猫と花のおじさん

猫五匹と暮らす日々の繰り言

現場頼み限界 綻ぶ日本の製造業 問われる経営力 を読んで

2017-10-15 11:55:02 | 日記
この記事を読んで大変がっかりしました。現場をしっかり管理しないからこのようなことが起きるので、管理をしっかりやるべきと書いてあります。きっと、報告書の書式が回ってきて、報告書の承認を得るまでに形式を満足させる作業を増やせと言っているように理解しました。

 しかし、本質的な解決策は、自分よりすぐれた問題解決能力を持つ人間を任用できる部門長を任命し、部門長が任用した管理職がやはり、自分より優秀な問題解決力を部下を活用することでしかありません。ある意味扱いにくいダーティハリーがいない職場は問題が起きると問題を隠ぺいする方向に動きやすい体質となります。外部からのコントロールで職場の中でダーティハリーの存在を確実なものにする仕組みは作れません。本来、組織は上意下達で動くものです。ダーティハリーの存在は組織の円滑な運用を妨げます。しかし、問題が起きたときにはダーティハリーがいないと解決できないことが多いことは事実と思います。

 この事態を引き起こした遠因はダメ部門長を任用し、ダメ部門長がダメ管理職を任用し、ダメ管理職がダメ職長クラスを重用してきたところにあると思います。つまり、ダメ部門長を任用した結果、組織全体が腐った状況です。この解決には三段階の手順が必要です。

 1 とりあえずの対策 
    部門長の解任とすぐれた部門長の任用(責任を追及するのではなく原因を追究し
   対策を立てていかれる人材)、顧客対策チーム、問題チーム、人事考課者の交代
   (部長以上の工場運営スタッフレベル)教育制度、任用制度の見直しチームの発足、
   現場の処分よりも現場の対策への協力を全力で引き出すことが必要です。

 2 当面の対策
    部課長級人事の見直し、問題解決の過程のなかでの能力判定
    新しい教育制度、人事考課制度、任用制度の試験運用
    職員、職長、工員の再教育とくにIQCシステムの導入

 3 恒久的な対策
    問題解決力を発揮した人材を登用した工場組織の再建と品質管理システムの再構築
    教育制度、人事考課制度、人事任用制度の正規運用開始

 意見の背景 
  現場とは言うものの現場の管理職を任用しているのは最終的に管理部門の人事です。
 現場の管理職任用には人事考課制度など管理部門が定めた手続きで行ってきたはずで  
 す。つまり、困ったらうそをついたり隠したりする人を現場の管理職に置いたというこ
 とだと思います。困ったらうそをつく人の半分以上は一見まじめであるが問題解決能力
 に欠ける人間と、白を黒と言いくるめることに長けた人間でやはり問題解決能力に欠け
 た人間です。問題解決能力があるかどうかは問題が起きたときの行動でしかわからない
 ように思います。問題が起きたときに問題解決能力がある主任、係長クラスがること、
 これをうまく指導できる部課長級がいて、必要な投資ができる部門長がいれば、神戸製
 鋼所のような問題は起きません。神戸製鋼所の場合、現場の部門長ですら解決能力がな
 かったことになります。三菱自動車、日産自動車の場合と同じ原因、すなわち、現場の
 主任、係長、課長、部長クラスに無責任と無能力が蔓延した状況と思います。私の思う
 ところ、その部門の部門長の任用を誤るとこのような事態が起こります。ダメ部門長は
 ダメ部長を任用します。自分より優れた人は任用しません。出る杭は打たれる構造が蔓
 延するとその組織は腐ります。信頼して任せるに足る人物を重用しなかったのは経営と
 管理部門の責任です。

 ところで、英語だと管理部門はadministration(運営という意味ですが、点滴する、注射するという意味があります。)であったと思います。これを管理(control)としたところが大問題だと思います。組織の運営とは指揮命令することももちろん必要ですが、ボトムアップでその組織が目的を達成するための支援をする役割を持つことはもっと大事なことのように思います。同様に、課長(指揮命令をする人)とmanage うまくやること であり、manager はチームの運営をうまくやれる人と理解するのが正しいように思います。

 この記事に思わず、反応したのは上から目線で管理(コントロール)すればこのような問題が起きなかったと記者は書いたと思ったことによります。私の被害妄想かもしれません。

 

コメントを投稿