庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

製造業を国内の雇用確保の主要政策に据えることができるか。

2016-12-13 | 経済問題

アメリカのトランプ氏が次期大統領に当選したのは、歴代の政権が国内の雇用の流出に適切な対応をしてこなかった批判を、徹底的に打ち出したからである。

だからと言って、トランプ政権になったら雇用が続々と生まれるほど、世界経済の環境は甘くない。

メキシコに生産拠点を移転する予定だった民間企業に、海外移転を強行したら、輸入品には高率の関税をかけてでも制裁措置を取ると、半ば脅迫している。

このやり方が、企業にとっての強制力を持った「雇用確保の手段」であるとは思えないが、新自由主義のように【政府は経済活動には口を出さない】との基本原則を真っ向から否定する政策で、大きな転換策になっている。

 

新自由主義と自由貿易の促進が、先進国の雇用を減らしてきたのは、まぎれもない事実である。

特に大量生産の製造業を国内に引き止める手段は、自由貿易協定の締結が進んだ時期から、政策的には実行できない領域になっている。

企業の方では、海外移転を迫られる前の段階では、従業員の給料を抑制する手段を、可能な限り打ち出してきた。

正社員の給与を抑えることが難しいので、単純作業の仕事が増やすことで、臨時雇い的な【非正社員の雇用を拡大】を図ってきた。

これによって人件費の抑制ができた経営者は、優れた成果を生んだと評価されてしまうので、日本全体での賃金水準は、低下する一方になったのである。

 

現在までは、【非正社員の拡大】は、あらゆる方面に悪影響をもたらすことがはっきりしてきたのに、政府は適切な対策や規制を検討してこなかった。

小泉内閣の時代には、政治的規制が経済活動を阻害しているとして、規制緩和がすべて良いとの風潮ができてしまい、非正規社員の増加の歯止めをかけなかった。

その後の内閣は、一年間だけの短命政権で、働き方の改革には検討する意欲もなかったのである。

安倍政権の経済再生政策には、デフレ脱却が最優先の課題として浮上したので、賃金デフレの改革には、「製造業の賃金上昇」を図る必要が見えてきた。

政府の肝いりで「賃上げ相場を作り出す官製春闘」が、常識となってきたのだ。

 

さらに、「働き方改革として、同一労働・同一賃金」の掛け声によって、【非正規雇用社員の差別的低賃金化】に、やっと政府の規制強化を図る検討が始まった。

2009年の政権交代での民主党の公約では、最低賃金の引上げで、「全国平均1000円/時間」を、目指すとしていたが、ほとんど実行できなかった。

安倍政権のはじめの2年では、最低賃金の引上げには無関心だったが、トリクルダウン効果はあてにならないと気がついて、3年目からやっと着手した。

賃金の抑制が経済の停滞を招くことには気がついたが、製造拠点の海外移転に対する効果的な政策手段は、日本では全く打つ手がない状況である。(続)

 

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