市民講座

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市民病院だより 2010年6月号

2010年06月28日 | 市民講座
日時:6月24日(木)
   16:00~16:45
テーマ:「タバコの害と禁煙治療
      ~ニコチン依存症について~」
講師:新井 聡子 医師
   (獨協医科大学 呼吸器アレルギー内)
会場:佐野市民病院A棟5階研修室

 今回は、“喫煙・禁煙”についてお話いただきました。
 喫煙というと今までは「嗜好」ととらえられることがほとんどでしたが、近年はタバコに含まれるニコチンによる「ニコチン依存症」、つまり慢性的な病気としてとれえられるようになってきました。
 喫煙者の70%がニチコン依存症と言われています。

 講義では、まずタバコの害についてお話いただきました。
タバコを吸っている方の肺を実際の画像で見せていただき、タバコの恐ろしさを実感しました。
 タバコは本当に健康にとってよくないものです

 タバコを吸うとニコチンが快感を生む物質である大脳のドーパミンを刺激します。
 ドーパミンの働きにより快感を得られ、また吸いたいという欲求が生まれます
 つまり、喫煙は「目覚めの一服」「口寂しい」という「心理的依存(習慣)」とドーパミンによる快感の「身体的依存」により、やめたくてもやめられません。
 簡単に禁煙できないのは、意思が弱いからではないのです

 禁煙するには、この「心理的依存」と「身体的依存」を治療する必要があります

「身体的依存」の治療には、「禁煙補助薬」があります。

 禁煙補助薬は、現在3つあります
 1つ目が「ニコチンパッチ」
   肌にシールを貼り、皮膚からニコチンを補給することで吸いたいイライラを抑えます。

 2つ目が「ニコチンガム」
   ガムを噛むことで口の粘膜からニコチンを補給し、吸いたいイライラを抑えます。

 3つ目が「チャンピックス」
   最近登場した薬で、ニコチンを含みません。この薬はイライラを抑えるだけでなく、満足感も得られます。

 「ニコチンパッチ」と「チャンピックス」は保険対象内で処方してもらうことができます。
 禁煙外来では薬の処方を禁煙の1週間前から始めます。
 その後、2週目、4週目、8週目、12週目と計5回の通院で終了となります。(個人差はあります)
 禁煙したいけど、なかなか自力では難しいという方は、禁煙外来に行かれることをオススメします

 そして、もう1つ大切なのが、やはり「禁煙したい!」という本人の意思です。本人の意思がなければ、禁煙は成功はしません。

 現在当院の禁煙外来では、約90%の成功率を上げています。
 喫煙は自分の体だけでなく、受動喫煙(タバコの煙などにより、自分の意思と関わりなく副流煙などでタバコの害を受けること)によって家族にも害を及ぼします。
 換気扇の下や別室、ベランダで吸っても、完全に煙の害を避けることは難しいそうです

 「ニコチン依存症」かな?と思える方は一度禁煙外来に行ってみるのはいかがでしょうか

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