★夫婦珍道徒然日記★

2ヶ月の準備期間で日本を脱出し、漂着した楽園ニュージーランド。その後の人生を語ります。

Old Rusty Basket

2005-09-25 12:23:08 | 旅日記
ニュージーランドは車社会であります。車がないと南北方向は良しとしても、中々東西方向に進めないようになっています。オークランドの観光名所のPiha Beachも人気のあるスポットながら最西端にあるビーチなので、車で1時間の距離がバスで行くとなると半日かかってしまうかもしれません。

適当にバスは走っておりますし、主に市民の脚として活躍しているものの、年々悪化の傾向にあるオークランド市内の交通渋滞は自家用車で通勤・通学する人の数が増え続けていることの原因でありますが、大学生は社会現象とは裏腹に無責任な年齢でもあり、学校の休暇中になると、突如として朝夕方の停滞が緩和されるので、彼らが諸悪の根源だと考えられております。

車社会が進行しているもう一つの理由は、主にバス会社のサービス面の悪さ・電車の普及の遅延だろうとも言われています。オークランドの最大のバス会社はStagecoachといってイギリスの資本会社でありますが、以前からニュージーランド人に対する労働条件の悪さでは有名でありました。何度も労使間でストライキがあったのはつい今年の4月のことであり、普段ガラガラの電車が”満員御礼”になったことをご記憶の方も多いと思います。

それ故、ニュージーランドのドライバーの質の低下へのつながっています。停車場で手を上げても通り過ぎてしまうバス、おつりが大きいと大声で怒鳴りだし、結局おつりを返さない運転手、下車のベルを鳴らしているのに誤りもせず通り過ぎていくバスなどなど、数えれば切がありません。彼らもストレスを感じながらの生活を強いられているのでしょうけれど、それがもろ感情的にお客様へ、しかも弱い乗客へ向けられるのも、独特の西欧人的気質として留学生の間ではステレオタイプ化されているようです。

バスの中での出来事でなくても、お店での店員の態度は笑顔が少なく愛想が無いのがこの国では当たり前なので、バスの運転手のマナーの悪さはその一例なのですが、大衆で一番目立った存在ですので生じる批判は一番大きいのでしょうね。もちろん笑顔が素晴らしく優しいドライバーもたくさんいるので、渡航の方はどうか緊張せず乗ってください。たまに不運が起こるだけですから・・・

そんなことで、車の数は年々上昇傾向にあります。

1992年に初めてニュージーランドに渡った時は、日本車はすでに多かったですが中古車が圧倒的であり、新車は庶民の間では高値の花のような価格であったように覚えております。まだ、その当時はNZ1ドル=85円~90円くらいの時代であっりました。三菱のGTOという高級車が1000万円近くで販売されていたように記憶しております。

2002年に再度ニュージーランドに来たときには、日本車もさることながら、ベンツ・BMW・フィアット・フェラーリなどのヨーロッパの高級車はアジアからの移民者が好んでバンバン購入しておりました。韓国人の間では、1000万クラスの自家用車を買うのは当たり前だと知り合いの韓国人から聞き驚愕したことがあります。

オーストラリアのホールデン社の大型車はKIWIの間で一番人気の車でした。また’70年代より以前に製造されたクラシック・カーもかなりの愛好家がいて、日本では光岡自動車が似たような車を作っていますが、古きよき時代のジャガーをカッコよろしく乗り回し、またシトロエンのようなコダワリの運転している髭を生やした渋いおじさん達の優雅な姿をみては、とても羨ましく指をくわえながら観ておりました。

一般に中古の年式は新車から10年以内の車が多く、なかなかいい値段で売れているようなでしたので、これから日本から渡航をお考えの方は、自分の愛車を日本から輸出し、それをニュージーランドで高値で売って帰ることを検討されてもいいかと思います。

年齢が重なるとともに、車は安全に走ればOKと考えるようになった私でしたので、最初から中古車を買うことに決めておりました。無論、車に全く無関心の嫁さんも全く同意見でありました。ニュージー到着1週間後には、すでにシティにあるカーフェアに出向きました。ねらいは4ドアのセダンタイプです。このカーフェアは参加費用20ドルだせば誰でも気軽に車を出品でき、その場で直接値段が交渉できるシステムになっています。

値段は様々ですがディーラーからかうよりは安く購入できます。しかし、故障について全く保障がなくので現金で決済後は、全く当事者には責任が発生しません。大変大きなリスクを背負うことを覚悟しなければなりませんので車の目利きの人に同行してもらうか、もしくは交渉次第で一日お借りしInspectionに出して点検してもらうのがいいでしょう。それを嫌がるような売主の車は、まず怪しいですから。

気に入った車がくるまで待つこと一時間、一台のHonda Vigorがやってきました。1986年の中途半端な年代のものでしたが、2人で使うには十分なスペースであり、値段も2200ドル(約12万円)と破格の安さでありましたので、その場で購入を決意・・・してしまいました。

車のオーナーから「私を信じて買ってくれ!これは最高な車なんだ」という言葉を信頼してしまったことが後の祭りでありました。。

〝最高の車を手放すはずがないではないか!〟

買った翌日、車を止めていた駐車場の下を除くとオイルがベットリと地面にぬれていました。すぐさま修理屋に直行し、悪い箇所をみてもらったところABSのブレーキオイルタンクから漏れが発生しているとのこと。致命傷でありました。取り敢えずABS機能を切断させることで、油を継ぎ足しだましだまし運転を続けることを強いられたのですが、いつタンクは空になるかわかりません。危険と隣あわせになりながらも、このオンボロ車(Old Rusty Basket)と付き合っていくはめになってしまったのです。

皆さんも安易に人は信用しないようにしましょう!

それから一年後、修理代で約2500ドルを費やした甲斐も実らず、私達のビガー車は見事に車検で不合格となり、新しい中古車トヨタ・カローラ君がやってきました。ようやく我が家に春が訪れたのでありました。

最新の画像もっと見る