社会人大学院で学ぶ技術経営

社会人大学院で技術経営を学びながら日々の気づきを書きとめてみます.

ビジネスエスノグラフィーとフィールドマイニング

2006年02月05日 | 技術経営
shiba blogで,サービスサイエンスと関係して議論が盛り上がってる「ビジネス・エスノグラフィー」は,「(ビジネス)データマイニング」との対比で興味深い.

データマイニングは,「BI(ビジネスインテリジェンス)」のツールとして注目されているが,仮説もないままデータをいくら機械的にホジクリ返しても,イマイチの結果しか得られないことが多い.有名なセブンイレブンの場合は,オペレーション・フィールド・カウンセラー(OFC)が,日々の業務体験の中から自らの経験と直観で仮説を作り,それをデータで検証することで成功している.

一方,物理や化学のように仮説がデータで検証されることによって永遠の真理になるということでもない.仮説は,日々変わってもかまわない.ここでは,「役立つものが真実である」というプラグマティズムの立場を採っている.

ビジネス・エスノグラフィーに興味を覚えるのは,対象を「データ」に置き換えた段階で何か重要なものが失われているからだ.客観的なデータにより新しい気づきを得ることも多いが,データにならない(時には暗黙的な)知識をどのように伝えるかに関して,社会学のエスノグラフィーが有効な手法となるのではないだろうか?

大阪大学の松村研究室では「フィールドマイニング (FIELDMINING)」を提唱している.これは,フィールド(現場)で起こっていることを記憶/記録し,計算機と人,人と人との相互作用によって理解し,フィールドのデザインに生かすというアプローチで,手法として「デジタルエスノグラフィー」 という言葉も出てくる.

我々も,現場からの知識(形式知/暗黙知)の形成&検証において,データ/テキストマイニングだけでなくエスノグラフィーの手法も活用することで,より深いBI(ビジネスインテリジェンス)に繋げていきたいと思っている.





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1 コメント

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フィールドマイニングを初めて知りました (shiba)
2006-02-05 17:01:28
トラックバックありがとうございました。フィールド・マイニングというアプローチを初めて知りました。デジタル・エスノグラフィも含んだ概念みたいですね。



こちらのサービス・サイエンスに関するエントリーを参考にさせてもらっています。今後ともよろしくお願いします。
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