神の国

 私
 は
 神
 だ
 が、君は誰だ?

・・・もはや、やむをえんだろう。副長、特別養護老人ホーム「りんどうの郷」を核攻撃しろ。

2013年05月10日 12時21分08秒 | 全自動随筆

 

 8年前のことだったかな、確か港区の何とか言う割合と大きな交差点でだったと思うのだけれど、浮浪児みたいなのが「おいちゃん50円ちょうだい」とか言いながら付きまとってきたの。

 それでまぁ、当時財布には8円しかなかったから「嫌や」と言ったらその浮浪児が「ちょーだいちょーだいちょーだいやだやだちょーだいちょーだい」とか言いながら地団駄を踏み出したのでもう勘弁してくれや、みたいに思いながら8円上げますといって8円あげたら、「やだーいやだーいあと42円くれなきゃ話が合わないやーいやだーい」とかもう、火がついたように泣くわけ。

 通行人とかもちょっと集まってきてあの人何なの、みたいな顔とかされるんで、私のほうもきまりが悪くなってきちゃう。あと42円上げるからちょっと待ってなさい、とりあえず泣くのはおよしなさいと言って私は42円を探す旅に出た。ガンダーラガンダーラみたいな格好をしてたまたま近所にいた移動動物園の園長から白いロバを買い求め、それに乗って42円を探すわけだけれどもいくら探してもこの日に限って42円が落ちていない。いつもだったらもう、私がガンダーラガンダーラの格好で白いロバに乗った日には余裕で800円ぐらい拾う(最高1980円拾ったこともある)のに、たった42円が拾えない事実にだんだんとイライラしてきた私は、秘書に電話して私のやっている貿易の会社の裏帳簿から42円どうにかならないかと言ってみたが秘書は「はぁ!?」とか言い垂れたので、あ、この秘書って言うのは小川という名前のゴリラみたいな顔の馬鹿なのだが、その小川に「貴様それが社長に対する態度か」などと怒鳴りつけ、出て行け、お前のような穀潰しは今すぐに首だ、出て行け、両耳に味噌が一杯まで詰まれ。死ね。と野戦司令部用の電話に怒鳴りつけガチャリと電話を置くと、CIAに電話して「小川は共産主義者です」と密告した。翌日の新聞によると第七埠頭にまで追い詰められた小川は警官隊との銃撃戦の末、ぼろくそになって射殺されたようだ。生きたまま捕らえればまだまだ情報が引き出せたのに、CIAも下手を打ったなと思いながらもそんなことより42円だ。私は家中にある珍書奇書の類を段ボール箱18杯分かき集めてブックオフに持っていき、買い取ってください買い取ってください南無・妙法・蓮華経、などと泣きわめいたのだが、ブックオフは嫌がらせなのか何なのか見積もりをきっちり41円で上げてきやがって、42円なら今すぐ売りますが41円なら売りませんよ、よくお考えなさいたった1円だ。この1円を君がどう見るのか、まさに故買商の面目躍如じゃないのかね。真剣に考えなさいいいですか、42円ならこれらの書籍はすべて君のものだ、41円なら全部引き上げる、どうかね? と訊いてみたのだがそしたらやっぱり笑顔で41円ですとか言いやがって私は「駄目じゃー」と叫び、両手に持っていた二挺のショットガンを乱射しつつ「ロバもつけるからあと1円どうかならんですかねえええええええええええええあああああああああああああああ」とか叫び散らしていたのだが、ふと気がつくとブックオフの奴の頭が無くなっていたのでしょうがないから店に火をつけて引き上げた。

 さまよう刃と化した私は42円を求めてその後も町を徘徊し続けたがどうあっても42円が手に入らないものだから、浮浪児のところに行き「すいません、残りの42円をどうしても手配することができませんでした」と謝ると、そいつはニヤリとして顔面の皮膚を引っ張るとズルリと皮膚が剥け、「あ! この顔はマスクやったんや!! しまった、これはハメられたで」と私が思っていると、別に皮膚はマスクでもなんでもなく、普通に皮膚を剥くと下にはサーモンピンクの真皮があるだけで、あと筋組織とかがうっすら見えている状況になってやっぱりニヤリとしているのでキショいなと思っていたのだが、私の方のリアクションが薄いのを見ると浮浪児はもう一度顔面の皮膚を被り直し、私の顔をうかがいながらチョロチョロ皮膚を剥いたら戻したりしつつ森永コーヒー牛乳とかをストローで飲んだりしながら童謡の放歌を繰り返し続けたので、あ、コイツはヤバい奴なんやと分かった私は、ポケットから先ほど白いロバを移動動物園の園長に売却した金の残りの20万円を取り出すとあわててタクシーを捕まえ、現場から逃走した。

 800メートルぐらい離れてから「運転手君、今すぐさっきの場所に引き返し、森永コーヒー牛乳をストローで飲んでいる奴を全力で轢いてくれたまえ」と言うと運転手はノリノリで「分っかりやしたー」とか言うので頼もしいなと思っておると、タクシーは全速力でまっすぐに交差点で森永コーヒー牛乳を飲んでいるサラリーマンに突っ込み、サラリーマンはギャグ漫画みたいに40メートルぐらい吹き飛び、交差点の向こうのビルの3階ぐらいのところに、逆さまのキリスト像みたいに張り付いて死んだ。

 オーマイガーやで。

 

 その後、車から降りて運転手と浮浪児をそれぞれ日本刀で斬り殺し、私は天山山脈の向こうまで、移動動物園の園長から更に買い戻した白いロバに乗って逃げようとしたのであるが、途中、追いついてきた警官隊との銃撃戦となり、第七埠頭に追い詰められたのでダイナマイトを腹に巻いて自決しようと思ったが、こんなことで自決するのも馬鹿らしいと思い両手を挙げて降伏。警官隊に身柄を確保され、パトカーに乗せられたタイミングでニヤリと笑って起爆。男の意地として3人の警官を道連れにパトカーごと吹き飛ばしてやったわ。

 

 (五月革命)


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2 コメント

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りんどうの郷 (タイコンデロガーーーーー)
2013-05-10 19:26:11
中身はリビドーの郷
Unknown (Unknown)
2013-05-11 04:05:09
難解だー

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