猫と花のおじさん

猫五匹と暮らす日々の繰り言

行政と品質管理 年寄りの繰り言

2017-05-29 22:29:58 | 日記
 製造業に適用される品質管理は少なくとも製造に必要な文書(仕様設定の資料、安全性に関する規格とその評価結果、製品ごとの記録)についてはその商品の販売を終わらせてから、その製品の法定減価償却期間が終わるまでの保存が義務付けられています。これは国際的な標準でもあります。

 森本学園の問題については、土地のごみ処理費用の見積もりが妥当であれば、何も問題とすることはなかったように思います。しかし、8億ともいわれる見積もりが正しかったかどうかについてが最も肝要な事項であるにもかかわらず、見積もりの内容は不明です。(コストも重要な品質項目に含まれます。)

 9億の資産が1.5億にに評価が下がるとなれば、企業では大騒動になるのは間違いありません。小さな企業であれば倒産です。見積積算の根拠は開示されるべきと思います。

 岡山理科大学の獣医学部開設に関しても同様で、同学部の開設はしなかった場合とどのような差があるのかコストとベネフィットの観点からの比較がないように思います。また、京都産業大学の開設との比較も重要と思います。(工場計画も品質管理上重要です。)

 工業における品質管理とは、品質設定の過程の記録を残すこと、製品が設定された品質を満足できる材料と工程で製造されたことを示す記録、顧客がその製品を安全に使用するうえで必要な説明を行うことと顧客はその説明にいつでもアクセスできることなどを含みます。

 森本学園、加計学園いずれのケースも、その品質は政策実現の目的でリーダシップを発揮した結果であると説明しきれると大変良かったと思います。政治には選択と実行が必要であり、これは指導者のリーダシップに基づいて行われるものと思います。現実には、都合の悪いことを発言する人の人格について、周囲が疑問を持つように、意見が信頼されないようにすることにより、事態を収拾しようとしているように思います。

 これは製品が事故を起こした時に、顧客の使用方法に問題があったとするに似ています。最近ではユーザビリティも品質に含まれるようになっています。

 行政、あるいは政治についての品質管理が必要なように思います。品質管理はその重要性をそれぞれの部門における担当者が意識したとき効力を発揮します。何が目的でこの記録を作っているかの意識が担当者にあれば品質管理は効果を発揮します。

 森本学園についてはコスト管理、 加計学園についてはコストベネフィット(商品企画の品質)が問われていると思います。


 工業の世界でも、品質管理の重要性を経営者自らの課題として理解してもらうことと幹部社員からパートタイムの従業員に至るまで品質管理に積極的に参加して頂かないと品質管理に関するルールは効果がありません。政治の世界にも品質管理が必要なのではと思います。あえて言えばこれらに関する報道を行う、マスコミにも品質管理が重要と思います。


 


 

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