを推進することとなっており、あわせて都市計画においてこれを定めるということになっている。
現在のところ、この法律は試案が示された段階であり、この法律の制定時期については、今のところ明らかではないと聞いている。

(岐阜市答弁を受けた再質問)
今年5月29日に岐阜県の県都市計画協会、これに岐阜市長も出席されているので、御存じだと思う。
これは岐阜県の市の中で都市計画を持っているところが集まって、色々な提言や会議をされた席上で、関市長さんが、関市としては路面電車は必要と考えており再生すべきと発言している。
県の都市計画協会、いわゆる岐阜市も含めて、岐阜県内の都市計画にのっとった、そして、まちづくりをどうやってやっていくんだと、こういった大事な会議の中でもLRTについて発言されている。
当然これはもう知事も出ているから、岐阜県としてどうしていくかという大事な大事な会議で、この中で提言をされている。

先ほどの答弁の中で、国の中ではLRTを生かしたまちづくりをやっていくんだと、高齢化社会の進展や地球温暖化、こういった観点からいっても大変大事だと、そういったことでLRT法という法律ができる。
法律だから、当然ペナルティーもある。
守らなければペナルティーもあるので、簡単に法律ができたから何だということにはならないということも、我々は覚悟していかなければならないと思う。
 従って、この路面電車の再生についての取り組みについてお尋ねする。

(岐阜市再答弁)
路面電車の再生については、これまで市長が答弁しているように、民設民営方式が基本であり、その上で民間事業として確度の高い事業計画が策定されれば、その段階で岐阜としてどのような形で支援できるかについて、国、県及び沿線市町と一体となって検討していきたいと考えている。
路面電車の再生は現在、県を中心に関係市町が参加した意見交換の場があり、事業予定者から計画内容等の説明を受けている。
しかし、実現の可能性が確認できる状況にはなっていない。
本市では、この3月の、先ほど申し上げた総合交通政策、その中で中・長期的には軌道系など新しい交通システムの導入の可能性についても検討することとしており、その際には指摘があったような点も踏まえて検討していくことが必要であるというふうに考えている。

<平成18年第3回定例会のまとめ>
冒頭でも触れたように今回の路面電車絡みの質問は一つだけ。
こういった所からも路面電車に対する関心の低下を見ることができる。
もっとも、廃止から一年以上が経過し、再生運動の進捗も芳しくない状況では無理もない所か。

今回出されたのは国のLRT法の進行状況と路面電車再生への取り組み状況についての質問だが、前者はLRT法の現状を整理したものと捉えれば良いのだろう。
やはり岐阜市特有の焦点として路面電車再生の方がメインになるが、結論から言えば、従来の答弁の枠を超えたものではなかった。
また、「岐阜市総合交通政策」の中での軌道系交通システムの導入可能性について言及があったが、これも同政策の文章をそのままなぞっただけという印象だ。
確かに中・長期的な導入可能性について検討する旨の一文が記載されているが、その前提として「利用客が増えること」が必要になる。

確かに公共交通利用促進策は列挙されているが、それらで利用客の劇的な増加を見込むのは無理がある。
どうしても中長期的な見地から見ていかなければならないが、路面電車をスクラップした今、代替バスがその需要を吸収し、路面電車時代より乗客増を達成しているかという点を考えると、現状は厳しいと捉えざるを得ない。
つまるところ、現状下では現在進められている路面電車の再生運動と切り離して考えても路面電車の復活は極めて困難という考えを補強する結果にしかならなかった。

何しろ具体的な公共施設の配置を絡めた「まちづくり」とリンクした公共交通体系の検討など、岐阜市サイドからは出てこなかったし、自家用車から公共交通への転移は発生していないのだから。

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