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宝塚への道、背中押した中華学校…鳳蘭さん

2015-02-09 10:32:11 | キャリア・教育
宝塚への道、背中押した中華学校…鳳蘭さん 

俳優

 

  • <noscript></noscript>鳳蘭さん(青山謙太郎撮影)
  •   中国から来た両親らが暮らしていた神戸で生まれ育ち、地元の中国人の子どもが通う神戸中華同文学校で、小、中学の9年間を過ごしました。

      学校では、同級生も先生も中国人、授業は中国語で行われ、教科書も中国語で書かれていました。日本の中にあるけれど、外国みたい。悪いことをしたお仕置きに、廊下にひざで立たされました。私も宿題を忘れて立たされたことがあったけれど、これが痛いのなんのって。

      中学では日本語と英語も学び、私は日本の高校に進学したいと考えていました。3年生になって進学先を決める時期に、同級生から「宝塚音楽学校」という学校があることを聞きました。「えっ、そこはなーに?」とたずねたら、芸事を教えてくれて、将来は舞台にも出られると言われました。人を喜ばせることが大好きだった私は、すっかりひかれてしまいました。

      私は高校受験のつもりで宝塚音楽学校に願書を出しました。当時、神戸中華同文学校から入学した人は一人もいません。先生も応援してくれ、苦手だった音楽の成績は「5」になりました。試験で特技を聞かれ、「中国語の歌がうたえます」と答えて、中国の歌曲「草原情歌」を歌ったことも覚えています。

      結果は合格。少し前まで宝塚の「た」の字も知らなかったのに母校のおかげです。普通の日本人と違ってエキゾチックといわれる雰囲気も、神戸中華同文学校の9年間で身についたものだと思っています。

      音楽学校を経て歌劇団に入ったのが50年前。そして今年は宝塚歌劇100周年。元タカラジェンヌとしてお祝いできるのはとても幸せです。(聞き手 鳥越恭)

    プロフィルおおとり・らん 1946年、神戸市生まれ。64年、宝塚歌劇団入団。星組男役トップスターとして活躍。2005年、紫綬褒章受章。来月22日から彩の国さいたま芸術劇場で舞台「ハムレット」に出演。

     

      (2014年12月4日付読売新聞朝刊掲載)


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